【※無料公開対象】オークス 2022 出走予定馬:ウォーターナビレラ&武豊騎手想定

第83回 オークス(GI)出走予定馬展望

日程:2022年5月22日(日)
コース:東京芝2400m

ウォーターナビレラ(武豊騎手想定)

 阪神ジュベナイルフィリーズで3着、桜花賞で2着とGIの舞台であと一歩が続くウォーターナビレラが武豊とのコンビでオークスに出走予定だ。もちろん最大の課題は2400mへの一気の延長。これまで数多の桜花賞路線の馬が挑んできた宿命の壁を打ち破った先に悲願のGIタイトルが待つ。

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 距離に関しては正直やってみないとわからない面はどうしてもある。特にシルバーステート産駒はこれがファーストクロップだし傾向もまだわからないからね。桜花賞が中弛みに対応できていたし、単調な馬ではないと思うけど…という感じかな。

桜花賞(GI)2着

阪神芝外1600m良 18頭3枠6番
風向き:南南西3.3m/s(豊中市15:40)
1:32.9(+0.0) 46.8-46.1 M
12.4 - 10.8 - 11.4 - 12.2 - 12.0 - 11.1 - 11.5 - 11.5

 前走の桜花賞2着から振り返りたい。高速馬場でペースは平均だがややスロー寄り。中盤で12.2-12.0と割と顕著な中弛みが生じていて、そこからのL3最速なので本仕掛けはそこそこ早く4角地点となる。後半はロングスプリント的で前半の基礎スピードやギアの上げ下げも含めた総合力を求められた一戦と言っていいだろう。風は南南西からなので4角地点が完全向かい風になる。

 6番枠から好発を切ってそこから軽く促しつつ先行策、楽に番手を確保して我慢。道中も折り合いは問題なく逃げるカフジテトラゴンを行かせながら。3角で中弛みが生じたがしっかりと折り合って余裕、4角で軽く手が動く程度でペースアップに食らいついて3/4差の2番手で直線。序盤で左手前、鞭が入ってここでしぶとく先頭列に来るが内から抵抗するナムラクレアにクビ差で何とかリード、L1でも左手前を維持して踏ん張っていたが最後の最後で捌いてきたスターズオンアースに捕え切られてハナ差の2着惜敗。

 器用な競馬をしてきたなというのが第一と、息を入れて後半しっかりとロングスプリント的な脚を見せてきた。全体の総合力で高いレベルのものを見せてきたと言っていいだろう。ペースがある程度流れた中ですっと番手を取れたし、そこから3角のペースダウンでも折り合って運べていたので、個人的には単純な折り合い面での不安というのはソフトに出ればそこまで感じないかな。まあ2000とかならともかく流石に2400mだとそれだけでは何とも言えんが。後半は一つ外で最速地点の4角から勝負に行った分ラストで甘くなったのはあるし4角地点が完全向かい風となっていたという中でというのも踏まえて、後半のロングスプリントの素材面で見ても一定レベルにはあると。ただ、もちろんだけど中弛みがあったとはいえ平均に近い形で進んでいるので、やはり前半の基礎スピード面にはある程度依存した競馬になった。後半勝負のウエイトがどうしても大きくなるオークスでと考えるとどうかやね。あと、この開催の阪神は前目内目がかなり残っていた印象。その辺りも総合的に判断しないといけないかな。

チューリップ賞(GII)5着

阪神芝外1600m良 15頭5枠9番
風向き:南西5.6m/s(豊中市15:40)
1:33.6(+0.4) 46.5-46.7 M
12.3 - 10.7 - 11.3 - 12.2 - 12.0 - 11.4 - 11.4 - 11.9

 2走前のチューリップ賞ではナミュールに完敗の5着。位置取りもいつもより後ろになったのもあるが、ちょっと伸び切れなかったかな。ペースは平均だが中弛み気味でL3最速タイでの11.4という程度。桜花賞に近い展開だったが、そこまで速いラップは要求されなかった。風は南西方面からやや強め、4角地点が完全向かい風。

 9番枠から好発を切ってそこから様子を見ながらじわっと下げて進め、最終的には好位の中目に収めていく。道中も折り合いを意識した入りで特に問題なく我慢。3~4角でも前にスペースを保ちながら好位の中目を通しつつ3列目で直線。序盤で左手前だが、少し窮屈で追い出しを待たされ2列目勢の後ろ。L1で捌いてジリジリとなだれ込んできたが…という5着完敗。

 馬ごみの中でも折り合いはさほど気にならなかったし、中弛みでのブレーキとかもそんなに顕著ではなかったと思う。再加速の地点で進路確保が甘くて動き切れなかったのは痛かったけど、L1でその分だけ弾けたか?と言われると微妙だったなという感じ。端的に言えば折り合い面はクリアできたと思うけど、溜めたからと言って後半の末脚の質量を高められたか?となると微妙。もちろんここはたたき台ではあるし、今後を見据えた課題を克服というステップなのでこれが全てではない。が、後半勝負にシフトしてどこまで?という点では目途を立てたとまでは言えないかな。まあここの上位が桜花賞で普通に上位ではあるのでそこまで悲観するほどではないけど、今年は桜花賞のレベルがそこまで世代全体との比較で抜けているとは思わないからなあ…。

サフラン賞(1C)1着

中山芝外1600m良 8頭7枠7番
風向き:東南東2.3m/s(船橋市14:30)
1:35.8 49.6-46.2 S^3
12.9 - 12.0 - 12.3 - 12.4 - 12.5 - 11.4 - 11.0 - 11.3

 5走前のサフラン賞を振り返っておきたい。中山のマイル戦でペースは超スロー。後半特化でギアチェンジも求められたし、L1も11.3なのでほとんど落とさず。これでウインピクシスを捕え切った。風は東南東からなので3~4角中間地点が完全追い風。

 7番枠からまずまずのスタートを切ってそこから促しつつ番手外まで持って行く。道中もウインピクシスを見ながら余裕を持って進めていくがペースが上がらず流石に少しコントロールしつつ。3~4角でも番手外で3/4ほど後ろから促しつつ追走、4角で楽な感じで並びかけつつだが出口でちょっと置かれて3/4差。そこから左手前で食らいついて、L1の坂の登りで抜け出しての1馬身1/4差完勝。

 終いだけの競馬でも対応は出来ている。相手関係的にシゲルイワイザケとかリアグラシアとか、正直楽なメンバー構成だったというのはあるのでそこは何とも。ただL1の坂の登りでも11.3と減速をとどめて突き抜けている。質的にはL2でちょっと置かれ気味だったしコーナーワークを加味してもちょっと平凡だった。まあL1で突き放したのでそこは評価できるけど、後半特化でそこまで目立つというところまでは何とも言い難い。この時はかなりの高速馬場ではあったからね。

オークス2022への展望

 豊がこういうタイプに乗るとオークスではなかなかいいイメージがわかないな、というのが本音やね。チャンスがあるとすればやはりある程度前で勝負しないと難しいと思うんだけど。後半勝負ではトップスピードの質でもロングスプリント面でもある程度は戦えているけど目立たない。素材的な距離適性はともかく、折り合い面に関してはクロフネサプライズとかあの辺との比較ならはるかに楽だとは思う。12秒台の中弛みに対応できているので、あの感じなら途中で息を入れられると思うし、個人的には許容範囲だとは思う。上手く前目内目で入っていければ。

 ただ、やはりサフラン賞やチューリップ賞を見ても後半型にシフトしたからと言ってトップスピードの質やロングスプリント面での上積みが目立つか?となると正直微妙やね。2400mとなると前半の基礎スピードをコントロールできるのは良いんだけど、武器にはならない。マイルでの基礎スピードの質がこの馬の武器の一つではあり、端的に言えばマイルで総合力が活きた。その前半の基礎スピードをコントロールしないといけない分だけ簡単ではないかなというのはある。オークスは前半そこそこ流れる傾向ではあるけど、あまり前に入り過ぎると3角手前の中弛みで我慢している間に後ろが労せず追い上げてくる昨年のパターンもある。その点でも好位ぐらいで運べる馬が強いからね。この馬としては前半の入りが最大のポイント。内枠でも引いて先行勢を見ながら好位でというのがかみ合えば。桜花賞であの偏差の大きい中弛みのギアの上げ下げの競馬に対応できているので、軽視し切るのは危険だと思う。豊が変に後ろから行かないことを祈りつつ、連下~×ぐらいが妥当なところかなと考えているけどね。府中適性も未知数だし。

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