【※無料公開対象】NHKマイルカップ 2022 出走予定馬:ジャングロ&武豊騎手想定

第27回 NHKマイルカップ(GI)出走予定馬展望

日程:2022年5月8日(日)
コース:東京芝1600m

ジャングロ(武豊騎手想定)

 トライアルのニュージーランドトロフィーではマイルの距離を克服する逃げ切り勝ちを収めたジャングロが武豊とのコンビで出走予定だ。快速を活かした逃げの手で1200~1600mを立ち回ってきたが、今回は直線が長い府中がポイント。それでも怖がらず、自分の形に持ち込んでの逃げ切り勝ちと行きたい。

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 仕掛けどころが最大のポイントになるし、そのためには道中どうやってレースを作るか。ベゴニア賞のパターンだけは絶対に避けたい。前走のNZTが良い形だったが、府中でこれをやり切れるかどうかやね。

ニュージーランドT(GII)1着

中山芝外1600m良 11頭6枠6番
風向き:南南西4.7m/s(船橋市15:50)
1:33.5 46.8-46.7 M
12.3 - 11.2 - 11.2 - 12.1 - 12.0 - 11.7 - 11.4 - 11.6

 まずは前走のニュージーランドT勝ちから振り返りたい。中山のマイル戦でペースは平均、中盤緩めての再加速でL2最速11.4とうまく支配して仕掛けを遅らせての一足勝負に持ってこれたなという印象やね。風は南南西からなので3角地点が完全向かい風になるし、HSは追い風と言っていいレベル。

 6番枠から好発を切ってそのまま外の各馬を牽制しつつじわっと促し、外のエンペザーを制してハナ。そのままペースを大きく緩めず。3角付近で息を入れてこの辺で後続が少し取り付いてくるが余裕を持ってコントロール。4角で2列目勢がじわっと仕掛けてくるがそれでも2馬身弱のリードを使ってワンテンポ仕掛を待ちながら、出口でエンペザーが詰めてきたところでパンと合図で直線。序盤でしばらく右手前だが途中で左手前、1馬身半まで広げる。L1で外から伸びてきたマテンロウオリオンに対して最後は苦しくなったがそれでもアタマ差で振り切った。

 この形に持ち込めればという競馬は見せてくれたかな。前半で基礎スピードの質の高さで楽にハナを切ったし、そこからはコントロールして息を入れるところまでは持ってきた。ここで一気に落とし過ぎずに後続の仕掛けを待つだけのリードを保てていたので3~4角で各馬が動くまではラップ的にも大きく引き上げず、4角出口で相手に合わせた仕掛けでスッと最速ラップを踏んで一足を温存できたと。L1でマテンロウオリオンにこの形で詰められたので相手は手ごわいとは思うが、しっかりと総合力を引き出せればマイルでもこなせるというのは見せたと思う。ただ、ここは比較的基礎スピードを活かしやすい中山マイルではあるので、その点で府中に変わって長い直線で押し切れるのかどうかという課題はどうしても出てくるね。

ベゴニア賞(1C)6着

東京芝1600m良 8頭4枠4番
風向き:北2.1m/s(府中市13:20)
1:34.9(+0.2) 47.9-46.8 S^1
12.5 - 11.3 - 11.9 - 12.2 - 12.2 - 11.1 - 11.4 - 12.1

 4走前のベゴニア賞が負けパターンで、こうならないようにしてほしい。ただ一足の加速そのものは見せていて単調な馬ではない。ペースはややスローでコントロール、中弛みしつつでペースが遅かったこともあって各馬の仕掛けの意識が強くなってのL3最速でロングスプリント的。こうなると末脚の絶対量が足りない。風は北からなので3~4角中間地点が完全向かい風。

 4番枠からまずまずのスタート、そこからコントロールしつつすぐにハナを取りきる。道中も小頭数で特に競ってこないのでペースをコントロールして3角。3~4角で2列目勢が普通に競りかけてきたので、ここでじわっと仕掛けてクビ差。序盤で仕掛けて右手前、ここで最速ラップを踏んで踏ん張ってクビ差をキープ。L2途中で左手前に戻したが半馬身差で2番手。L1はジリっと下がって3列目ぐらいかなという6着完敗。

 まあここはペースをコントロールしすぎたなというところやね。スローでしっかりと脚を温存しても使える脚が限定的ならスローじゃダメ、というのを今回の形にしっかりと落とし込めるかどうかだろう。やはりある程度ペースを引き上げた方が良いし、ギアチェンジ面やトップスピードの質そのものもある程度持っていたけどこれでリードを作れるほどのインパクトはなかったわけだし、L2途中で左手前に戻していて右手前での無酸素運動的な持続性というのはあまりない、府中でロングスプリントでとなるとこのレベルでも完敗の6着だったというのは考えないといけない。となると後続の脚を削ぐという形が最低限必要だし、平均では最低でも入ってほしいね。

2歳未勝利戦1着

阪神芝内1400m良 16頭1枠2番
風向き:南西3.0m/s(豊中市11:10)
1:22.2 34.1-36.4 H^3
12.2 - 10.7 - 11.2 - 11.7 - 11.9 - 11.9 - 12.6

 5走前の未勝利戦が強い競馬だったが、基礎スピード特化戦。ペースは超ハイ。タフな馬場でラップ的にも完全な減速ラップを踏んで突き抜けた。風は南西からなので4角地点が完全向かい風。

 2番枠からまずまずのスタート、そこから促してすっとハナ、主導権を取りきる。道中も淡々と流れて3角に。3~4角でも淡々と引っ張って1馬身半差で直線。左手前に換えてそのまましぶとく伸び続けてラストまで差を広げての3馬身半差圧勝。

 この時の阪神内回りはかなり時計が掛かっていて、3勝クラスの岸和田Sが61.6-59.5で2:01.1とかなり遅いし、勝ったスカーフェイスが中山金杯でも2着しているレベルと考えると、かなり時計が掛かっていたと判断して良いと思う。その中で前半からかなり基礎スピードに依存した競馬になっている中で、最後までしぶとかった。基本的には基礎スピード面が勝った馬なのでそこを活かしたいんだけど、マイルでとなると当然コントロールせざるを得ない部分も出てくると。このあたりを豊がどう判断して勝負をかけてくるかだね。上位は2,5着馬が勝ち上がっているし未勝利としてはまずまずのレベル、そこで内容的に完勝だったしある程度の評価は必要だろう。

NHKマイルカップ2022への展望

 こういうタイプの逃げ馬が結構好走しやすいのがNHKマイルCではあるが、自分としてはそれでもやはり後半のロングスプリントはちょっと足りないかなと思う。一昨年のラウダシオンぐらいの感じなら面白いんだけど、ニュージーランドTはある程度時計が掛かったし引き上げたことで一足勝負に上手く持ってこれた。これは直線が短く勝負どころが3~4角になりやすいという中山外回りというのも事情としては小さくないと思うし、それでもL1ではマテンロウオリオンに際どく詰められてしまったからね。

 なので、個人的にはもうちょっと冒険が必要かなと。前走で46.8-46.7のペースだが、府中で良の高速馬場を想定するならもう少し前半は引き上げないと後ろとの物量差が出てしまいそう。自分としては46前後で入って後半を46秒後半でまとめてというところに賭けてほしい気持ちが強いね。3~4角で11秒台後半ぐらいまでに落とすというレベルでの緩みはあって良いけど、あまり顕著に緩めても後続が取り付くタイミングを与えることになるし直線でリードが少ない状況で相手が余力を持っている状況だとなかなか直線で速いラップを一瞬だけしか踏めない程度の後半要素では厳しい。前半からタイトに基礎スピードを活かして勝負してほしいね。それができれば怖さはあるが、逆に前走と同じぐらいのイメージで46秒台後半でと3~4角もちょっと緩めてしまうとそこまでリードも作れないと思うし、各馬の射程圏に入ってしまう。自分としては枠は少し外の方が良いと思うし、その中で豊がじわっと外からハナを奪って2列目以降の行く気を削いでから少し単騎気味に広げに掛かってほしい。かなり難しいけど豊の騎乗が良ければチャンスは広がってくる、という認識で現実的には押さえまでというところになってしまうかな。

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