七夕賞 2021 出走予定馬:ヴァンケドミンゴ&酒井学騎手想定
第57回 七夕賞(GIII)出走予定馬展望
日程:2021年7月11日(日)
コース:福島芝2000m
予想用・出走予定馬一覧
ヴァンケドミンゴ(酒井学騎手想定)
昨年の福島記念でも2着、通算4勝と得意としている福島巧者ヴァンケドミンゴが七夕賞に出走予定だ。今年は中距離路線を使いながらも全く良いところがない状況が続いている。得意の福島で何とかこの状況を打破する重賞初制覇を狙いたい。
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福島でのパフォーマンスなら十分重賞を勝って良いだけの力は示しているんだが…心配なのがここ3走の内容の悪さかな。1800で淡々と流れちゃうと少し短かった小倉大賞典はともかく中山金杯と福島民報杯がちょっと負けすぎ。
福島記念(GIII)2着
福島芝2000m良 16頭5枠9番
風向き:南3.3m/s(福島市15:20)
1:59.6(+0.0) 59.6-60.0 M
12.6 - 11.3 - 11.8 - 11.9 - 12.0 - 11.8 - 11.7 - 12.0 - 12.1 - 12.4
まずはやはり昨年の福島記念2着から振り返っていきたい。良馬場でペースも平均で流れているという状況。終始淡々とハロン12前後を刻む形となっていて割とシンプルな競馬と言っていい。前半の基礎スピードと後半のポテンシャルのバランスが求められた有酸素運動の競馬。風は南からなのでBSで向かい風に近く、HSが追い風に近い。が、向こう正面でそう緩まなかったかな。
9番枠から五分のスタート、そこから少し窮屈になりつつ控えて中団馬群の中に入れてひとまずコントロールしつつ進めていく。1角手前で少し手が動きつつ中団の中目で追走、向こう正面でも前のウインイクシードを意識しながら好位に近いところで進めながら3角に入る。3~4角でも淡々とという中でウインの外から手が動いて押し上げつつ4角では離れた3列目付近で直線へ。序盤でしぶとく伸びて2列目に並びかける。L1で粘り込むテリトーリアルを捕えたが、内からうまく立ち回ったバイオスパークにクビ差及ばずの2着惜敗。
まあ負けはしたけど、個人的には強い2着だったと思っている。基本的に福島は3~4角での立ち回りが求められやすいし、ここで最短距離を通していたバイオスパークに対してこちらは中団の外から正攻法で動く選択を取った。まああれで最後まで伸びてくるように福島で求められる3角からのポテンシャル戦というところでの適性の高さを示したのは流石だが、内外の馬場差が無ければ上手く立ち回る馬が上位に来るのもまた福島。テリトーリアルをこの条件で1馬身差つけているように、個人的には普通に強かったという評価になる。この競馬ができればクレッシェンドラヴが58kgでということを踏まえても優位に立てるだけのパフォーマンスだと思う。七夕賞も負けはしたがこちらの方が外からの競馬になって、道悪ではあったにせよ相手に上手く内を掬われたパターンではあった。福島では十分重賞を勝てるだけのパフォーマンスを見せている。
中山金杯(GIII)11着
中山芝内2000m良 17頭7枠14番
風向き:東1.1m/s(船橋市15:40)
2:01.8(+0.9) 62.0-58.9 S^3
12.5 - 11.4 - 13.1 - 12.4 - 12.6 - 12.1 - 11.8 - 11.5 - 11.3 - 12.2
3走前の中山金杯の内容が物足りなかったかな。中山の2000m戦でペースも3秒近い超スローという違いはあったが完敗だったの気になるね。後半はL2最速で11.3とある程度速いラップを求められたとはいえ、カシオペアSでそこそこやれているだけにこういう競馬で崩れるというのはちょっと意外だった。風向きは東からなので3~4角中間が追い風ではあるものの1.1m/sなら誤差の範囲。
14番枠からまずまずのスタート、そこから押しながら追走して序盤でじわっと押し上げつつ2列目の外まで持っていくという感じ。道中もそこから折り合いつつウインイクシードを目標にしながら進めて3角。3~4角でじわっと加速していく流れになるが、手が動いて反応がそんなに良くない。4角でもウインやロザムールと比べても手ごたえが悪く2列目キープまでで直線。序盤で前2頭に対して食らいつこうとするが地味で内からテリトーリアルにも交わされる。そのままラストまでじりじりと後退しての11着完敗。
前を取ったといっても3秒の超スローだし選択肢としてはそれでよかったと思う。3~4角から加速の流れ、福島と違って中山は3角も4角もそこそこきつめなのでそこで加速が難しかったか?というのはあったが、それならそれで直線に入ってもう少し抵抗できれば…というところで全然伸びなかったから言い訳になりにくい。正直不満の多い競馬だったなというのがこの中山金杯の率直な評価になる。まあ福島が得意な馬なので本質的に3角はスピードに乗せたまま入りたいタイプの馬だとは思っているし、中山の内回りだとその辺が微妙に難しいかもしれないけど。
福島民報杯(L)13着
新潟芝外2000m不 16頭7枠14番
風向き:西南西11.6m/s(新潟市15:20)
2:07.9(+4.2) 58.9-64.8 H^6
12.6 - 11.0 - 11.4 - 11.8 - 12.1 - 12.6 - 12.6 - 12.9 - 12.9 - 13.8
前走の福島民報杯に関しては正直かなり特殊な競馬になったとは思っている。極端なハイペースとなったがこれは強烈なBSでの追い風が原因だと思う。11m/s(時速に直すと40kmぐらいの猛烈な風)と強烈な追い風を背に前半は飛ばして最後の直線は当然向かい風。消耗度合いがきつい競馬で前半のパワー型基礎スピード特化戦になった。とはいっても崩れているので…。
14番枠から好発を切っていたが、軽く促しつつも徐々に後退していく感じで中団の外。道中も前がこの馬場にもかかわらず風を活かしてペースをガンガン引き上げていく中で中団の外で食らいついて3角に入る。3~4角でも中団外から正攻法で進めながら直線。序盤で前に壁を置いてという感じで進めていたが途中で大外を選択する。ただ前とはドンドン離されて最後まで良いところなく下がっての13着惨敗だった。
ん~まあ難しいところだけど、完全に余力がなかったから下がってしまったというのは間違いないと思うし、前半の激流で脚を削がれたのはある程度仕方ないが…それでも本来パワー型の基礎スピード戦ではそこそこやれていた馬だし、道悪も昨年の七夕賞で対応できていた。かなり特殊な流れだったのはある程度考慮に入れたいんだけど、それでもここまで崩れたとなると流石に無視はできない…というレベルの負け方だったかな。
七夕賞2021への展望
今年はとりあえず雨の影響があると考えた方が良いので、道悪になってパワー型の基礎スピードを求められたときにどうか?という観点でまず考えないといけないかな。昨年の七夕賞は重馬場だったが61.3-61.2と平均で収まっていたしその中で足を温存する余力があった。この程度までならいいが、前走の福島民報杯では新潟外回りで強風の影響をもろに受けたトリッキーな競馬だったとはいえ崩れている。福島記念2着でも平均ペースまでのバランスで結果を出しているのでそのあたりは適性面で考える必要があるかな。多少ならハイでもこなせると思っているけど、今回はそういうタイプの強敵が多い中で…というのが一つ。
それと、ここ3走は適性面を抜きにしても崩れすぎている。特に中山金杯は正直なんであんなに崩れたのかよくわからないレベル。コーナーが3~4角できつめの中山と3角は緩い福島との違いはあるので、その可能性は考えつつも直線でも動けていないのは気がかり。今年はパフォーマンスを全体的に落としている印象があるので、シンプルに状態面の劣化を考えた方が良いかなと。素直に福島でペースが平均ぐらいで落ち着いての競馬なら去年までの出来なら勝ち負けを期待できるんだけど、今年の内容はちょっと良くない。福島巧者だけど福島以外ダメというタイプの馬でもないから。押さえるところまでは考えるけど、重い印をとなると福島巧者でどうしても人気が落ち切らないしそのうえで近走の内容は納得のいかないものが多いからね。当落線上の一頭としている。
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