小倉大賞典 2021 出走予定馬:デンコウアンジュ&蛯名騎手想定

第55回 小倉大賞典(GIII)出走予定馬展望

日程:2021年2月21日(日)
コース:小倉芝1800m

予想用・出走予定馬一覧

小倉大賞典2021の予想用・出走予定馬一覧

デンコウアンジュ(蛯名騎手想定)

 8歳馬ながらまだまだ存在感を見せているデンコウアンジュが小倉大賞典に出走予定だ。今年の愛知杯でも6着と悪くない競馬だったが、昨年制した愛知杯の舞台は小倉でそこで良い競馬ができていたのは好材料。今年で鞭を置く大ベテラン蛯名を背に、老練な走りを見せつけたい。

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 蛯名も残すところあと2週かな。中山記念がラストだけど、ここもワンチャンスあると思うので頑張ってほしい。今の小倉は馬場が軽い中での外差し馬場という感じなので、デンコウアンジュ的には嵌り切る可能性もある。マイル路線でも基礎スピード負けしていないので、出来れば前半からハイペースの流れになってほしいね。

愛知杯(GIII)1着

小倉芝2000m重 16頭3枠5番
2:01.1 60.1-61.0 H^1
12.3 - 11.1 - 11.9 - 12.6 - 12.2 - 12.0 - 12.0 - 12.2 - 12.4 - 12.4

 まずは6走前、昨年の愛知杯勝ちから振り返りたい。昨年は小倉2000mでの開催で重馬場、ペースも1秒近いハイペースで進んでいた。その中で後方からしっかりと末脚を引き出してきたように、ペースが速い中でも脚を使えるのがこの馬の強みの一つ。

 5番枠からまずまずのスタート、そこから無理はせずにコントロールしつつ後方の内目で脚を温存して進めていく。道中も後方の内目から進めつつアルメリアブルームの後ろで3角へ。3角で内内で我慢を強いられる形になるが、4角でアルメリアブルームが外に行ったので内を選択も進路がない。序盤で結局中目のスペースまで誘導するのだが3列目からL1でスッと伸びてきてクビ差の勝利。

 デンコウアンジュはトップスピード戦でもマイルの基礎スピード戦でもそこそこやれる馬だが、こういう流れで内内で立ち回りながら進路が苦しくても器用に立ち回ってこれるのが強みの一つとしてあると思う。流れた中での動きが良い馬ではあるし、こうやって全体で流れて淀みなくともしっかりと最後まで脚を使える。もちろんコーナーで上手くアルメリアブルームを目標に出来たのはあるし上手く噛み合った面もあるが、こういう競馬ができるなら小倉は合うのも納得かな。それと、馬場が重くても良いが軽くてもやれる馬なのでその辺でも良い。ただ、不思議とそういうタイプの馬なのに不安定なのでどのタイミングで来るのかがちょっと読みにくい馬ではあるんだよね。

愛知杯(GIII)6着

中京芝2000m良 18頭6枠11番
1:59.5(+0.8) 57.9-60.8 H^3
12.3 - 10.2 - 11.8 - 12.0 - 11.6 - 11.8 - 12.6 - 12.3 - 12.0 - 12.1

 前走、今年の愛知杯では6着に敗れている。ここは中京の2000m戦だが超ハイペースの流れ。離れた4番手以降でも推定で59秒半ばぐらいなので実質でも平均では流れていたと思う。ここで最後方付近からの競馬になったし3~4角で4番手以降が動く中で外外からの競馬になったのも難しかったかな。ただそんなに悪い内容ではなかったと思う。

 11番枠から五分には出たがそこから様子を見つつ問いうところで後方馬群の中目で包まれて最後方付近となってしまう。道中も淡々と前が引っ張る中で後方馬群の外で進めざるを得ない感じ。道中も後方中目から進めて3角で外目から追走。そのまま3~4角で離れた4番手以降が前との差を詰めてくるところで中目を回しながら直線。序盤で中目の狭いスペースを割って一瞬伸びかける。L1で好位列からもうひと伸びが欲しかったが、ここで差をつけられての6着完敗だった。

 まあ悪くはないんだけどやっぱり中京2000だとどうしても後半型の競馬になりがちで、2000は本質的には少し長い感じはあった。昨年の場合は小倉だったこともあるが60.1-61.0で単騎とかではなく全体で流れていた。今年の場合は字面は超ハイでも4番手以下で見れば平均程度だったと思う。その中で後方外目から後半のポテンシャル勝負になったのでL2で一瞬伸びかけたけどそこからのL1で甘くなったのもあるかもしれない。ただ、直線入りで一瞬伸びかけたときに進路がなくてブレーキ気味になったのも影響したかもしれんね。良い脚は一瞬でそこで上手く抜け出してという競馬ができればよかったんだけど、若干だが少し前の馬に被るようなところがあった。実際福島記念ではポテンシャル面でそこそこいいものを見せているので、L2の進路の問題もあったかな。

福島記念(GIII)4着

福島芝2000m良 16頭7枠13番
1:59.9(+0.3) 59.6-60.0 M
12.6 - 11.3 - 11.8 - 11.9 - 12.0 - 11.8 - 11.7 - 12.0 - 12.1 - 12.4

 3走前の福島記念では割と淡々とした流れの中で後方外から正攻法でポテンシャルを発揮。前2頭が引っ張っていて離れた3番手ならスローのバランスで、後半のポテンシャル戦とみていいだろうなと。ここでは4着に敗れているが一定のパフォーマンスは見せた。ただここの1~3着が今回は揃い踏みするのでその辺やね。

 13番枠からまずまずのスタート、そこから無理はせずに様子を見ながら中団やや後方で入っていく。道中も前2頭が飛ばす流れで実質的にはスローという流れだが中団やや後方から進め、3~4角でも正攻法で外外を回す選択。直線それでもジリジリと差を詰めてL1で中団からしぶとく差し込むも下がってきたテリトーリアルを半馬身差に詰めての4着まで。

 明確に後半のポテンシャル特化の競馬をしてきたと思うが、3~4角でも緩んでいない福島特有の仕掛けの速い流れの中であれだけロスがあっても最後まで突っ込んできたのは一定の評価をしたい。とはいえ、ここは前述しているように上位3頭がそのまま参戦するので、その点ではもうワンパンチ必要だし、1800といってもペースが落ち着いて外からの競馬ではちょっと難しいだろう。ヴァンケドミンゴ辺りとの比較で見るとちょっと足りないというのが正直なところ。

小倉大賞典2021への展望

 蛯名の引退ももうすぐなので頑張ってほしいところはあるが、福島記念の感じからも各馬が余力を持っている状況だと難しい。一方で、マイルで流れても戦える馬で、ターコイズSでも3着実績がありこの時が45.5-47.2。全体で厳しい流れになってしまえばマイルでも相対的に鋭く突っ込んでくることが出来るのが持ち味。1800でも小倉なら序盤から上がることも多いので、トーラスジェミニやベステンダンク、テリトーリアルといった所が意識的に引き上げてくればハイペースの流れはあるだろう。そこで中団~後方中目から直線外でという競馬ができれば怖さはぐっと増すかな。

 相手関係から福島記念組はまずまず手強いけど、後半ポテンシャル特化で外からという競馬だとちょっと足りない馬ではあるし、1800でハイペース気味に流れてしまえばという点では上位4頭の中では適性はフィットしやすい方だろう。高速馬場も得意なので今の時計が出易い小倉という中で、流れ切ってしまえば面白い。後は蛯名が上手く立ち回ってくれるかどうかだろう。混戦で面白いメンツが揃ったが花道を飾るワンチャンスはあるかなと思っているし、ヒモ穴では狙いたい一頭かな。

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