まだ僕は酒を飲んだことがない。

一度もない。

なぜだろう。

酒を飲んだことないが、酒を飲んでいる人は楽しそうだ。理性を失う人もいる。


亡き父は酒を毎日飲み、
酔っ払っていた。(現存)
ある日、夜ご飯の時にジュースを飲もうとしたら怒られた。
意味がわからなかった。
父親は酒を飲んでいるのに、なぜ自分はジュースを飲んでいけないのか。
今でもわからない。
酒というのはそんなに特別なのか。
父の悪酔いでいい思いをしたことがない。


日本での飲酒は20歳からと決められている。
別に20歳未満で飲んでもいいと思う。
自分で決めればいい。

高校の時、「昨日、〇〇飲んだんだけど、不味かったんだよね。」って声が聞こえた。そうすると、「〇〇は不味いよ。△△は美味い。」と返し、そこから酒飲めるマウントの取り合いが始まった。
勝手に飲むのはいいが、それを口を大にして言ってしまうのがダサい。
高校生だけど酒もタバコもいけますっていうイキリ方が本当にダサかった。
こういうやつは年齢制限を破る俺かっこいいでしょっていう感じがすごくて。
こういう事をヤンキー堂まっしぐら入れ墨君たちがやっていれば僕は何も思わなかった。こういうマウントを取っていたのはそっちに少し憧れを持った中途半端君たちだった。
彼らは今でも何かを間違えて生活しているのだろう。
僕の友達はあの頃酒を飲んでいたかもしれないが、そんなことは一言も言っていなかった。


会社に入ると、いろんな人から「お酒飲むの?」と聞かれた。
「飲まないです。」と答えると、
「強い?弱い?』
「いや、飲んだ事ないので分からないです。」
「え、一滴も?」
「はい。」 
「へぇ〜、えらいね。」
「はぁ・・・」
えらい?未成年だからまだ酒を飲んでいないことがえらいのか?
「じゃあ成人になったら楽しみだね。」と言われた。
何が楽しみなのか。
別に僕は酒を飲めるようになることが新イベントだと捉えていない。
もし飲みたかったら、もう飲んでいるであろうし。
僕は今まで酒を飲まずに生きてこれたし、ここで飲んだところで何か変わるのだろうか。

僕は分かった。僕はお酒に対していいイメージがない。

果たして酒を飲んでプラスに働く人はいるのだろうか。

親友の徹ちゃんは「酒を飲むと頭がバカになるから飲まない方がいいよ。」と
僕に言った。当の徹ちゃんは既にバカになっている。

ある男は僕の家に来て、たらふく酒を飲んで「俺はお前のファンだ!」と言って、
夜中にゲロだけ置いて帰った。

金払いが良くなる人もいる。ババ抜きで負けて、泣きながらお金をくれる人もいる。僕たちにとっては良いが、その人にとってはマイナスだ。
でも楽しそうだから良いのか。

結局ここにつながる。
お酒を飲んでいる人はみんな楽しそうだ。


友達とご飯を食べる時、親戚とご飯を食べる時、酒を勧められることが多々ある。
酒を飲んだら楽しいのは分かったがそれをなぜ勧めてくるのだろう。
僕はそのままでも十分に楽しんでいるのに。
酒を勧められれば勧められるほど、酒を飲まなくて良いんだなと思う。
僕はメチャクチャ天邪鬼だ。


僕は酒飲みの人を否定してるわけではない。
ただ酒飲みに対するアンチテーゼが僕を誕生させた。


こんな事考えてないで適当にパーって生きた方が楽しいだろう。
自分は自分で作ったルールの中で生きている。
自分のルールに縛られて生きている。
もしかしたら生きにくい人間なのかもしれない。




でも大丈夫だ。



42歳ぐらいで何の記念日でも特別な日でもない、普通の日に1人で急にお酒を飲むことが一番面白いって僕は分かっているんだ。

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