マイルチャンピオンシップ 2020 出走予定馬:タイセイビジョン&石橋脩騎手想定
第37回 マイルチャンピオンシップ(GI)出走予定馬展望
日程:2020年11月22日(日)
コース:阪神芝外1600m
予想用・出走予定馬一覧
タイセイビジョン(石橋脩騎手想定)
今年はアーリントンカップで内から鋭く突き抜けたタイセイビジョンがマイルチャンピオンシップに出走予定だ。NHKマイルカップ本番では4着、富士ステークスも古馬相手に5着と壁にぶつかっている現状。GI馬8頭の壁はさらに高いが、番狂わせを起こせるか?
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ん~流石に他の3歳3頭と比べると明確に武器が無いというのは難しい材料かな。何かしらでトップレベルのパフォーマンスを見せていたら良かったんだけどね…。
アーリントンC(GIII)1着
阪神芝外1600m稍 12頭5枠6番
1:34.3 45.7-48.6 H^3
12.4 - 10.8 - 10.9 - 11.6 - 11.9 - 11.7 - 12.1 - 12.9
3走前のアーリントンカップ勝ちから振り返りたい。このレースはこれはこれで結構特殊で、稍重で時計も掛かっていたし、2勝クラスの1800でもハロン12程度だったのでタフな馬場と言って差し支えなかったかな。その中で超ハイから後半L3最速でも11.7という程度で、L1は12.9と消耗していたからね。また超ハイなんだけど一団で進めていたのでその辺も特殊だった。
6番枠からまずまずのスタート。そこから様子を見ていたが徐々に下がって気が付けば後方。ただ後方と言っても団子状態、後方馬群の中目でコントロールしながらハイペースの流れに乗って3角。3~4角でも後方から中団馬群の中目を通しつつトリプルエースの後ろを狙って3列目。直線で最内に切ってここで先頭に立ち3/4ほどリードを取る。L1でそのまましぶとく抜け出して外から来るギルデッドミラーを離しながらの2馬身差完勝。
ここはかなり激流だったと思うし、タフな馬場だったので後半は消耗していた。その流れの中で一団だったとはいえ後方で脚を温存できたし3~4角のロスもなかったからね。最後に突き抜けられたのはこの辺が噛み合ったかなと思う。ただ、それでもしっかりと最後まで伸びてきたようにハイペースでパワー型の基礎スピードを要求されても最後まで踏ん張れるのは一つの強みやね。朝日杯では外からの競馬になったので苦しかったがL2までは一瞬良かったからね。外外ではなく3~4角内内で脚を残せたのと、ペースや展開も噛み合ったという感じはあるかな。
NHKマイルC(GI)4着
東京芝1600m良 18頭1枠2番
1:32.8(+0.3) 46.0-46.5 M
12.3 - 10.4 - 11.4 - 11.9 - 12.0 - 11.3 - 11.2 - 12.0
2走前のNHKマイルCでは4着と悪くはなかったがワンパンチ欠ける競馬になった。ペースも平均で進んでいたが、3~4角で緩んでいていわゆる中弛みの展開。そこからの再加速で伸びきれなかった。ただ前2頭はこの流れで強かったので、個人的にはちょっと物足りなかったかな。この競馬ではちょっと足りないと思う。
2番枠から五分のスタート、そこから押しながらの追走だが前にレシステンシアがすぐに入ってきたのでその後ろをキープ、スペースを作る意識で2列目の内で3角へ。3~4角の中弛みでもスペースを用意していて対応しながら直線。序盤でレシステンシアの後ろから追い出されるが少し置かれてしまう。L2でスペースが生まれたので鞭が入ってというところだがそれでも4番手に下がってしまう。L1でレシステンシアとの差はジリっと詰めたがギルデッドミラーに競り負けて4着。
ん~直線までは上手く運んだとは思う3~4角でスペースを保っていたので緩んだときに対応してきたからね。ただ直線で前のレシステンシアが加速したときにここで置かれてしまっている。L2以降はそれでスペースも再度作れたんだけど結局伸びることは無かったし、L1でレシステンシアが甘くなったところで差は詰めたがギルデッドミラーに外から叩き合いで見劣ってしまったわけでね。高速馬場での平均ペース、基礎スピード面を質的に求められてギアの上げ下げをというところで後半の鋭さは足りなかったと思う。京王杯2歳Sではそれなりに脚を使えていたことを踏まえると、ちょっと削がれたかな。高速馬場はこのレベルだとどうだろうな…というのが正直なところ。
富士S(GII)5着
東京芝1600m良 12頭2枠2番
1:34.0(+0.6) 45.4-48.0 H^3
12.4 - 10.6 - 10.8 - 11.6 - 12.0 - 11.5 - 12.2 - 12.3
前走の富士Sでは5着と悪くは無いが…という内容。内外の馬場差もあったので一概には言えない面もあるが。2.6で超ハイ、ラップ的にはL4で少し緩んでのL3最速で11.5という程度。後半でそこまで速いラップを求められなかったと思うし、その中で好位から流れに乗ってこれと言って…という感じ。
2番枠からまずまずのスタート、そこから様子を見ながら好位の内目で進めていく。道中も中団に近いところまで下げて前にスペースを保ちながら3角に入る。3~4角でも中団から好位の内目のスペースを拾いながら離れた2列目で直線。序盤で追われて鞭も入って反応しつつもまだ2列目付近。L2途中までは頑張っていたがL1でちょっと甘くなって後退気味、ラウダシオンにも離されての5着完敗。
まあ悪くはないし、この時の府中は内の馬場がかなり難しい状況だったと思うのでそこで脚を使った可能性もある。ただ、ラウダシオンとの比較で見て直線入りの段階では1馬身もなかったと思うが、それをL1の地点で離されて結果的に2馬身半差ぐらいはつけられたかなというところ。この感じだとペースがある程度流れた前提で前半に脚を使うと決め手を落としていると考えたほうが良いかなと。崩れないのは良いが、マイル路線で高いレベルではワンパンチ足りない。
マイルチャンピオンシップ2020への展望
まあここはちょっと足りないかなと思う。まず高速馬場で基礎スピード的に46-46.5のラインで求められたNHKマイルCで足りなかった。ラウダシオンにはハイペースで流れた富士Sとの比較で見ても見劣ってしまったわけで、となると流石にちょっと難しいと思う。NHKマイルは平均で中弛みからの再加速となったが加速地点でレシステンシアに置かれてL1で少し差を詰めたといっても1馬身ほど遅れていた。レシステンシアにとってはペースをコントロールすれば末脚の絶対量ではちょっと足りない、という競馬だったがそのレシステンシアに脅威を与えられなかった時点で3歳勢との比較でも見劣るからね。
まして今回は古馬に強敵が多い。グランアレグリアは余程ドスローで後ろで包まれてとかなら分からんが、ある程度現実的な流れの範囲なら崩れないし、高速馬場のインディチャンプもスローで切れ味を引き出せる馬だし流れても対応してくる。この2頭は強いわけで、少なくとも3歳の間にインパクトを残せていないと…。例えばレシステンシアみたいにハイペースゴリゴリのJFで圧勝していたり、マイルが動かだがクラシック戦線でやれていたサリオスだったり、NHKマイルCで総合力の高さを見せたラウダシオンだったり。これらとの比較で狙いたいと思わせるだけのパフォーマンスは残念ながら見せられていない、と思う。まあ人気もしないだろうが、NHKマイルCの内容を踏まえてもここは手を出すまいと。
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