【※無料公開対象】中山牝馬ステークス 2022 出走予定馬:ルビーカサブランカ&武豊騎手想定

第40回 中山牝馬ステークス(GIII)出走予定馬展望

日程:2022年3月12日(土)
コース:中山芝内1800m

ルビーカサブランカ(武豊騎手想定)

 愛知杯では内から一閃しぶとく伸びて重賞初制覇を果たしたルビーカサブランカが武豊とのコンビで中山牝馬ステークスに出走予定だ。今回は中山の1800mが舞台となるが、微妙な距離短縮がどう出るか。名手とともに重賞連勝を果たしてさらに弾みをつけたい。

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 愛知杯はペースもゆったりしていたしその中で内から上手くというのはあった。その点で中山1800で距離的にどうこは一つの課題かな。個人的には距離はもうちょっとあっていいタイプだと思っているんだけどね。坂スタートの中山1800だしそこまで気にはならんが。

愛知杯(GIII)1着

中京芝2000m良 16頭1枠1番
風向き:北西2.0m/s(大府市15:40)
2:01.0 62.3-58.7 S^4
12.5 - 11.3 - 13.1 - 12.9 - 12.5 - 12.1 - 11.8 - 11.3 - 11.5 - 12.0

 前走の愛知杯勝ちから振り返りたい。中京の2000m戦で左回りではあるが中山1800と同じ坂スタート。ペースは超々スローでそこからのL3最速で11.3という程度。典型的なロングスプリント特化戦といっていいだろう。風は北西からなので4角地点が完全向かい風になる。

 1番枠から好発を決めて、そこから様子を見ながら各馬を行かせて中団の内目でレースを進めていく。道中もドスローの流れだがウインアグライアの後ろ、スペースを保ちながら焦らず3角。3~4角でも中団の内内を進めながら3列目に押し上げて直線。序盤でしばらく左手前のままだったがしぶとく伸びて右手前に換えて2列目。L1でそのまましぶとく伸びて外から強襲するマリアエレーナをアタマ差で振り切った。

 まあ、正直展開的にかなりかみ合ったというか、豊が上手く乗ってきたなという印象だった。ペース自体はドスローだったが基本的に後半型の馬ではあるので前半で脚を削がれなかったのは良かっただろうと。それと、仕掛けが比較的早めでL3最速、4角地点で速いラップを踏む形になっている。これで最短距離を通しながら押し上げられたという点ではやはり他との比較でアドバンテージだっただろうと思っている。そのうえでL1ではちょっと甘くなって詰められているので、上手く最短距離で出し切っての勝利と考えると簡単に評価するのはちょっと危険かなと。ロングスプリントでそれなりの性能を出してきたから勝ち切れたというのは間違いないけど、正直上手く乗られたなという方が大きい。坂スタートでポンと出ていたのはプラス材料。

オリオンS(3C)1着

阪神芝内2200m良 12頭2枠2番
風向き:南西3.8m/s(豊中市14:30)
2:12.2 60.0-60.1 M
12.5 - 11.4 - 11.6 - 12.5 - 12.0 - 12.1 - 12.1 - 11.8 - 11.8 - 12.1 - 12.3

 2走前のオリオンSでは強い競馬で完勝している。ここはそこそこ強敵が揃っていたと思うし、その中で前後半フラットの有酸素運動で一枚上だったなという印象。平均ペースでL4最速タイで11.8とラップも遅め。前半の基礎スピードと後半のポテンシャルのバランスを求められた一戦。風は南西からなので4角地点が完全向かい風。

 2番枠から五分のスタート、そこから様子を見ながら無理はせずにじわっと下げて中団から最終的に後方へ。道中も前がやや単騎気味に進める中で後方の内内で脚を温存。3角で少し外に誘導しながら4角で手が動いて外から進出、左鞭も入って出口で大外から中団で直線。序盤で左手前に換えてしぶとく伸びて先頭列に並びかけてくる。L1の坂の登りでもしぶとく抜け出しての1馬身半差完勝。

 4角でのロスは結構あったと思うけど、それでもポテンシャルの違いでラストまで伸びて突き抜けてきたなという感じ。この馬のバランスで考えれば明確に後半型の競馬だし、その中でポテンシャルをコーナーでロスがあってもしっかりと引き出してきたという点を評価すべきだろうと。右回りでのポテンシャル戦でコーナリングでの負荷をある程度求められても問題なかったし、これは結構強い競馬だったかなと思っている。もうちょっと距離があっても良いなと感じたのはこの辺かな。ある程度流れてもいいけどこの馬自身は後半型の馬だとは思う。

五稜郭S(3C)3着

函館芝1800m稍 16頭1枠1番
風向き:南南東2.8m/s(函館市15:30)
1:48.8(+0.2) 48.9-47.7 S^1
12.3 - 12.1 - 12.4 - 12.1 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 11.6 - 12.1

 5走前の五稜郭Sでは1800mの舞台で後ろからと難しい競馬になった。ペースはややスロー程度、向こう正面でそこまで上がり切らずのL2最速で11.6。4角出口で一足を求められた一戦。風は南南東からなので3角地点が完全追い風。HSは向かい風に近い。

 1番枠から出負けして後方からの競馬となってしまう。道中も最後方列の最内で進めながらだが、ペースが上がらない中で後方馬群の内目を押し上げながら3角。3角手前でスペースを確保していてそこを活かして徐々にスピードに乗せて4角で外に誘導。そのまま中団外目を追走しつつ3列目で直線。序盤で左手前、外からジリジリ。L1でそれでもしぶとく食らい通いて最後は前との差も若干詰めたが2着サクラトゥジュールから3/4馬身差の3着まで。

 ゲートで出負けしたのが致命的だったというのはあるかな。後半外から押し上げながらジリジリと最後まで伸びてきていたようにしっかりとポテンシャル面は見せてきたと思う。ただ、やはり突き詰めると位置取りが悪かったし、L2の加速の地点ではそこまで伸びてこなかったように少し勢いをつけてやらないとというタイプではある。その点では豊とは馬が合うと思っているけど、1800は前半部分も含めてちょっと忙しい感じはあるんだよね。ポジショニングの問題もあるけど、もうちょっと距離があった方がルビーカサブランカの良さという点では活きるかなと思っている。時計が標準にはかかる中山1800なら許容範囲かな…というぐらいだけど。

中山牝馬ステークス2022への展望

 個人的には前走の愛知杯はレベル的にも高くはないと思っているし、そのうえでロングスプリントとなった中で最速4角地点で完璧に立ち回ってきたのでそこまで評価してない。むしろ2走前の方が強かった印象で、4角で外からしぶとくポテンシャルを発揮してきた。個人的には今のところスローロンスパでポテンシャルを出し切る競馬がベストかなと思っているので、その点では中山
1800だとちょっと前半が忙しくなるかも?という可能性はある。ただ坂スタートは前走の愛知杯で上手く出ているし、そこで出負けせずに中団辺りを取れてスローから向こう正面で流れが速くなる形になればルビーカサブランカとしてはレースがしやすいだろうと。

 後は相手関係かな。ミスニューヨークなんかも手ごわいのはターコイズSでベストでないペースではあるにせよアンドラステを撃破できているという点で、となる。これより前で競馬をして3~4角で動く形に持って行きたいかな。個人的には前目で平均で飛ばして良さが出る馬が何頭かいるなと思っているので、開幕週でペースを引き上げられて前半の基礎スピードをある程度要求されると1800では微妙かなあ…という感じ。特に今回はスマイルカナ辺りも参戦してくるしこれが1800でどこまで?というのはあるが、ペースは前半を少し強めに想定した方が良いかなと。なので少しリスクもあると思う。ただ、豊とはマッチしている馬なので、こういうケースでの軽視は禁物。押さえてはおきたいかな。

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