川崎記念 2022 出走予定馬:カジノフォンテン&張田昂騎手想定

第71回 川崎記念(JpnI)出走予定馬展望

日程:2022年2月2日(水)
コース:川崎ダ2100m

カジノフォンテン(張田昂騎手想定)

 昨年の川崎記念で圧倒的な逃げ切り勝ちを収めている地方の雄カジノフォンテンが今年は連覇を懸けて出走予定だ。ただ、昨年春までの快進撃が嘘のように帝王賞、JBCクラシック、チャンピオンズカップと本来の走りが途切れてしまっている。快走を見せた舞台でよみがえることができるか?

 川崎なら或いは…とは思うんだけどね…。ただ、ここまでカジノフォンテンらしい良さが全く見せられていないし、今回もなんだかんだ言ってそこそこ人気しそうなんだよなあ。でも、昨年だけ走れれば千切っていいだけに判断が非常に難しいところ。個人的にはここまでずっと追いかけ続けているというのもメンタル的に難しい部分ではある。

川崎記念(JpnI)1着

川崎ダ2100m重 10頭1枠1番
風向き:東4.3m/s(羽田16:10)
2:14.9 64.8-63.2 S^2
6.7 - 11.3 - 13.1 - 13.8 - 13.0 - 13.8 - 13.8 - 11.9 - 12.3 - 12.6 - 12.6

 まずは昨年の川崎記念勝ちから振り返るべきだろう。この時のラップのインパクトが個人的に凄かったかな。ペースが遅かったのもあるが、L4最速から3~4角でそんなに落ちてないんだよね。速度に乗ってもここで減速が顕著になることが多いのに、これで速度が落ちないとなると相当左回りでのコーナリングが上手いタイプ、しかも超小回りでも速度の減速を最小限にできるタイプだなと。正直これは結構驚いたし、これがなければいつまでも追いかけないんだけどね。風は東からなのでHSが完全追い風、BSは完全向かい風になる。

 1番枠からまずまずのスタート、そこから押してハナを主張し楽に主導権を取り切る。そのままスタンド前でもコントロールしながらペースを落として1馬身半ほどのリード。向こう正面でも余裕ある手応えで進めるが、外からダノンファラオがじわっと詰めてきたのでこのあたりで手が動いて3/4差ほどで3角。3角でも馬なりに近い形なのだがこれで楽に後ろを離しつつ、4角で軽く追われて1馬身半差で直線。序盤で右手前に換えて2馬身半差。L1でオメガら2着争いを尻目に突き放しての3馬身差完勝。

 ちなみに3着がダノンファラオで4着がここにも出てくるタービランス、5着がミューチャリー、6着がロードブレスと結構強敵ぞろいだったとは思う。オメガがややパフォーマンス的に落としていた時期だとみているが、それでもこれらを全く寄せ付けなかった。個人的に面白かったのが3~4角やね。他が押っ付けながらなのに対してこちらはコントロールして速度を維持するような感じの走り。急コーナーの川崎でここまでコーナリングで速度を落とさないというのは過去のラップ推移を見てもなかなかないな…という競馬だった。直線での再加速には持ち込めていないが、コーナーのラップが川崎としてはかなり速いのもあると思う。実際ここで離していたからね。この競馬ができるなら今回のメンバー構成でも普通に完勝していいだけのパフォーマンスだと思っている。なのでどちらかというと焦点は体調面なのかな。

帝王賞(JpnI)10着

大井ダ2000m重 13頭4枠5番
風向き:北東1.2m/s(羽田20:10)
2:05.2(+2.5) 60.8-61.9 H^1
12.1 - 11.6 - 12.1 - 12.5 - 12.5 - 12.3 - 12.3 - 12.9 - 12.0 - 12.4

 昨年の帝王賞ではもうすでにちょっとおかしくなっていたかもしれんね。高速ダートでペースが速かったというのもあるが、崩れた。L3-2で12.9-12.0とギアチェンジも求められたが本来それ自体は特に全体で流れたというのもあるが…。風は北東からなので4角地点が完全向かい風になる。

 5番枠から五分のスタート、少し二の足で苦労して押されてハナを取り切る形。道中もダノンファラオが突いてくる中でペースを落とせず3角。3~4角でもまだ持ったままで直線手ごたえ良く。序盤で追われて左手前に換えるがここで動けないまま手応えに反してすっと交代すると、後はずるずる下がった。

 手応え詐欺だったな…というぐらい4角から直線で動けなかった。ここで1秒近い加速度…ギアチェンジをかなり求められたが、その前に全体で結構流れていたというのはある。そこで脚を使った部分もあるとは思うが、この時点から既に下降線だった可能性というのは残念ながら否定できない。少なくともここから別馬のように崩れることが続いているからね。東京大賞典2着の実績はあるがドスローの2F戦に特化していて参考にしづらい面はあるが…それでもここまで負けると。道悪で前半基礎スピードの質的なものを求められたのも良くなかったし、いろいろ言い訳できる部分もあるが。高いレベルでは左回りでのコーナリングで良さが出ているというところからも。ただこれだけならまだしもずっと良くないからなあ。

チャンピオンズC(GI)10着

中京ダ1800m良 16頭1枠2番
風向き:北北東1.6m/s(大府市15:30)
1:51.7(+2.0) 49.3-48.3 S^1
12.5 - 11.1 - 12.9 - 12.8 - 12.1 - 12.3 - 12.2 - 11.8 - 12.0

 前走のチャンピオンズCも期待したんだけどね。左回りでのコーナリングも含めて、狙うならこのタイミングと思ってこの負け方。まあそもそも坂スタートでスッと出られず逃げられなかったのもあるとはいえ…。風は北北東からなので3角地点が完全向かい風。

 2番枠からまずまずのスタート、そこから促してというところで外から各馬が来たので無理せず3列目の内。そこから上手く2列目のスペースを詰めながらソダシの後ろで3角とこのあたりまではプランBとしてはまずまず。3~4角でもソダシの後ろを通しながら直線。序盤で右手前、狭くなったのもあるが最内を突こうとして伸びあぐねる。L1も良いところなくの10着完敗。

 逃げられなかったという言い訳も利くのは聞くんだけど…とはいえ負け過ぎというのはここ3走と変わらない。正直左回りでのコーナリングで期待していたので、3~4角でそこそこ速いラップを踏んでL2のもう一段で動けなかったとなるともう本当に終わってしまったのかなという気持ちの方が強いね。正直ここはかなり期待していたし、左回りで3~4角でも立ち回りは良く運べた。もともと直線での加速もできていた馬なのでここまで甘いとなると…というのが率直な感想かな。

川崎記念2022への展望

 もちろんあの川崎記念のインパクトは確かだし、ラップ的にみてもあの急コーナーの川崎であそこまで減速をとどめてコーナリングで勝負できていたこと、また船橋のかしわ記念でも淡々と運んでスパイラルカーブでのコーナリングでの勝負でしぶとかったりというところからも、左回りは合うとはは今でも思っている。大井の東京大賞典ではギアチェンジで良さが出たが、64.9-62.0と超スローだったし、12.7 - 12.6 - 12.7 - 11.6 - 12.4と直線だけの2F戦だった。これで直線番手で左手前に換えて加速してきたという感じなので、左手前での良さだと思う。コーナリングでは大井も急コーナーだがそこまで速いラップでないのはL2最速と比較しても…という感じだからね。高いレベルでは左手前で負荷がかかったときの方が強い競馬ができているとは思うし、とにかく川崎でのコーナリングのうまさは昨年で驚かされたのは事実。

 ただ、ここまで3走を見て感じたのは、良いころとは全く違う…と考えるしかないのかなと。もちろん細かい部分で言い訳できるところもなくはないが、全く抵抗できずに終わってしまっているところを考えても…全盛期、昨年の川崎記念のパフォーマンスを追いかけすぎるのは危険かな…という感覚ではあるね。長距離戦ではスローで安定してきたが、JBCクラシックでも崩れてしまっている。右回りのコーナー勝負というのが合わなかったかもしれんが、チャンピオンズCもこんな感じ。ゆったり運んでマイペースならという怖さはもちろん残っているけど、近走の内容が酷いうえにそこそこ人気しそうなら…という感じやね。まあ俺の本命という呪いが解けた瞬間に鮮やかに復活することも多いので、カジノフォンテンのためにも外してやろうか…というぐらいの気持ちで見たい。まあ押さえるかどうかなら選択肢に入るが、良くて単穴までかな…。

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