「キャッチャー冠野」どん底からの物語を一緒に楽しむオンラインサロン 2021年の記事 「誘拐された話④」
「キャッチャー冠野」どん底からの物語を一緒に楽しむオンラインサロン 2021年の記事 「誘拐された話③」 僕たち3人は大便所にいるドラムから必死に逃げた。 少しでも後ろを振り返ったらドラムがいる気がするので 地面に流れるコンクリートの道をひたすら駆け抜けた。 どれくらいの時間を全力で走っただろうか。 みんなが体力の限界の限界を超えてヘトヘトになっている。 や、やっと! 前方に人口島の出口の橋が見えてきた。 橋が見え
キャッチャー冠野「どん底からの物語」を一緒に楽しむ オンラインサロン2021年の記事 「誘拐された話」② ドラムに連れられて 僕たち4人は人口島に渡る橋の前まで来たんだ。 橋を渡り始めて数10メートルのところで 高田くん 「あ、俺、公文あった!帰らんと!」 と言って 言い出しっぺの高田くんはあっさりと帰ってしまった。 僕 (え?何なん?) 残りは小山くん、僕、ヒデキの3人。 僕は次第に (何かわからないけどヤバイな
(キャッチャー冠野「或る阿呆のどん底からの物語」を一緒に楽しむ オンラインサロン2021年の記事の一部 ) 「誘拐された話」① あれは忘れもしない僕が小学校3年生の夏休み前。 僕は誘拐された。 おいおい、嘘をつくな!大袈裟やなぁ。不謹慎な! うーん、でも本当に誘拐されてんだから仕方がない。 時は遡ること。1980~1990年代。 当時、小学生の間で流行ってたのは ロッテから発売されたお菓子「ビックリマン」。
1988年から始まってお茶の間をキラキラとした光で照らし 続けたテレビ番組がある。 フジテレビ 「とんねるずのみなさんのおかげです」 だ。 とんねるずの二人が面白くてカッコよくて 周りに田んぼと海しかない町で育った 超田舎者の小学生の僕たちは一瞬にしてテレビの虜になった。 みんな木曜日の21時になるとドキドキワクワク しながら番組を観る。 小学生時代の僕達にとってヒーローは 「仮面ライダー」でも「ウルトラマン」でもなく 番組の中でノリさん演じる