【無料公開対象】朝日杯フューチュリティステークス 2021 出走予定馬:ドウデュース&武豊騎手想定

第73回 朝日杯フューチュリティステークス(GI)出走予定馬展望

日程:2021年12月19日(日)
コース:阪神芝外1600m

ドウデュース(武豊騎手想定)

 新馬戦、アイビーステークスと無傷の2連勝でここまで来たドウデュースが武豊とのコンビで朝日杯フューチュリティステークスに出走予定だ。競馬会の七不思議といっていいが、まだ武豊が手に収められていないGi。積年の思いがこもるこの舞台で、センス抜群の若駒が名手に待望のタイトルをプレゼントとなるか。

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 豊の中央GI完全制覇という偉業まであと2つ…特に豊がデビュー時からあるGIに限ればもうこの朝日杯だけではあるんだよね。毎年この話題をされつつもなかなか手が届かないというのがもどかしいけど、引退前に何とか朝日杯だけは制してほしいというファンの願いはあるかも。今年がそうなれば良いが、そう簡単ではないというのが本音かな。今年はメンバー構成が結構混戦ではあるけど、面白い馬も多いからね。

2歳新馬戦1着

小倉芝1800m良 13頭8枠13番
風向き:北東1.6m/s(空港北町12.30)
1:50.2 51.3-46.5 S^5
12.9 - 12.6 - 13.2 - 12.6 - 12.4 - 12.2 - 11.8 - 11.4 - 11.1

 新馬戦から振り返りたい。小倉の1800m戦で良馬場、最終週ではあったが高速馬場でペースはドスロー。そこか後半勝負だがL1最速とかなり速いラップを直線ラストで刻んでいることになる。風は北東方面からなので3角地点が完全向かい風となる。まあそこまで強い風ではないが。

 13番枠から五分のスタート、そこから軽く促しつつだがあまり前には進んでいかずに長めに促して1~2角で好位、2列目外というような感じで進めていく。道中もドスローなので割と楽に追走。3~4角で先頭列の外までもっていきながら楽な手ごたえで半馬身差ほどの2番手。直線でそこからしぶとく伸びて並びかけ、L1で粘りこむガイアフォースを捕え切ってのクビ差の勝利。

 基本的にはL1最速でしっかりと捕えているしその点で期待感が高いのはわかる。ただ、当日は最終週でもかなり時計が出ていて、2勝クラスの筑後川特別が同じ1800で1:47.8ながらL1が11.1ということを踏まえても、またこのラップで2馬身差を差してきたジェラルディーナ程補正するレベルでもないかな。ジェラルディーナはインパクトがあったが上がりが示す通り3~4角でもある程度脚を使ってのもの。対してこちらは上がり自体は34.1が示すようにL3が遅かったからのL1最速なので、このラップそのものはさほどインパクトはない。ジェラルディーナのようにこれでL1で2~3馬身後ろから捕えたとかなら話は別だが、L1の段階ではもう先頭列だからほぼほぼレースラップ通りだと思うし、そこまでかな。それよりも気になったのが前半の基礎スピードの質。外枠で難しかったとは思うけど、入りが51.3は馬場を考えると相当遅いし、もうちょっと楽に前にリカバーできても良い流れだったかなと。距離を延ばせば?という気持ちはあるが、距離が短くなるのはあまり歓迎できないだろうなという感覚が強かったかな。まあそういう点では前走のアイビーSはある程度変身してきたので少し驚いた部分もあるが。

アイビーS(L)1着

東京芝1800m良 8頭4枠4番
風向き:北2.3m/s(府中市14:40)
1:49.3 48.7-47.7 S^1
13.0 - 11.0 - 11.9 - 12.8 - 12.9 - 13.2 - 11.5 - 11.2 - 11.8

 前走のアイビーSは前半部分をいくらか改善させてきたかなと。ペースはややスロー程度。この流れである程度前目につけられた。ただ中弛み顕著で中盤は13前後を刻むような流れ。そこからのL2最速11.2からL1は11.8と落としている。馬場が富士S当日で標準より少し重くややタフぐらいというのもあるが、中弛み顕著だったのも基礎スピード面で足りないところを補えた要素ではあるかな。風は北からなので3~4角が向かい風となり、これも中弛みに影響したかな。

 4番枠からまずまずのスタート、そこから様子を見ながら進めて外のケッツァーを行かせてコントロールしつつ最終的には3列目の外でという感じ。3~4角で前のルージュラテールを見ながら中弛みで仕掛けを我慢。4角でルージュの後ろから出口で外に出す。序盤で少し内に刺さるような感じになるが馬なりで楽。L2で追い出されてここですっと伸びて先頭に立って1馬身ちょっとの差。L1でもしぶとく踏ん張って外から伸びてきたグランシエロにクビ差まで詰められるものの振り切った。

 まあこれをどこまで評価するかやね。前を取れたというのは一定の評価が必要だし、少なくとも新馬戦の入りの2F25.5からここでは24.0まで上がっている中でコントロールしながら3列目なら問題ないと思う。ポジショニングという点では大きく改善した。ただ、前半は48.7程度なのもあるが中盤で極端に中弛みしている。そこでコントロールしながら要所ですっと動けていたし、ギアの上げ下げが上手いタイプだなというのは感じたが、一方でL1はちょっと甘いなとも。グランシエロに結構詰められたが、このグランシエロが東スポ杯では素材面で足りなかったからね。正直その点を踏まえてもこのアイビーSはあまり高く評価できない。

朝日杯フューチュリティステークス 2021への展望

 まあ正直言ってここで狙いたいとは思わない馬ではあるかな。もちろんいいものを見せている馬だとは思うが、評価をするならギアの上げ下げが上手い中長距離型という感じかな。ポテンシャルが求められたときに分散しても良さが出れば長い目で見れば面白いと思う。ただ、現状阪神マイルでとなると、今のところ決定的な武器に欠けるかな。阪神マイルだと基本的に47前後は最低見ないといけないし、前走アイビーSでは新馬から比べれば明確によくなったとはいえ48.7の中でのポジション取りになった。おそらく今回のメンツで先行勢が結構手ごわそう…と考えるとここまで前は難しいだろう。良くて好位、中団をとってくればという感覚。

 そのうえで、やはり量的な面で無酸素運動を維持するというところに懸念はある。小倉での新馬戦はL1最速で底を見せなかったといっても仕掛けが遅かったのが大きいし、馬場も軽くてL1最速そのものを殊更に取り上げるほどのインパクトではない。前述している通りというところ。まあ現状ギアチェンジがいいのかゆったり加速させてロングスプリントに持ち込む方が良いのか、まだ判然としない。が、ここ2走のパフォーマンスは個人的にはそこまで評価していないし、やはりマイルで流れて基礎スピードが求められるか後半のロングスプリント性能で高いレベルか。このどちらかは軸馬には欲しいと思っているので、少なくとも重い印を打つことはないと思う。坂の登りの加速も良かったし、中京2000とかで走らせたら面白そうなんだけどね。

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