目黒記念 2021 出走予定馬:ゴールドギア&田辺騎手想定

第135回 目黒記念(GII)出走予定馬展望

日程:2021年5月30日(日)
コース:東京芝2500m

予想用・出走予定馬一

目黒記念2021の予想用・出走予定馬一覧

ゴールドギア(田辺騎手想定)

 前哨戦のメトロポリタンステークスで鮮やかに殿一気を決め込んだゴールドギアが目黒記念に出走予定だ。重賞ではワンパンチ足りないものの鋭い末脚は東京で噛み合うことが多いのも事実。後方からの競馬で展開に恵まれる必要はあるが、脚を温存してギアを上げるタイミングを掴んで末脚を研ぎ澄ましたい。

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 一見よさそうで目黒記念だと噛み合い切りにくいタイプの馬だと思う。そもそもあんまり前哨戦のメトロポリタンSと綺麗にリンクしないレースだと思っているので。ペースが上がって淡々と縦長になるとロングスプリントを引き出し切れなくなるし、引き出せたとしても位置取りが悪すぎてという感じにもなりかねない。どうせ後ろからになると思うしなあ…。

メトロポリタンS(L)1着

東京芝2400m良 11頭6枠7番
風向き:南2.9m/s(府中市15:10)
2:24.5 60.8-59.3 S^1
12.9 - 11.5 - 12.1 - 12.5 - 11.8 - 11.9 - 12.5 - 12.3 - 12.2 - 11.4 - 11.4 - 12.0

 まずは前走のメトロポリタンS勝ちを振り返りたい。正直言うとここはかなり嵌ったなというのが印象的には大きいかな。まずペースはスローだが中盤でペースが上がって3角あたりでペースが再度落ちてと前がかなりギアの上げ下げをしていた。その中で最後方から足を温存できたし外から3~4角で取り付くのが噛み合った流れだったといえる。アイスバブルが内を選んでペースダウンに巻き込まれたのとは対照的だったし、上手く噛み合った中でのロングスプリントなので嵌った面が強い。風は南なので3~4角が追い風とこのあたりも良かったと思う。

 7番枠から出負けして後方からの競馬。流石に少し促していたがそれでも進まずに最後方でレースを展開する。序盤は前がある程度飛ばして進めるが2角あたりで一気にペースダウンしたので少し差を詰めつつというところで今度はペースアップ。したかと思えば3角手前で緩めてきてと波の激しい流れ、これを最後方から無理せず3角。3~4角で前がペースを上げない中で凝縮するところで外からスムーズにスピードに乗せて直線。序盤からロングスプリントの展開だがしぶとく伸びて中団、L2でさらに伸び続けて2列目付近まで来る。L1でしっかりと前のパルティアーモを捕えてのクビ差の勝利。

 まあここは正直狙っていたし噛み合ったなという感じ。もともとロングスプリント型で速いラップを後半に求められた方がいい。ある程度ペースが上がっても対応してくるけど、今回みたいに前がペースを上げたり下げたりしてくれたので最後方で自分のリズムで運んでいれば3~4角で取り付くチャンスができた、という点ではかなり恵まれたなという印象。ただ噛み合えばあの位置から捕え切れるだけのロングスプリントの能力がゴールドギアの持ち味ではあると。今回もこういう展開になればもちろんだが、ラップの緩急がなく取り付くタイミングがなければそう簡単ではないのが競馬。

目黒記念(GII)5着

東京芝2500m良 18頭6枠12番
風向き:南南東3.9m/s(府中市17:00)
2:30.2(+0.6) 60.1-59.9 M
7.4 - 11.1 - 11.4 - 12.3 - 12.0 - 11.7 - 11.8 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 11.8 - 12.1

 6走前、昨年の目黒記念では5着とそれなりには戦えたが上位3頭からは明確に差のある競馬となった。ちなみにその上位3頭の中の一頭がここにも出てくるアイスバブルになるわけで、こういう目黒記念らしい競馬になると最後方からいくらいい脚を使ってもとなる。厳しい流れで淡々としていたし、それで追走したことでこの馬の持ち味であるロングスプリントのギアは引き出せなかったが、それでも内を捌きながらポテンシャルである程度なだれ込んできたという感じ。南南東の風で4角地点が完全追い風。

 12番枠から出負けしていたが織り込み済み、すぐに内に切って後方の内内で馬群の中に入れていく。ただ道中も縦長で進む中で前が終始ハロン12近くを連続するので取り付けないまま後方2列目ぐらいで内から3角に入る。3~4角でも淡々とという中で最内をぴったり進んで団子気味で直線。序盤で最内から進路を割りつつ少し待たされという感じでそれでも何とか食らいつく。L1でノーブルの外に出してからもじりじりと。なだれ込むも5着。

 この淡々とした流れの中で1~4角全てで脚を温存できたのは大きかったと思う。一方で直線では捌くのに結構苦戦していたので、そのあたりがもう少しスムーズならというのはある。が、L2の途中には進路は取れていたし、直線で待たされた分もあるが3~4角のコースロスなくでの押し上げということも踏まえると、L1でもうちょっと伸びてくれないとというのが正直なところ。ノーブルマーズを交わすところまできていたら捌けていればもう少しと強調できたけど、こういう淡々とした流れになってしまうとなかなか取り付けないので難しい面はある。素材面は良いものを持っているけど、展開面が噛み合わないとやね。

アルゼンチン共和国杯(GII)9着

東京芝2500m良 18頭8枠17番
風向き:西0.6m/s(府中市15:40)
2:32.4(+0.8) 59.9-60.1 M
7.3 - 11.3 - 11.1 - 11.8 - 12.2 - 12.1 - 12.8 - 12.9 - 12.6 - 12.6 - 11.3 - 11.2 - 12.4

 4走前のアル共では9着と完敗。個人的にはこれはかなり物足りない一戦で、中弛みが顕著に生じていたし取り付くタイミングはあった。直線で外への誘導に少し時間がかかっていたにせよ、それでももうちょっと伸びてこないといけない展開だったと思う。ラストでそれなりにはなだれ込んでいたけど要所での鋭さで見劣ったのは流れとしてはいただけない。風はほぼ誤差の範囲だろう。一応HSでは向かい風だが影響はほぼないと思う。

 17番枠から出負けして最後方からの競馬となってしまう。そこからは後方2番手付近で取り付くタイミングを探りつつ3角に入っていくが、3角手前でペースダウンしたのでこの辺で一気に凝縮。ここで後方列の中目のスペースを押し上げながらこのあたりまではスムーズに差を詰めて直線。ただ序盤で外への誘導でワンテンポ遅れ、それでもL2までには進路を取る。そこからはしっかりと追われているものの伸びが地味。L1で中団には並びかけてくるが…という感じで9着完敗。

 正直これはちょっと不満。結構噛み合ったと思うし直線への進路鳥が若干遅れたけどそれでもL2までにとれていたらもうちょっと伸びてほしかったのが本音やね。サンアップルトン辺りとの比較でも中弛みで差し込んだグミとしては噛み合ったほうなので、もうちょっとやれてほしかった。この時でも高速馬場だとは思っているがそれでも極端ではなかったし、これまでの傾向を見てもゴールドギアは時計が掛かる馬場では物足りないことが多いし超高速馬場の方がいいのかなという印象は受ける一戦だったかな。

目黒記念2021への展望

 悩ましいけど、ひとまず高速馬場となりそうなのは個人的にはプラス材料だとは思う。一方で、昨年の目黒記念でも見せたように例年の目黒記念らしい前後半平均でも中盤で淀みなく淡々とという流れになってしまうと、後半でそこまで速いラップを踏めずに持ち味であるロングスプリントを引き出せないままということはリスクとしてはあると。実際アイスバブルに完敗だったように、シンプルなタイムトライアルの競馬になるとこの馬としては苦しいかなと。前走のメトロポリタンSが噛み合ったのもスローで道中のラップに緩急が生じて前の馬には少し難しい流れになったという点もあると思っている。なので、前走は結構噛み合った外差しで今回はどうか?と考える必要があると。

 相手関係で見ても正直前走のメトロポリタンSでそこまでの強敵はいなかったと思うんだよね。サンアップルトンは捕えたけど、これは慣れない先行策とラップの緩急に少し巻き込まれた感はあるしアイスバブルも中弛みでの進路選択のミスで要所の加速で置かれた形になっている。あそこで外からというのはラップ的には正しかったと思うし、あの一戦できれいに嵌って勝ち切ったからといって今回ここで強気に?というのは。昨年の目黒記念でノーブルマーズを交わせなかったが少し進路で苦しいところがあったのでそこを考慮に入れて、流れても最低限はやれる…というのを評価しつつ、ロングスプリントならというところで押さえるかどうかのライン。それでもここで穴人気するなら嫌いたいけどね。土曜の馬場を見て判断するかもだが超高速馬場なら少し上方修正するかもという感じ。

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