府中牝馬ステークス 2021 出走予定馬:ドナアトラエンテ&ルメール騎手想定

第60回 府中牝馬ステークス(GII)出走予定馬展望

日程:2021年10月16日(土)
コース:東京芝1800m

予想用・出走予定馬一覧

府中牝馬ステークス2021の予想用・出走予定馬一覧

ドナアトラエンテ(ルメール騎手想定)

 オープン入りまでに時間はかかりつつも福島牝馬ステークスで2着と重賞にも目途を立てたドナアトラエンテが府中牝馬ステークスに出走予定だ。前走のクイーンステークスでは果敢に先行したもののまさかの11着と惨敗。今回はリズムを守って自分の末脚を引き出したい。

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 まあタイプとしては前走のクイーンSでは怪しくて、今回の府中牝馬Sではちょっと狙いたいなと感じる馬なのは確か。ただ前走の惨敗がさほど人気を落としていないというのがあるのと、新潟の福島牝馬Sは評価しているけどここで上位人気で狙えるかどうかは別やね。

福島牝馬S(GIII)2着

新潟芝外1800m良 15頭7枠13番
風向き:西北西3.5m/s(新潟市15:50)
1:46.9(+0.0) 48.2-46.3 S^2
12.6 - 11.3 - 11.9 - 12.4 - 12.4 - 12.1 - 11.2 - 10.9 - 12.1

 2走前の福島牝馬S2着から振り返りたい。新潟の1800m戦でペースがかなりのスロー。中盤は12秒台半ばまで落ちているしそこからのL2最速で10.9。割と直線だけの競馬に近い状況だったが、そこでしっかりと伸びて接戦の中での2着。風は西北西からなので4角地点が完全向かい風。

 13番枠から五分のスタート、そこから様子を見ながらひとまず好位の外目ぐらいで進めていく形。道中も前にサンクテュエールを置きながらじわっと促しつつの追走で好位の外をキープしつつ、外を維持して3角。3~4角でも好位の外目を立ち回りながら仕掛けを待ちつつ直線。序盤で内にいたサンクテュエールが先に仕掛けていて追い出しを待ったのもあるがちょっと置かれる。L2で追い出してからしぶとく伸び始めるがまだ4番手。L1で先頭列にしぶとく並びかけて最後はディアンドルにハナ差まで詰めたが及ばず2着惜敗。

 ひとまずこういうトップスピード戦、無酸素運動の競馬の方が適性的に高いと思う。ここでは新潟の1800m戦でも割と時計が掛かっていた状況で、恐らく標準ぐらい。4角で完全向かい風からHSでも向かい風に近い状況ではあったし、その中で終いだけの競馬にしては上がりがかかったのもその辺かなと。ただ、ラストにしぶとく伸びてきたというのは評価したいし量的に良さが出たと。またポジショニングもしっかりと無理なく好位を取れていた。この辺が噛み合ったのも2着まで来れたところかな。正直言って川田が仕掛けを待っていたけど、ラップ推移と内容からはもう少し早く仕掛けていれば勝つところまであったかなと思うけどね。噛み合えばこの条件で勝てたと言えるほどの内容を見せたと言えるし、ひとまずこの一戦は評価している。今回も福島牝馬S組が多いわけで、その中での最先着馬だから。

クイーンS(GIII)11着

函館芝1800m良 12頭5枠5番
風向き:南南東4.3m/s(函館市15:40)
1:48.8(+1.0) 47.8-47.9 M
12.2 - 11.7 - 11.9 - 12.0 - 12.1 - 11.9 - 11.8 - 11.8 - 12.4

 前走のクイーンSではそういう競馬とは全く違う流れになったのに前半で無茶をしたので…。まあ正直どう乗っても難しいレースだったとは思うが。函館で時計が掛かるタフな馬場状態。ペースも平均で進んで淡々と12前後という典型的なパワー型基礎スピード+ポテンシャルが求められた一戦。完全有酸素運動と言っていいと思う。その中で持ち味の末脚を封じ込まれた。風は南南東からなので、3角地点が完全追い風。

 5番枠から五分のスタート、そこから促しつつ先行策を取って進めていく。道中も淡々と流れる中で進めて逃げ馬から少し離れた2番手で3角。3~4角でも2列目の中目を通しているが4角で置かれて3列目に下がって直線。序盤でそのまま失速、11着とブービー負け。

 まあどう見ても前半で脚を使っちゃったよね、という感じ。仮にこのペースだと後半で脚を温存できていたとしてもポテンシャル面を求められたと思うし、傾向的に見てもそういう競馬では高いレベルでやれてないからどのみち難しかった可能性の方が高いとは思っている。それで、このタフな馬場で前半からここまで流れに乗っちゃうと後半型のこの馬としてはちょっと厳しい。やはり後半ある程度トップスピード面を求められないとね。その中で全体的に良さが出ていたので。まあ、これで評価をそこまで落とす必要はないけど、序盤の入り方は重要になってくるだろうね。

ユートピアS(3C)2着

東京芝1800m良 18頭7枠13番
風向き:北東2.7m/s(府中市15:40)
1:46.9(+0.3) 47.4-46.8 M
12.6 - 11.2 - 11.7 - 11.9 - 12.4 - 12.1 - 11.4 - 11.5 - 11.8

 5走前のユートピアS2着から振り返りたい。東京1800m戦で良馬場、ペースは平均だがややスロー寄りという感じ。ラップ的には中盤で少し緩んで12.4が入ってのL3最速なので本仕掛けが早い。この時はそこまで顕著に高速馬場ではなかった印象だが、その中で脚を温存してロングスプリントを引き出してきたな、という評価。府中だとペースが多少上がっても無理しなければある程度は戦えそうというのは感じた。風は北東からなので3角地点が完全向かい風となる。

 13番枠から出負けして促しつつ中団馬群の後ろぐらいまではリカバーしていく。道中も中団の後ろで外目を通しつつ3角まで特に動きはない。中弛み気味となったところで3~4角でやや後方、レッドフィオナの後ろから直線ですぐに外に出す。序盤でそこから追われてジリジリ、L2で中団から伸び始めてここで一気に3番手集団まで来る。ラストで抜け出していたリンディーホップにじわっと詰めるがそれでも1馬身半差2着。

 こういう基礎スピードがある程度問われる競馬になってしまうとどうしても前半の位置取りで苦労するし、後半でそこまで弾けるほどではないなと。まあしっかりと後半でロングスプリント敵に末脚を伸ばしてきたしそこは一定の評価が必要だと思うが、リンディーホップに完封されてしまうレベル。ここは上位も3着アクアミラビリスなんかは1800は本質的に長いタイプ、上位も準OP善戦クラスはいるので牝馬限定準OPとしてはそれなりのレベルにはあったけど、果たしてこのパフォーマンスで重賞で通用するかどうかだね。

府中牝馬ステークス2021への展望

 東京の1800ならペースの不安はそこまでないけど、ベストバウトがスローで良い位置を取ってのトップスピード戦だった福島牝馬Sと考えても、スローの方が好ましいのは間違いない。ユートピアSを評価するにしたって相手関係はここに入ればやや低調だったとみるべきだし、あれでラストで惜しいとも思わせなかった時点である程度流れちゃうとここで勝ち負けまで期待するのはちょっと難しいと思う。なので基本的に狙うとしたらスローでというのと、ある程度位置を取れる前提が欲しいかな。そこまで加速できる馬では無いのは2走前の福島牝馬Sでも見せていたし。まあ川田が油断したのもあるだろうが。

 そのうえで、相手関係を見たときに上位互換になりそうなのがマジックキャッスルなんだよね。トップスピード戦だと加速には手間取るけどロングスプリント性能は高い。これに対して同じような位置から勝負したときに?というのは感じるかな。こちらのユートピアSを見ても坂の登りより上り切ってからの方が伸びてきた印象だから。またスローでいい位置を取られたら厄介って馬は結構多くてアブレイズやリアアメリアなんかとの比較でも…だし、府中だと坂の登りで鋭く動けるシャドウディーヴァ辺りもいるし、と考えたときにここで上位人気で強く狙うだけの武器をドナアトラエンテが持っているかどうか?と考えると結構微妙なところかなと思っている。これがマジックやシャドウディーヴァ辺りとそう差のない人気だとすれば切るのも一手かなという感じで考えているけどね。もちろんスローで好位を確保してのロングスプリントの形なら馬券圏内に入ってくる可能性も十分あるとは思うけど…そこが悩ましい所やね。福島牝馬Sに関してはレースの運び方が噛み合わなかった馬も多かったから。

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