ダイヤモンドステークス 2020 出走予定馬:メイショウテンゲン&池添騎手想定

第70回 ダイヤモンドステークス(GI)出走予定馬展望

日程:2020年2月22日(土)
コース:東京芝3400m

予想用・出走予定馬一覧

ダイヤモンドステークス2020の予想用・出走予定馬一覧

メイショウテンゲン(池添騎手想定)

 昨年の弥生賞ではしぶとく最後まで伸び続けたメイショウテンゲンがダイヤモンドステークスに出走予定だ。クラシックは解禁も全て二桁着順に沈む結果に。前走のステイヤーズステークスで4着ときっかけを掴んだ長距離路線で何とか結果を出したいところだ。

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 まあ、正直今のメイショウテンゲンレベルでもなんとかなっちゃいそうな全体のレベル、というのはあるんだけどね。ただ菊花賞が結構いい形でやれたと思っていたら大崩れしたし、何か難しいところがあるのかなという気もする。前走のステイヤーズSはレベル的には疑問が大いにあるが、4角出口で膨らむ形になりながらL1の減速地点での伸びは目立った。それでも直線で加速が求められやすい府中だとあまり当てにはできないかな。

弥生賞(GII)1着

中山芝内2000m重 10頭8枠10番
2:03.3 61.8-61.5 M
12.7 - 11.7 - 12.5 - 12.5 - 12.4 - 12.3 - 12.2 - 12.1 - 12.3 - 12.6

 まずは弥生賞勝ちを思い出しておきたいね。重馬場でかなり時計が掛かる状態だったが、ペースは平均。ラップ的にも淡々と12秒台前半を進める競馬となり、道中の加速がほとんど求められないような競馬だった、11秒台を後半で全く求められなかったというのも大きいかな。

 10番枠からやや出負け、二の足も遅く追われているが後方から。ただ重馬場で各馬もペースをコントロールする意識が働き、押っ付けながらも1角までに賭けて中団に押し上げる。道中も中団外で終始手が動いて3角。3~4角でも外外から押し上げながら2列目で直線。序盤でそこからもジリジリと伸び続けて先頭列。L1で抜け出したところに外からシュヴァルツリーゼも伸びてくるがほとんど差を詰めさせずの1馬身半差完勝。

 まあこれがメイショウテンゲンのイメージで良いとは思うんだよね。加減速の無い淡々とした流れで必死について行って結果として他がばててこちらはばてずに抜け出してくるという感じ。力の要る馬場だったので前半の基礎スピードも質的には求められなかったし、バランス的には平均ペースというのもこの馬のタフさを活かすにはちょうど良かったのかなという感じ。意外と前半のパワー型基礎スピードをバランス的に求められていた中での競馬、というのは重要かもしれない。後半型でそこまででもないというのはその辺もあるかも。

菊花賞(GI)12着

京都芝外3000m良 18頭8枠18番
3:07.7(+1.7) 62.4-63.5-60.7 S^2
12.9 - 12.4 - 12.3 - 12.6 - 12.2 - 12.2 - 12.7 - 12.7 - 12.5 - 12.8 - 12.5 - 12.0 - 12.0 - 11.8 - 12.4

 菊花賞ではある程度前半からポジションを取って積極的な競馬を展開した。正直、この競馬をしてきたときは少し怖いな、と思って見ていたんだが結果として早い段階で失速してしまった。

 18番枠から出負けして後方からの競馬だが、積極的に押して先行と勝負に出て、2列目の外ぐらいでスタンド前を通過。そこからは少しコントロールして好位の外に下げながら仕掛けを待つ。3角の上り坂辺りで手が動いて下りで勢いをつけたいところだが後退気味。そのまま4角では一気に飲み込まれて後方に下がってしまう。そのまま直線で大外に持ち出すがもう脚はなく惨敗。

 勝負に出たなという競馬だったんだけどね。結果的に3角で前が加速するところで動きたいのに全く動けなかったというのが直接的な要素ではある。その敗因としてはやはりこのペースで3000mを前目で進めて甘くなったと考える方がいいだろうし、そうであればあまり前半無理ができないと。前走のステイヤーズSでも後方からの競馬で外から進めて自分の脚は使えたんだけど、今の時点ではそういう競馬しか難しいのかなという感じはする。

ステイヤーズS(GII)4着

中山芝内3600m良 13頭5枠6番
3:46.5(+0.4) 62.8-103.1(FA12.89)-60.2 S^3
13.5 - 11.7 - 12.9 - 12.4 - 12.3 - 13.0 - 13.4 - 13.9 - 13.7 - 12.3 - 12.6 - 12.2 - 12.0 - 12.1 - 11.7 - 11.5 - 12.0 - 12.9

 ステイヤーズSはいくらか復調の兆しを見せた一戦。展開の紛れがあったレースで、ネイチャーレットやエイシンクリックが2周目のスタンド前で動いてからは割と淡々とした流れ、それまではスローという感じ。エイシンが途中から捲って単騎逃げの形に持ち込んだので難しいが、恐らく3角手前ぐらいから速いラップを要求されていてここでのロスは影響したと思う。3角手前ぐらいが最速だろうが、実質的に見てそれより前からエイシンが飛ばしているので後ろの馬もロンスパになっていると思うし、後半のポテンシャル特化という競馬だったかな。

 6番枠から出負けして後方から押しながら中団馬群の中目に入り込もうとする。1周目は中団やや後ろで内目を通していたが、2周目スタンド前で後ろの各馬がスローを見切ってポジションを上げていく流れになり、相対的に後方に下がる。向こう正面でも後方外目でアルバートを追いかけながら3角。3~4角でもアルバートが外から動いていくところで置かれ、4角では大きく大外に振られて直線。序盤での伸びは地味だが前が早仕掛けでラップも大きく減速、ここで中団からL1でぐんと突っ込んできて4着確保。

 まあ悪くはないんだけどね。ただ3~4角で前を追いかけて速いラップをある程度求められていて、そこで外外になってしまうと速度的に足りないし4角で大外に振られてしまったのもかわいそうだったがちょっと位置取りが悪くなりすぎた感じ。まあ外からスタンド前で動かれたし、そこで一緒になってある程度押し上げてという選択が欲しかったとは思うし、3~4角でペースが上がってから大外ってのも選択としては最悪に近い。それでもL1のバテ差しで突っ込んできたところを考えると、減速基調でやっと差し込める馬という認識は必要なんだろうなと。ペースどうのこうのというよりは、前が明確に落ちてくれないと差せないタイプなんだろうと思う。ダービーでもそうだが速いラップ自体はそれなりには踏めているんだよね。前が減速してこないと差せないだけで。ここでは超ロンスパになったのもあるし恐らく実質的に2番手以降にとっては捕まえに行って差を詰め始めたL4ぐらいが最速だったと思う。L1が12.9と明確に減速したからこそというのはあるのかなと。ロス自体はかなりあったと思うんだけどね。まあステイヤーズSのレベルは正直疑問視しているんだけどね。前が落ちてくるかどうかとあまり加速が求められないほうが良い。その点がカギやね。

ダイヤモンドステークス2020への展望

 一応今回のメンバー構成の中ではステイヤーズS最先着馬にはなる。後半のポテンシャル勝負で前が大きく落ちたところでのバテ差しにはなるが、3~4角で外からロスがあったのはかなり響いたと思うし、単純なポテンシャルだけなら今回のステイヤーズS組の中では一番と言って良いと思う。ただ、もちろんだがララエクラテールやヴァントシルム、劣化したリッジマンとかその辺との比較なわけで、勝ったモンドインテロやアルバートも含めて長らく長距離路線で頑張ってきたおっさん2頭に完敗している。もちろん例年に比べるとレベルは低かったと判断すべきだろう。馬場適性の差もあったと思うが、東京3400の舞台でとなると…という感じはあるけどね。

 相手関係は今回もかなり楽な方だと思うし、ここ最近の長距離重賞路線はかなりレベルが下がっているので通用しちゃいそうな感じはする。が、やはり東京の長距離戦となると中山ほどには各馬の動きが小さくなりやすい。2周する中山と1周半の東京だと動けるポイントもそれだけ違ってくるからね。ステイヤーズSみたいに超ロンスパになって前に目標がいてそれを捕えに各馬が3角手前から動いて早仕掛け、とかならいいだろうが…普通の流れになれば東京だとL3最速でも明確な加速が求められる。弥生賞にせよステイヤーズSにせよ、後半地点で加速がほとんど求められなかったし消耗してのバテ差し。タイプとしてみても府中は本質的には適性的に合わないんじゃないかなと思う。上位勢との能力差がそんなにあるわけではないけど、出し切れないと始まら無い馬なのは確かだし良馬場なら標準ぐらいの馬場…と考えるとある程度速いラップも覚悟しないといけない。現時点では消す可能性が高い一頭かな。

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