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ここは大久保百人町O-cha'cco烈伝

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大久保百人町にあるわずか1.5坪の立ち呑み屋O-cha'ccoで巻き起こる様々な出来事と、これまで出会ってきた愛すべきお客様やどこか憎めない人達との忘れられない話を、1話読み切り…
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#仕事について話そう

【第1話】ある女性の話。

 その女性は、当店の開店当初、いや、まだ店の工事中の時から話し掛けて来た。 「ここ、何ができるの?」 から始まって。 うちが糸ノコでカウンターをギコギコしてようが、サンダーで磨いてようがペンキ塗りに悪戦苦闘してようが、人の都合もお構い無しに話し掛けてきて、内容はその女性の身の上話。 サンダーの音と電車の音と自分本位な身の上話で時々何を言ってるのか意味がわからない時もあるけど、そんな時はテキトーに相槌を打ってる。 とにかく、北関東訛りのある早口で身の上話しかしない。 お歳は当時

【第6話】賭け

 開店して2〜3ヶ月経ち、常連さんらしき顔ぶれができ始めた頃。 開店1週間経つか経たないかからご来店下さってる当時の最高齢常連客本庄さんさんが、ニコニコしながらご来店。 「今ね、いつもの立ち呑み屋さんへ行ってきたんだけどね、」 と、それは当店とは反対南口にある立ち呑み屋さん。 他に居酒屋さんはいらくでもあるし、立ち呑み屋さんも数軒あったのに、なぜかそのお店の常連さんと当店のお客様は開店当初からかなりかぶっていた。 店の雰囲気が似てるかと言えば全然似てない。あちらは蛍光灯の白い

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【第4話】初めて出入り禁止にした人の話

 忘れもしない出禁第1号男。 (有料記事の売上は、全額能登半島大震災の支援金とさせて頂きます)

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