東京スポーツ杯2歳ステークス2022出走予定馬展望まとめ前編

第27回 東京スポーツ杯2歳ステークス(GII)出走予定馬展望

日程:2022年11月19日(土)
コース:東京芝1800m

東京スポーツ杯2歳ステークス2022出走予定馬展望まとめ前編

 東京スポーツ杯2歳ステークス2022の出走予定馬まとめて展望前編です。ハーツコンチェルト、フェイト、ロッククリークと上位人気となりそうな新馬勝ち上がり勢3頭を。

ハーツコンチェルト(松山騎手想定)

2歳新馬戦1着

中京芝2000m良 11頭7枠8番
風向き:南東5.5m/s(大府市12:10)
2:01.6 63.2-58.4 S^5
13.3 - 11.3 - 12.8 - 12.7 - 13.1 - 12.1 - 12.1 - 11.6 - 11.0 - 11.6

 ハーツコンチェルトの新馬戦を。中京2000で坂スタートなのもあってドスロー。そこから向こう正面でペースが上がってのL2最速で11.0なので2段階加速的になっている。向こう正面で捲ってペースアップを仕掛けて突き抜けてきた。風は南東からなので4角地点が完全追い風になる。

 8番枠からやや出負けして外からじわっと進めようとしていたが二の足はそこまでよくなくて包まれて中団の中目でコントロールしながらの競馬になる。向こう正面までゆったりした流れの中で中団の外からスーッと捲って2列目外で3角に入っていく。3~4角では2頭分外だが楽な感じでくらいついて1馬身ちょっとの差で直線右手前に。序盤の最速地点でぐんときてここで先頭、1馬身半差。L1で突き抜けて流しての8馬身差圧勝。

 まあここは向こう正面で動くタイミングがあったし、前半の位置取りの悪さをカバーすることができたのは良かったかなと。ドスローだが後半1000で58.2と結構速いし、そのうえでL2最速で11.0ともう一段上のギアを引き出してきた。後半の素材面ではかなり良いものを見せたと思う。実際2着以下をぶっちぎったからね。全体のレベルは4着馬が勝ち上がったぐらいでさほどだし、超高速馬場だったのは確かでまだどこまでのレベル?というのはある。それでもこの感じなら長距離路線で楽しみだなというのは間違いない。ただ、ここではゲートが甘かったし二の足もさほどで前半で難しい競馬になっていたのも事実。向こう正面でも遅く捲れるポイントがあった。1800でワンターンに近い形でとなったときに位置取りの問題は出てくるかなというのは感じている。素材は良いけど今回はその辺はシビアに判断したい。

フェイト(福永騎手想定)

2歳新馬戦1着

新潟芝外1800m良 11頭6枠7番
風向き:南南東3.6m/s(新潟市12:30)
1:48.1 47.8-47.4 M
12.5 - 10.9 - 12.1 - 12.3 - 12.9 - 12.5 - 11.6 - 11.3 - 12.0

 前走の新馬戦勝ちは新潟1800でペースは平均とかなり流れたなと。それと通番で12.9とかなり極端な中弛みが生じていたので流れに乗った馬はしんどかったかなと。割と器用に戦えたし好印象ではある。風は南南東からなので3~4角中間地点が完全追い風。

 7番枠から五分のスタート、そこからは促しつつ流れにある程度乗ってという形で好位で進めていく。道中も好位の外目でコントロールしながらの競馬、中弛みの流れになって包まれて難しい状態から3角手前で外に誘導する。3~4角で外目から前のノエマの後ろでマークしながら直線で外。序盤で右手前で楽な感じでノエマを交わして2番手、L2で楽に先頭に立って2馬身差、L1まで右手前を維持して突き抜け流しての5馬身差圧勝だった。

 ここは結構面白い競馬をしたかな。前半はそこまで楽に入れなかったけど、好位で流れに乗って中弛みでかなり我慢する競馬になっている。そこを嫌って外に出して直線で弾け続けているので基礎スピードを求められた中で削がれずに引き出せたのと、ギアの上げ下げが上手いということにはなる。ただ、こういうタイプはちょっと読みにくい面もあるし、例えばスローでペースが落ちたときに質的に引き上げてこれるかは何とも言い難い。上位勢も低調ではないが芝で勝ち上がれている馬はいないのも確かで、この一戦だけではまだ何とも言い難い面が多いかな。個人的には距離はもうちょっと伸ばした方がこの馬の総合力の高さが引き出しやすいと思う。この距離でスローでトップスピードの質を求められてどうかが最大のポイントになりそうかな。良い素質を持っている馬だとは思うが、距離延長で見てみたい。

ロッククリーク(ルメール騎手想定)

2歳新馬戦1着

中山芝内2000m良 8頭4枠4番
風向き:北東3.5m/s(船橋市12:30)
2:02.6 61.2-61.4 M
12.7 - 11.3 - 12.9 - 12.1 - 12.2 - 12.0 - 12.3 - 12.4 - 12.2 - 12.5

 新馬戦は中山の2000m戦で単調な競馬となっている。後半は12秒台まで、前後半ほぼフラットの61.2-61.4の流れでしぶとく勝ち切った。風は北東からなので3角地点が完全追い風。

 4番枠から五分のスタート、そこからは軽く促しつつじわっと先行して最終的に2列目の内。道中も淡々とした流れの中で2列目の内でしっかりと流れに乗って3角。3~4角でも2列目の内で最短距離、4角出口で一つ外で1馬身差で直線左手前。序盤でそこから追われるが少し離されて1馬身半。L1の坂の登りでしぶとく伸びて前のスマイルスルーを捕えて半馬身差の勝利。

 この時の馬場は標準ぐらいかな…というのはあるので、ある程度時計が掛かるのは仕方ないとは思う。ただラップ的には地味で、ラストもこの馬自身はほとんど落としていないのでばて差せたけど、要所で動くほどでも無く…という感じ。全体のレベルも決して低くはないが、上位で勝ち上がれている馬は今のところいない。その中での接戦と考えると、正直パフォーマンス的には平凡だったと思う。これがトップスピードを引き出せたときにどこまでやれるか次第だけど…という感じ。狙いたいとまでは…かな。

東京スポーツ杯2歳ステークス2022への展望まとめ

 ハーツコンチェルトは正直素質という点ではかなり期待していいと思うんだけど、東京1800でとなると前半の入り方が難しいかなというのは。距離は明確に延びた方がいいタイプだと思うし、来年のダービーが楽しみだなとは思うが、ここは前半が鍵。出来れば外目の枠で、序盤ついていけなくてもどこかで動けるポイントが作れた方がいいのかなという感じ。う~ん…京都2歳Sとかで見てみたかったなというのが本音。

 フェイトは総合力の高さが魅力で、前半で流れても好位で入れて中弛みで我慢を強いられつつもギアの上げ下げを引き出してきた。ただ、全体で流れてという中での相対的な鋭さで結果を出してきたし、時計も上がりも平凡というところからも示す通りちょっとトリッキーな流れだった。各馬が余力を持てるドスローの中で鋭さを引き出せるかどうかだろうね。個人的にはかなり気に入っている馬だけど、東京1800でどうかやね。

 ロッククリークは明確にポテンシャル戦での競馬なので、全く読めないなというのはある。ただ、新馬戦のパフォーマンス的には平凡だと思うし、この一戦だけで判断するしかないという状況で他との比較で見たときにそこそこ人気で狙いたいとまでは…かな。

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