【※無料公開対象】阪神大賞典 2022 出走予定馬:ユーキャンスマイル&藤岡佑騎手想定

第70回 阪神大賞典(GII)出走予定馬展望

日程:2022年3月20日(日)
コース:阪神芝内3000m

ユーキャンスマイル(藤岡佑騎手想定)

 一昨年の阪神大賞典の覇者で昨年も2着と抜群の適性を誇るユーキャンスマイルが今年も出走予定だ。近年は長距離戦で良さが出ているものの、7歳と年齢としては晩年に差し掛かってきただけにパフォーマンスを維持できるかが焦点。若手の台頭を阻む壁として今年も強い走りを見せつけたい。

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 まあ昨年の阪神大賞典でも2着しているように適性面での不安は少ないし、ユーキャンスマイルの場合ある程度軽い馬場の方が良いとは思うので、その点で昨年よりは良い状況の可能性が高いと。それでどこまでディープボンドとの差が詰まってくるかやね。意外とポテンシャルが勝った馬だと思っているのでそこがかみ合えば。

阪神大賞典(GII)1着

阪神芝内3000m良 10頭8枠10番
風向き:西北西3.3m/s(豊中市15:40)
3:03.0 62.6-60.3(FA12.06)-59.9 S^3
13.2 - 12.2 - 12.3 - 12.2 - 12.7 - 12.4 - 12.2 - 12.4 - 11.6 - 11.7 - 11.9 - 11.9 - 11.8 - 12.0 - 12.5

 まずは一昨年の阪神大賞典勝ちを振り返っておきたい。この一戦は結構面白い競馬で、ペース自体は超スローなのだが中盤が速い。前中後半で前半が少し遅いだけ、中盤以降はハロン12平均で入っているし、仕掛けとしてもL7地点が最速で11.7となっている。西北西からの風の影響で、3角地点が完全追い風だがBSも追い風に近い形だったこともあるかもしれない。いずれにせよポテンシャル特化戦といっていい。

 10番枠からやや出負け、そこからは無理をせずに様子を見ながら徐々に下がって後方で進めていく。スタンド前でも中団の後ろぐらいで内目で我慢しつつ風を避けながら進めてコントロール。向こう正面でも後方2番手ぐらいの位置で進めながら内目を通しつつ、前がペースを引き上げてという中でも余裕を持って後方2列目のままワンテンポ仕掛けを待つ。3角で内から徐々に中目のスペースを拾って押し上げ開始、4角では楽な感じでスペースを潰しながら前のキセキの後ろを狙って2列目までくる。序盤で左手前でキセキの内を突いて捌いて先頭列。L1で抜け出して左手前を維持しての1馬身3/4差完勝。

 ここは上手く3~4角で立ち回った分もあると思うが、それでも後半のポテンシャル特化でここまでやれたのは収穫といっていい。2着がトーセンカンビーナだし、3~4角で通したところという点ではそこまでの差はないからね。これに2馬身近く差をつけていると考えれば基本的には完勝だったと思っている。ユーキャンスマイルは割と若いころと齢を取ってからの比較で適性が変わってきている印象が強いけど、今となっては後半のポテンシャル型と考えた方が良いというのと、個人的には馬場は軽いぐらいの方が合っていると思っている。このパフォーマンスだけ引き出せればというのと、仮にスローロンスパで出し切る形になれば後半型だとちょっと怪しいディープボンドとの比較で?というのはある。ただし、やはりこの頃の出来にあるかどうかだろう。

有馬記念(GI)9着

中山芝内2500m良 16頭4枠8番
風向き:北北西3.5m/s(船橋市15:30)
2:33.6(+1.6) 59.5-61.5 H^2
6.9 - 11.3 - 11.6 - 11.5 - 11.9 - 12.5 - 12.6 - 12.2 - 12.4 - 12.4 - 12.2 - 12.0 - 12.5

 前走の有馬記念では9着と決して悪くはないが、完敗ではあった。ペースはかなりのハイだがこれは単騎で進めたパンサラッサのもの。とはいえ、離れたタイトルホルダーの位置でも平均ペースぐらい。風は北北西委からなので4角地点が完全向かい風になる。

 8番枠からやや出負け、そこから無理はせずに序盤はスーッと下がって後方で進めていく。スタンド前でも後方2列目の内で脚を温存しながらモズベッロの後ろぐらいで向こう正面。ここでも後方の内内を通して3角まで特に変わらず。3~4角でも広報2番手で内を立ち回って我慢、4角で中目から外に誘導しながら後方3列目で直線。序盤で右手前でジリジリとは食らいつくが中団列付近。L1でもそのままなだれ込む程度での8着に終わった。

 まあアカイイト辺りまでは結構手ごわかったと思うし、モズベッロも全体で流れたのでそこそこ手強い相手だった。とはいえモズベッロを目標にしながら捕え切れていないように、基本的に全体でタイトに流れるとちょっとしんどいかなというのは感じたかな。それと、やはり馬場が重くてこうやって全体で消耗すると、後半で質を全く求められないのでユーキャンスマイルとしてはそこがちょっとしんどかった要素にはなると思っている。なので、自分としては少なくとも前走の有馬記念の時点ではそこまでパフォーマンス的に大きく劣化したとは思っていない、というところかな。まあグループAに現在でも入れるレベルとまではもちろん思っていないが。いずれにせよアリストテレスやモズベッロに完敗な以上、GIIレベルで活躍するにはメンツや展開、馬場の恩恵は必要。

天皇賞春(GI)7着

阪神芝内3200m良 17頭4枠7番
風向き:北西6.4m/s(豊中市15:40)
3:16.2(+1.5) 59.8-73.6(FA12.27)-61.3 H^1
12.8 - 11.3 - 11.7 - 11.9 - 12.1 - 11.9 - 11.8 - 12.1 - 13.1 - 12.6 - 12.1 - 12.0 - 11.9 - 12.1 - 12.3 - 13.0

 5走前の天皇賞春では7着と完敗を喫している。ここが前半から流れていたし中盤も緩まず、3200m全体でのマラソンレースとなってしまった感じ。こうなると有馬記念同様ディープボンド相手に付け入るスキはなかった。ペースはカギになってくるだろうなと。風は北西からなので3角地点が完全追い風。

 7番枠からまずまずのスタートを切っていて、そこから様子を見ながら中団ぐらいから最終的に後方に下げていく。スタンド前では後方3番手ぐらいで内目でロスなくスペースを維持しながら進めていく。向こう正面でも淡々と12秒前後を維持する流れの中で後方の内内でスペースを確保した状態で3角。3~4角で内から徐々に中団との差は詰まってきて上手く内のスペースを拾いながら4角でもマカヒキの後ろを目標にしつつ中団馬群の中目でスムーズに捌いて直線。序盤で左手前、進路はばっちりだがジリジリ。L1までばててはいないものの前との差は詰まって来ず、逃げた6着ディアスティマからも3馬身半遅れての7着完敗。

 こうなっちゃうと厳しいかな。ユーキャンスマイルは基本的には後半型のポテンシャルタイプだと思っているけど、前半で脚を温存しても中盤の緩みがほとんどなかったし、3200m全体の競馬で基礎スピード面で後半のポテンシャルを削がれてしまっている。このあたりがかみ合えばいいけど、かみ合わなければこの春天や阪神大賞典、有馬記念のように全体の有酸素運動の競馬で強いディープボンドには歯が立たない。可能性を探ればスローロンスパになってくると思う。

阪神大賞典2022への展望

 個人的には60.5-65-58.5ぐらいの感じで、中盤でペースが落ち着いてくれるか、もう全体でスローからのロンスパになってしまえば…やね。ディープボンドはこの形だと(まあ本格化以降こういうケースが無いので何ともだが)甘くなる可能性は菊花賞とかでも見せていると思うし、逆にユーキャンスマイルは中盤~後半にかけてのポテンシャル戦だった一昨年阪神大賞典で強い勝ち方を見せている。可能性があるとすればスローロンスパだろう。

 パフォーマンス的にはもちろん全盛期と比べると、少なくとも適性の幅は狭くなっている。良いころならトップスピードの質もギアチェンジも見せていたが、個人的には一昨年のアル共で4着に伸びあぐねたあたりから、無酸素運動的な競馬では明確に衰えているという判断を下している。ギアチェンジも甘くなってきた。なので今は後半特化でのポテンシャル戦でなら、というイメージに加えて言えば馬場も軽めの方が良い。今回はどの程度前が引っ張るのか次第…というのはあるし、前半が速くてもどうせ後ろから行くので中弛みが起これば脚を使わず取り付ける。その辺りをどう読むか次第かな。展開次第ではあるにせよ上位を窺うだけのパフォーマンスをまだ見せているので、自分としてはここは警戒しておきたい。ただ重い印を打つとまでいくかどうかやね。対抗~連下では考えているが、ディープボンドを信頼するなら穴目の馬を探りたい気持ちも強い。金土曜の雨の影響がどの程度あるか次第だけど、今の阪神だと多少振っても影響しないだろうから、逆に雨を意識してペースが落ち着いてくれればユーキャンスマイルにとっては後半型の競馬になる可能性も高くなるので好都合かな…と思ったり、いろいろ悩んでいるところ。

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