【※無料公開対象】ニュージーランドトロフィー 2022 出走予定馬:ジャングロ&武豊騎手想定

第40回 ニュージーランドトロフィー(GII)出走予定馬展望

日程:2022年4月9日(土)
コース:中山芝外1600m

ジャングロ(武豊騎手想定)

 中京2歳ステークス、マーガレットステークスと1200mのオープン特別を連勝してきたジャングロが武豊とのコンビでニュージーランドトロフィーに出走予定だ。快速ぶりは1200で花開いた感はあるが、この経験を糧にマイルの距離でどう走ってくるかに要注目だ。

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 まあとにかく現状のジャングロで1600をこなせるかどうかに尽きる。ベゴニア賞の感じは悪くないし、豊としてもコントロールするよりは基礎スピードをある程度活かしてという入りをしてくれればと思っているけどね。距離というのはもちろんあるんだけど、基礎スピードを活かして結果を出した馬は距離が延びても前半を攻めてほしい。

中京2歳S(OP)1着

中京芝1200m良 9頭7枠7番
風向き:北西3.8m/s(大府市15:00)
1:08.4R 33.7-34.7 H^1
12.1 - 10.5 - 11.1 - 11.3 - 11.3 - 12.1

 2走前の中京2歳S勝ちから振り返りたい。中京の1200m戦でペースはややハイ。ラップ的にも淡々と進んでL1が12.1と減速。3~4角で11秒前半を維持しているし、左手前でのコーナリングも求められたが、基本的には基礎スピード戦。風は北西からで4角地点が完全向かい風。

 7番枠から好発を決めてそこから促しつつハナを主張。じわっと内に切って取り切って3角。3~4角でもペースを緩めず淡々と進めて4角でも楽な手応えで1馬身ちょっと差で直線右手前。序盤で追われて後続を離して3馬身差。L1でそのまま突き抜けて3馬身半差の圧勝だった。

 とにかくこの時期の2歳戦とは思えない時計、ラップでスプリンターとしての才能はまず間違いなく高いレベルにあると思う。実際次のメイン11Rの有松特別が2勝クラスで34.1-34.8で1:08.9。前後半どちらも上回っていたし、この時点で短距離で2勝クラスを明確に上回ってくるというのは破格のパフォーマンスだからね。1200mならこの世代トップレベルと言い切っていいと思っている。テンがそこまで速いわけでは無いけど、基礎スピードを質的に持っていた。また3~4角で左手前で11秒台前半を維持してという競馬でも直線右手前に換えてから最後までしぶとく踏ん張って後続との差を広げ続けたし、かなり強い競馬だったと思う。ただ、この一戦に限って言えばゴリゴリのスプリント戦だな、という認識。トップレベルだが距離延長に関しては何とも言い難いね。基礎スピード色が相当強い競馬。

マーガレットS(L)1着

阪神芝内1200m良 13頭5枠7番
風向き:西3.4m/s(豊中市15:00)
1:08.0 33.1-34.9 H^2
11.9 - 10.3 - 10.9 - 11.2 - 11.4 - 12.3

 前走のマーガレットSでも同様に強い競馬だが、逃げること無く好位からでもしっかりと高いパフォーマンスを維持してきた。ペースもかなりのハイで単調な減速ラップ。より基礎スピード色が強かったが、好位で流れに無理には入らずしっかりと直線で違いを作ってきた。風は西からなのでHSが向かい風に近い状況。

 7番枠からまずまずのスタート、そこからある程度促していたが逃げに拘るというよりは2列目を意識、ただ途中で前をカットされてブレーキ気味で一旦好位に下がる。そこからは好位の外を正攻法で進め、4角でも中目を通しながら前のカジュフェイスの後ろで壁を作って直線で4列目外。序盤で左手前に換えてすっと伸びて2番手、1馬身半ほどの差。L1の坂の登りでしぶとく抜け出し最後は流す余裕で1馬身半差の完勝。

 ここもかなりスプリント色が強い競馬だったが、逃げずに好位でしかも少し前半で不利を受けながらということを考えても着差以上の強さだったと思う。高速馬場だったにせよ1:08.0の好時計は目立つし、右回りで右手前で速いラップを維持というところの問題も全くなかった。1200mである程度ペースを引き上げればこの世代ならトップレベルのパフォーマンスを安定して引き出せるんじゃないかな。かなり楽しみな一頭で、秋のスプリンターズSに出てくれば今のレベルなら…という感覚やね。ただ、やはりこれもそうだがかなり極端な基礎スピード戦でトップレベルのパフォーマンスを引き出している。相対的に緩んでどうかは不安の方が大きいというのはこの2走からは感じる部分やね。この流れがこの馬にとって良すぎるきらいは否めないね。

ベゴニア賞(1C)6着

東京芝1600m良 8頭4枠4番
風向き:北2.1m/s(府中市13:20)
1:34.9(+0.2) 47.9-46.8 S^1
12.5 - 11.3 - 11.9 - 12.2 - 12.2 - 11.1 - 11.4 - 12.1

 3走前のベゴニア賞を振り返るしかないね。まあこういう競馬をしちゃうと難しい。ごまかそうとするんじゃなくて、この馬の基礎スピードで勝負して持たなかったらしょうがない、というぐらいの競馬をしてほしい。ここはややスローでコントロールしていたけど、結局L3で最速を踏んでもそんなに後半の無酸素運動を維持できなかったという形。負けパターンになると思う。風は北からなので3~4角中間地点が完全向かい風。

 4番枠からまずまずのスタート、そこから二の足で一気に花を取り切り主導権をあっさりと取る。そこからはコントロールしつつだが割と馬の方もペースを落とせて団子状態で3角。3~4角でも引き付ける形だが2列目勢がじわっと仕掛けてくるので4角で手が動いて加速の形を取ってで半馬身差ほどで直線。序盤で右手前に換えて追われているが徐々に並ばれ、L2で左手前に戻すも2列目で抵抗まで。そこからL1で甘くなってそこまで差はないが6着完敗。

 ここからも後半で速いラップを踏むこと自体は可能。ただ、スローで支配したところで後続がより鋭くトップスピードを引き出してくる上にロングスプリントで量的に見劣っている。府中なのでというのもあるが、L2の半ばで左手前に換えているので右手前での無酸素運動の持続性というのはそんなには見せられなかった。そこでしんどくなって左手前でもうひと踏ん張りもL2までだったしL1では見劣っているわけでね。もちろん豊としてはここは距離を試してという中で、思ったよりコントロールできたから後半どれだけ脚を使えるか?というのを考えながらというのもあったとは思う。ただ、現状マイルでこの競馬では後半要素が足りないのは確かなので、以下に前半で強気のレースを作って、それでどの程度持つか。そこに尽きるんじゃないかな。単調な馬ではないことは証明できているんだけど。

ニュージーランドトロフィー2022への展望

 今回はペースが最大のポイントになるかな。距離の不安はもちろんある馬だけど、なぜ距離不安かってメカニズムは後半が質量でちょっと足りないからというところになる。ベゴニア賞は別にこの馬の脚は使えているし、スローからのL3最速で普通にこの馬自身加速は出来ているので距離が持たないタイプでは無いと思う(ベストではないだろうが)。ただ、この馬の良さである前半の基礎スピードを相当抑えたし、その結果後半型に素材で見劣ったというのがベゴニア賞の本当のところだろう。なので、シンプルに言えば距離を怖がらずに46秒台ぐらいで勝負してほしいなと。

 自分のイメージとしてマイルで勝ち負けするなら前半は飛ばして縦長でリードを広げ、少し息を入れて3~4角で後続に取り付かせつつ自身はペースを上げずに仕掛けを待ってのL2の一足がベストだと思う。ベゴニア賞も加速自体は出来ていたし、そこで突き放せなかったのはスローでトップスピードの質を要求されたのが大きい。前述している通りスローだと後半型でも余力がある。それを前半の基礎スピードで引き上げる形でリードを作って、相手に脚を使わせる(前半で追走もしくは縦長で早仕掛け)ことで自身は一足をいかにゴール板に近い位置で使えるか。素材面はかなり高いレベルのものを持っているが、それは前半の基礎スピード面。ギアチェンジ自体は出来ているので、後は流れた中でそこまで速くないけど一足ですっと加速という形に持ち込めればやね。個人的にはここは楽しみも半分、難しさも半分というところ。豊がここでどう乗ってくるか、自分のイメージ通りに乗ってくれたらかなり嬉しいね。マイルはベストではないと思うけど、こなせる可能性は示しているはず。

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