帝王賞 2021 出走予定馬:オーヴェルニュ&福永騎手想定

第44回 帝王賞(JpnI)出走予定馬展望

日程:2021年6月30日(水)
コース:大井ダ外2000m

予想用・出走予定馬一

帝王賞2021の予想用・出走予定馬一覧

オーヴェルニュ(福永騎手想定)

 平安ステークスでは1秒千切って一気に一流馬への仲間入りを果たしたオーヴェルニュが帝王賞に出走予定だ。GIのフェブラリーステークスでは13着と大敗を喫したが、得意条件は中距離。大井の2000mは初めてだが、勢いで地方の雄、大井の鬼らをまとめて撃破と行きたい。

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 某所ではそんなに人気が無いけど、結構面白いと思う。今のこの路線は6歳世代がハイレベルなので簡単ではないけど、現状のこの馬のパフォーマンスでどこまで通用するか楽しみやね。

平安S(GIII)1着

中京ダ1900m重 16頭3枠5番
風向き:北西2.4m/s(大府市15:40)
1:54.7R 47.1-49.6 H^2
7.1 - 10.8 - 11.0 - 12.3 - 11.8 - 12.1 - 12.4 - 12.8 - 12.0 - 12.4

 前走の平安S勝ちから振り返りたい。今年の平安Sは中京の1900m戦だったが、重馬場で高速ダートということもあってレコード。しかも1秒千切ってのものだから価値があるね。ペースは2.5でかなりのハイ、ラップ的にはL6最速になるので向こう正面で仕掛けている。3~4角で北西の風で向かい風を受けながら減速して直線再加速だが、オーヴェルニュだけ突き抜けてきた。

 5番枠からまずまずのスタート、そこから割と楽な感じで先行策、最終的に外のアメリカンシードらを行かせて2列目の内に入れていく感じ。道中も逃げるアメリカンシードが単騎気味、離れた番手のペオースの後ろで3列目の内で3角。3~4角で前が落としてきたところで2番手に上がってアメリカンシードに差を詰めて1馬身差で直線。序盤でそのまま一気にとらえて1馬身差。L1で突き抜けての6馬身差圧勝。

 とにかく強かったなという一言なのと、基礎スピードの質を相当高いレベルで求められた中で少し後ろで進めていたとはいえ後半でここまで違いを作ってきたというのはインパクトがあったね。3着のマルシュロレーヌですら突き放されていた。ちょっと違ったなというのが率直な感想で、強い馬だとは思っていたけど想像以上だった。ただ1900m戦としてはかなり質的なものを前半で要求されているので、2000mへの延長でペースが落ち着いた場合はどうかやね。まあ大井の2000は結構流れることも多いし、向こう正面からのペースアップから3~4角の緩みで取り付いてという競馬ができているし、大井でもというのはある。

フェブラリーS(GI)13着

東京ダ1600m良 16頭7枠14番
風向き:東南東3.1m/s(府中市15:40)
1:36.5(+2.1) 46.5-47.9 H^1
12.5 - 10.8 - 11.4 - 11.8 - 12.0 - 11.9 - 11.9 - 12.1

 2走前のフェブラリーSでは果敢に挑んだが完敗を喫している。東京マイルなので当然だが芝スタートのワンターン。ペースはハイペースで淀みなく淡々と進む形となった。風向きは4角地点が完全追い風で、BSは向かい風に近い形になる。

 14番枠からまずまずのスタート、そこから促して先行争いの一角に入っていく。結構長く促して好位の外で落ち着かせてという感じで3角。3~4角でも好位の外でだが息を入れるタイミングがないまま中団に呑まれて直線。序盤でそのまま馬群に呑まれて失速した。

 芝スタートでも流れには乗れたんだが、やはりこの条件だと基礎スピードの質的に優位性を作れず、むしろ淡々とした流れで息が入らずにオーバースピードになってしまったという感覚かな。高速ダート適性が高い馬という可能性もあるが、正直4角の地点で甘くなっていたことと、ラップ的に淀みがなかったという点で見ても前半部分に問題があったと思う。芝スタートだとこの速度がそこまで武器にならないし、実際手が動いても徐々に下がっての好位だったからね。その点を踏まえても東京マイルは適性的にフィットしなかったとみている。

東海S(GII)1着

中京ダ1800m不 15頭6枠11番
風向き:北北西2.0m/s(大府市15:40)
1:49.2 47.6-49.9 H^2
12.7 - 10.9 - 11.8 - 12.2 - 11.7 - 12.1 - 12.7 - 12.2 - 12.9

 3走前の東海Sでは不良の高速ダートの中京1800m戦で強い競馬。これも平安Sと条件が近かったというのもあるかもしれないが、かなりのハイペースで進みつつ向こう正面最速からのコーナー減速直線再加速という形は同じ。この辺は大井でも求められやすい適性なのでこの形でやれているのは個人的に好感なんだよね。風は北北西からなので3~4角で向かい風となる中京らしい風向き。

 11番枠から五分のスタート、そこから促しながらの先行策でじわっと押し上げて2列目の外。道中もインティが引っ張る流れを前目でしっかりプレッシャーをかけていって3角。3~4角で先頭列3頭の外から並びかけながら直線。序盤でそのまま再加速で抜け出して堂々先頭に立ち2馬身半差ほど。ラストでそのまましぶとく踏ん張って1馬身3/4差完勝。

 ここではそこまで楽に前をというほどではなかったが、それでもしっかりと意識的に前を取ってきたし途中からはインティを潰すために積極的に前にプレッシャーをかけに行ったからね。そこで後続の脚を潰してこちらは再加速に持って行けている。この辺からも高速ダートでの前半の基礎スピードを活かしているというのはあるんだよね。ただ、ここでの競馬よりも1900mの平安Sの方が圧倒できていたし、バランス的には平安Sの方が後半要素を求められているといえるので、その点で考えると距離自体は2000でもいいかもしれないなと。もちろん前半から持ち味の基礎スピードを活かすという前提は必要だけど。

帝王賞2021への展望

 タイプ的には結構面白いかなとは思っている。大井はどうしてもコーナーがきついのでコーナーごとの減速から直線ごとの加速という形になりやすい。ハイペースでも単調な基礎スピード特化戦ということはなかなかないし前半が速くてもコーナーで緩んで向こう正面での加速になりやすいと。この辺は中京で左回りではあるんだけどしっかりとギアの上げ下げに対応できているのと、向こう正面からの競馬になって中盤でポテンシャルを求められてもそこから再加速にもってきているからこういうタイプは大井でも安定すると思う。

 あとは2000mで騎手の意識の問題は出てくるかな。大井の2000は割と1角までの直線が長いので入りの3Fが速くなりやすい。その中で外枠から内の逃げ馬候補を相手にどこまで競っていってペースを引き挙げていくことができるかだろう。福永も前走で強気に先行したというよりは逃げ馬から離れた位置で進めていたのでこのレベルでそういう競馬をして、ペースが落ち着いたときにどうかやね。意外とベテルギウスSの上位勢がスローではいまいちだったので、個人的には前半はしっかりと基礎スピードを活かす競馬を狙ってほしい。個人的には高速ダートで高いパフォーマンスを見せているのでできれば渋ってほしいかな。月曜、火曜と雨が降るっぽいのでこれが残ってくれればというところ。このメンツでも怖い一頭だし、想定より人気が無いがギアの上げ下げ、1900mで後半要素の良さも見せてきているから結構面白いと思っている。強敵も多いので現時点では何ともだが単穴~連下ぐらいで考えたいかな。

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