スワンステークス 2021 出走予定馬:ステルヴィオ&和田竜騎手想定

第64回 スワンステークス(GII)出走予定馬展望

日程:2021年10月30日(土)
コース:阪神芝内1400m

予想用・出走予定馬一覧

スワンステークス2021の予想用・出走予定馬一覧

ステルヴィオ(和田竜騎手想定)

 昨年京都のスワンステークスでは2着と結果を残しているステルヴィオが今年もスワンステークスに出走予定だ。前走の京成杯オータムハンデでは積極策を取りつつも7着と完敗。GI馬ながら、その後がなかなか勝ち切れない。何とかもう一つ大きなタイトルを手に入れたいところだ。

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 1400GIIで2着が2回あるように一見距離的にはよさそうなんだけど、阪神1400というのがカギやね。どちらかというと昨年のスワンSのようなパターンでロングスプリントを求められた方が良いと思うんだけどなあ。

スワンS(GII)2着

京都芝外1400m良 16頭8枠16番
風向き:東3.2m/s(京都市15:40)
1:21.4(+0.2) 35.5-34.3 S^2
12.6 - 11.2 - 11.7 - 11.4 - 11.1 - 11.0 - 12.2

 まずは昨年のスワンS2着から振り返りたい。基本的にこういう競馬が合っていると思っているし、加えてこの時期の少し時計が掛かる京都外回りが3角の下りからスピードに乗せるロングスプリントを展開しやすいんだろうなと。ここは1400でも前半がかなり遅い。そこからの3角下りのL4地点からの競馬でL2最速で11.0。L3で11.1が示すように仕掛けが早くスローロングスプリント特化。こういう競馬だと良さが出る。風は東からなので3角地点が完全追い風。

 16番枠からまずまずのスタート、そこから押しながら進めるが好位の外目まで。それでも全体のペースが遅い中で悪くない位置から3角以降ペースが上がってロングスプリントの競馬を外目を通しつつ3列目で直線。序盤で伸びはまだ地味だがそれでもじりじりと伸びてきて2列目に近いところまで来る。L1でそこからさらにジリジリと伸びて最後はカツジとの差も若干詰めてきたが1馬身差まで、それでも半馬身差を作って単独2着を確保。

 負けはしたけど外枠で3~4角でも速いラップを終始踏む中で外外という競馬になったし、ラストまで伸びてきたというのは結構評価しているけどね。こういうロングスプリントの競馬が求められて良さが出ているし、本音を言えばマイルCSを勝った時のように、スローで好位の内内をというのがベストだと思う。基本的にあまり前半で基礎スピードを求められない方が良い馬だし、そこが上手く噛み合った。ペースが遅かったのでゲートは良くても二の足が?というところでそこが楽に入れた要素。コーナーで外はしんどかったけど、それでもスローで脚を温存できたのでロングスプリントの競馬になってくれたし、そうなれば安定的にしぶとく長く無酸素運動を維持してくれる。基本はこのイメージで良いと思っているけどね。

阪神カップ(GII)12着

阪神芝内1400m良 16頭4枠7番
風向き:北3.4m/s(豊中市15:50)
1:20.8(+1.1) 34.0-34.3 M
12.1 - 10.8 - 11.1 - 11.4 - 11.3 - 11.4 - 11.6

 3走前の阪神カップでは同じ1400m戦でも全体でタイトに流れてよどみなくという違いがあった。ペースも平均だが34-34レベル。ラップ推移的にもほぼ淀みなく淡々と11秒台前半を維持するような形でラストも11.6で前がまとめている。これで流れに乗れずに良いところなくというのは前半部分の課題が大きいということだろう。風は北からなので3~4角中間地点が完全追い風。

 7番枠から出負けしてそこから押して押しての追走も遅れて後方からのスタート。道中もある程度リカバーはするがそれでも後方馬群の中目で3角となる。3~4角でも後方中目で進めながら4角で置かれてスペースが生まれて直線。序盤で前のフィアーノロマーノが伸びてくれているのでそれを追いかけつつ中目のスペースに切り替える。L1でもスペースがあるが伸びないという12着惨敗。

 スワンSが良い意味でのステルヴィオだし、この阪神カップが悪い意味でのステルヴィオだと思うけどね。ゲートで明確に出負けしたのでそこが響いたのは当然あるだろうが、それを考慮に入れて届かないまでは仕方ないにせよそもそもの末脚を発揮できていない。これはシンプルに前半で追走に足を使って本来の末脚が削がれてしまっているタイプだろうと。後半のロングスプリント型は前半で脚を使って甘くなったり、小足にギアを上げ下げして良さが削がれることが結構多いとは思うんだけど、ステルヴィオは特に前半部分の許容範囲が狭いタイプだと思う。もともとマイル戦でも平均ペースまで上がって淡々と流れちゃうと難しい馬だし、本質的には1800ぐらいが一番フィットしている馬だとは思っているんだけどね。ただ、中距離路線でも相手が手ごわいと苦しいし、適性はそこまででもないけどこの路線なら嵌ったときに通用するという感覚の方が正しいかもしれない。阪神1400だとかなり好走スポットが狭いとは思うんだけどね。

京成杯AH(GIII)7着

中山芝外1600m良 16頭3枠5番
風向き:南南西1.4m/s(船橋市15:50)
1:32.4(+0.4) 45.6-46.4 H^1
12.3 - 11.2 - 11.1 - 11.0 - 11.2 - 11.4 - 11.4 - 12.4

 前走の京成杯AHは馬場も軽かったし前半無理せず後半に末脚を引き出してくれたらスローバランスである程度対応できそうかなと思っていたら、謎の先行策。これで前半で甘くなって余力を残せなかったかなという感じやね。風は南南西からなのでHSが追い風に近い形になる。

 5番枠からまずまずのスタートを切ったのもあるが、序盤から促して先行し、好位の中目を確保する。ただ全体ではそこそこ流れていて11秒台前半を維持するような流れで脚を温存できずに3角。3~4角でも淡々とという中で4角で手が動いて中目から3番手を窺うが、直線入りでは伸びが地味で2列目の一角。L1でもこれと言って目立たず最後は外差し内差しに吸収されての7着完敗。

 武史が思い切ってというのと、展開的に中山マイルではこうなる可能性が高い…というのが悪い方向で噛み合ってしまったという内容やね。正直この馬場状態ならこの程度のハイペースなら中団~後方で後半型に持って行けた可能性が高いし、縦長になりやすいので3~4角で内目からロスなく運んでロングスプリントをというのを期待していたのに前半で脚を使ってしまうとね…。まあやはり流れに乗ってしまうと後半の甘さに繋がってしまうし、ここもL2でせめて単独の2番手に楽に上がってくるぐらいなら阪神1400でもとも感じるけど、ここでもたついているようだと厳しいと思う。本質的に後半型の馬だよ。

スワンステークス2021への展望

 京都外回りの1400ならスタートしてから割とすぐに3角手前の急な上り坂が来るので基礎スピードの質が求められにくいし、時計が掛かればペースも落ち着きやすい。実際昨年はそんな感じだったので外枠からでも好位の外までポジションを取れたし、そこまで攻めても足を使えたのはペースが遅かったから。あのイメージでポジションありきで好位を狙うと阪神1400だと質的に足りないから追走に苦労するだろうし、流れに乗れたとしても34-34レベルで引き上げられると後半で余力を残せない。パターン的にもあまりいい映像が浮かばないのがこの条件だと思う。

 可能性的には内枠を引いて中団~後方で脚を温存しながら3~4角でロスなくかつ、縦長で前のスペースも広がっていて淡々とした流れ。これぐらい噛み合えば内を捌きつつ動く器用さは持っているのでチャンスはそれなりにはあると思う。ただ阪神Cがいくらなんでも伸びなさすぎだし、あの比較でみても上位のダノンファンタジーはもちろんサウンドキアラとでもちょっと厳しいだろうという感じだからね。阪神1400でスローからのロングスプリントの展開ってほとんど見ないし、正直この条件で積極的に狙いたい馬では無いね。まあ場合によっては押さえるかもしれないけど、そこそこ人気にはなるだろうし多分手は出ないだろうなという現時点での評価。

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