セントライト記念 2021 出走予定馬:オーソクレース&ルメール騎手想定

第75回 セントライト記念(GII)出走予定馬展望

日程:2021年9月20日(月)
コース:中山芝外2200m

予想用・出走予定馬一覧

セントライト記念2021の予想用・出走予定馬一覧

オーソクレース(ルメール騎手想定)

 2歳中距離王決定戦のホープフルステークスではダノンザキッドの2着と力を証明したオーソクレースがセントライト記念に出走予定だ。皐月賞を目標に調整しながらも、歩様の乱れからここまで復帰に時間がかかってしまった。春のクラシックを棒に振った悔しさをバネに、不屈の精神で今年初戦を打破したい。

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 ホープフルSではタイトルホルダー相手に先着しているように、2歳冬の時点では最上位の一頭だったとは思う。ただ、結果的に見てクラシック戦線は地殻変動が起こっているし、特にダービーは別路線組が上位を独占した。この馬の評価も冷静に判断しないといけないだろうなと。

新馬戦1着

札幌芝1800m良 8頭1枠1番
風向き:南南東6.2/s(札幌市12:20)
1:51.3 51.6-46.7 S^5
12.9 - 12.3 - 13.1 - 13.3 - 13.0 - 12.3 - 11.8 - 11.2 - 11.4

 新馬戦から順を追って3戦見ていきたい。新馬は札幌の1800m戦で、観ての通り5秒近いドスローからの3F戦…というかもうほぼ2F戦に近い。その中でしっかりと鋭く中団から抜け出してきた形になる。風は南南東なので札幌だと4角地点が完全追い風。6.2m/sだし結構強めの風だった。

 1番枠から出負けして後方からの競馬、促さずに我慢しながらやり過ごして1~2角で上手くコーナーワークで中団の内、3列目まで持って行く。道中もドスローの流れで折り合いを意識しながら少しブレーキ気味、前のトーセンガーリーの後ろで我慢して3角。3~4角でも仕掛けながら内のスペースを狙っていたが、4角でトーセンの外に誘導しながら一気に出し切って3列目で直線。序盤でそこから追い出されての伸びはまだ地味だが、L1でしぶとく伸びて前を捕えてしっかりと突き抜け1馬身3/4差完勝。

 ゲートの甘さは気になったし二の足もイマイチで序盤は苦労した。枠の並びと1~2角での立ち回りで結果的に3列目の内で収まってのは展開的にかなり恵まれた要素だったなというところ。少なくとも初戦での完成度は低かったと思う。そこから中盤から後半にかけてもある程度仕掛けていきながらそこまで反応も良くなったけど、4角出口で外に出し切ってからは流石に良い脚だったと思う。ギアチェンジもここである程度求められていたので伸びはじめは少し見劣ったがL1で11.4の地点でしっかりと1馬身ちょっと後ろから捕え切ったからね。この辺りは評価していい材料だと思う。前半の基礎スピード面やポジショニングといった課題は多いに残ったが、素材は光るものを見せてきたなという認識。まあ正直言ってここのレースレベルは低かったし、完勝は当たり前というレベルだけどね。

アイビーS(L)1着

東京芝1800m良 8頭3枠3番
風向き:東1.2m/s(府中市14:40)
1:48.1 48.1-47.5 M
12.8 - 11.2 - 11.7 - 12.4 - 12.5 - 12.3 - 11.4 - 11.4 - 12.4

 2走前のアイビーSでは東京の1800m戦で良馬場でも時計が掛かりヤヤタフな馬場というぐらいの中でしぶとく競り落とした。ただ、ここも全体のレベルは今となっては気になるところやね。風は東からなので府中だとHSが完全追い風だが1.2m/s程度なので誤差の範囲。

 3番枠から出遅れて後方からの競馬となる。そこから促してはいるが後方2番手でなかなか前の集団に取り付けないまま追走に苦労して3角手前でようやくそれなりに取り付く。3~4角でも後方2番手で様子を見つつ4角でラーゴムの後ろから直線。序盤で最後方列なのだがラーゴムが外に行ったのでその内を拾って伸びてくるとL2で先頭列まで来る。そのままラストは食らいつくラーゴムとの叩き合いとなるがこれをクビ差で振り切っての勝利。

 直線に入っての伸びという点では手ごたえ以上に来たなというのが正直なところかな。前半はとにかくペースが平均で流れている中でついて行くのに必死というレベルで苦労していたし、3~4角でも結局最後方列に近い位置での競馬になったので微妙な感じで見ていたけど…思った以上にラストの直線で、特に坂の登りで来たなあという感じ。そこまで加速度が求められたわけではないが、この形でラーゴムより先に伸び始めたのはやるなという印象だった。ただ、結果的に見てそのラーゴムがさっぱりだし、アドマイヤハダルはすみれSを勝ったとはいえ全体のレベルは低いかなというのが正直な感想。この時の時計・ラップは富士Sなんかと比べると結構頑張ったなという印象だったし、正直もうちょっと上位はやれると思っていたのが本音。ただ、その辺は自分のイメージと違ったし今となっては補正した方が良いかなと。

ホープフルS(GI)2着

中山芝内2000m良 15頭1枠1番
風向き:南西0.4m/s(船橋市15:30)
2:03.0(+0.2) 61.9-60.9 S^1
12.8 - 11.4 - 13.0 - 12.7 - 12.0 - 11.9 - 12.2 - 12.0 - 12.2 - 12.6

 前走のホープフルSでは中山2000mの舞台でややスローではあったがこれまでからは予想できないほどに劇的に先行策を取れたうえで結果を残してきた。ラップ的にも前半は遅かったがそこから後半の6F戦ということでポテンシャル勝負に特化したような競馬となっている。風はかなり弱いので無視していいだろう。

 1番枠からまずまずのスタート、そこから促しながらだがいつもより明確に行き足がついて積極的に先行、外のランドオブリバティを行かせての2列目の内と絶好位を確保する。道中もゆったりの流れの中で我慢しながらの競馬、向こう正面でペースが上がってスペースを広げつつ3角。3~4角でも最短距離を通していたら前のランドオブリバティが逸走したことで、コーナーワークで押し出されるように先頭に立って直線。序盤でしぶとく粘って踏ん張り先頭列。L1で外からダノンザキッドにしぶとく抜け出されての1馬身1/4差2着。

 2着という結果よりもここでルメールが先行させることに成功したという方がびっくりしたかな。スローのポテンシャル戦で結果を出してくる可能性は高かったと思うけど、あの位置で運べたからこその2着だったと感じるね。前にいたランドオブリバティが見事に逸走してくれたのでスムーズに最短距離を走れたしその辺もかなりかみ合ったと思う。後半のポテンシャルという点で見てもタイトルホルダーやヨーホーレイクといった強敵を撃破できたわけでね。このパフォーマンスを引き出せればこの辺との比較でみても皐月賞に出ていても結構やれた可能性は本来あると思う。ただ、ゲートや二の足に関してはこの一戦だけで判断するのは危険かな…正直これまでがこれまでだったので。12.8-11.4で24.2だからここは結構速いんだけどね。今回もゲートは鍵になると思う。

セントライト記念2021への展望

 まあタイプ的にもアイビーSで忙しく感じてスローロンスパのホープフルSで良さが出た(前に行けたのは別としても)とは思うので、本質的には有酸素運動の競馬の方が合っているとは思う。アイビーSでも最速地点で結構伸びてきたとはいえ時計が掛かる中で最速でも11.4という程度だったし、個人的にはあまり軽い馬場でトップスピードの質が求められるような競馬は微妙かなと。その点では先週日曜の馬場状態ならそこまで極端な高速状態ではない可能性が高いのは良いかもしれない。相手関係を見てもまずタイトルホルダーを撃破できている馬となるとここではこの馬ぐらいしかいないはず。ホープフルSでもダノンザキッドが皐月賞で謎の惨敗を喫した以外は上位はクラシックでもある程度結果を残している。

 問題はこの馬自身の状態面かな…陣営がコメントで筋肉を戻しながらの調整と言っているので、この辺が本当ならやはり長期休養明けの不安というのはあると考えるべきだろうなと。厩舎に戻ってきた段階でその感じだと、外厩での立て直しも上手くいってない可能性も高いと思う。まあこの辺は追い切りを見て判断するしかないけど、春を全休せざるを得なかっただけの何かがあったはずだからね。それに加えて先に出した2頭のパフォーマンスが高い、適性的に不安が少ないことを踏まえても…やね。ルメールが継続騎乗するのは良いし、ここで前を取れるかどうかと、2歳時のパフォーマンス…それ以上を引き出せるかどうか。この辺りに掛かってくるかな。押さえたい気持ちもあるが、人気がどの程度か読みづらいし追い切りで判断するけど現状当落線上に置いておきたい。

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