見出し画像

Weekly Pick UP! 2022/4/18

今週はDTx、そしてオンライン診療に関わる話題を取り上げます。この分野はいつ医療機器、診断薬会社の脅威になるかわかりません。要チェックです。

1. 不整脈検出デジタル機器使用に関する臨床指針 – EHRA 2022より

デジタル機器による心拍モニタリングは、スマートフォンやウェアラブルデバイスの出現により飛躍的に進歩し、無症状でありながら治療可能な不整脈の検出において有効な手段となっています。しかし「機器からのフィードバックにどう対応すべきか」について、明確な指針や管理計画がなければ、混乱と不確実性を生むとの懸念があります。「どのような患者が、どの技術を、いつ使うべきか」について国際的な合意を経た臨床医向けの指針が、欧州心臓病学会(ESC)の機関誌 Europaceに4月3日付で公開されています。

要点は以下の通り。
・心電図パッチ・スマートウォッチ・アームバンド・チェストストラップ・指輪・イヤホンなどあらゆるウェアラブルデバイス、および生体認証アプリを組み込んだスマートフォンなどの携帯端末といった、全ての新規デジタルデバイスが対象とされている
・これら機器で得られた異常所見は「心臓不整脈専門医や循環器専門医を含むチームで評価すべき」であり、また、一般消費者向けの機器による測定のみでは診断に不十分で、臨床用心電図検査での確認を必須とする
・脳梗塞リスクが高い75歳以上、または65歳以上で高血圧・心疾患・脳卒中の既往がある者は、デジタル技術を用いた心房細動のチェックとスクリーニングについて、医師と相談すべき
・各規制当局の承認を受けていない市販デバイスによって、医学的に必要性のない人々が常に心拍をモニターすることは避けるべき

規制はややネガティブな印象を与えるものの、濫用がなくなり適切な使用が進めば有効なエビデンスが蓄積される体制が整います。今後蓄積されるデータから、新たな発見、治療の進化が期待されます。

画像1

出典:The Medicla AI Times  Link

2. CureAppの高血圧症治療用アプリ、世界初の薬事承認に向けて前進

医療系スタートアップCureAppは2022年3月9日、自治医科大学内科学座循環器内科学部門と共同研究を進めてきた本態性高血圧症に対する治療用アプリ「CureApp HT」が、厚生労働省内の薬事・食品衛生審議会プログラム医療機器調査会において、薬事承認の了承を受けたと発表しました。今後、厚生労働大臣による正式な承認を経て、保険適用に向けて手続きを進めます。

治療用アプリの中でも、血圧症領域に関しては、欧米でも治験の成功事例や薬事の事例がありません。CureApp HTは、高血圧症疾患領域において、世界で初めて薬事承認の了承を受けたアプリになります。

画像2

このアプリの最大の特徴は、Cure APPが得意とする行動変容を促す点です。治療方法や治療薬がどれだけ整備されても、本人の行動次第ではその効果が低減します。生活習慣病全般について同様の傾向があり、この薬事承認をきっかけに、今後行動変容を目的としたアプリケーションの活用はさらに広がる可能性が高いと考えています。

出典:MEDICAL DX  Link

3. 糖尿病を対象にしたオンライン診療やオンライン指導が広がる!

「UMed Healthcare」
宅医療を軸としたヘルスケア関連サービスの開発・運営をする株式会社UMedがサービス提供をしている、自宅で保険適用の診療を受けることができるアプリです。
連携クリニックの医師によるオンライン診療を受けられ、また採血や尿検査など、診断に検査が必要な場合は看護師が自宅に行き検体をとるシステムを採用しているのが特徴です。
アプリでオンライン診療の予約をおこない、予約の時間にアプリ内でビデオコールをして診察を受け、予約時に登録したクレジットカードで自動決済、オンライン服薬指導を受けることで薬が自宅へと配送されます。
現在は、糖尿病・高血圧症・脂質異常症の患者を対象に、渋谷区・新宿区・中野区・杉並区・世田谷区限定でサービスを開始しています。

画像4

「拡充型血糖クラウド管理システム」
慶應義塾大学病院での糖尿病・肥満症外来で運用されているシステムです。
簡易自己血糖測定器を使用することで、各医療機器メーカーのアプリに自動でデータ入力される血圧や体重、血糖値やインスリン使用量といった患者の記録データを、メディカルデータカードのMeDaCaシステムを介して、医師が各医療機器メーカーのクラウドの垣根を超えてシームレスに確認できます。
オンライン診療において医師は血糖値のデータをリアルタイムで確認することができ、より細やかな指導や診断を下すことが可能になっています。また、医療機関と患者のデータを共有することで、患者と糖尿病専門医、糖尿病専門医とかかりつけ医師をつなぐ役割も担えます。

画像3

出典:MEDICAL DX  Link

その他出典:株式会社Cure App Link

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?