紫苑ステークス 2021 出走予定馬:エクランドール&ルメール騎手想定

第6回 紫苑ステークス(GIII)出走予定馬展望

日程:2021年9月11日(土)
コース:中山芝内2000m

予想用・出走予定馬一覧

紫苑ステークス2021の予想用・出走予定馬一覧

エクランドール(ルメール騎手想定)

 新馬戦、1勝クラス戦と東京のワンターンに近い条件で鋭く抜け出して2戦2勝無敗のエクランドールが紫苑ステークスに出走予定だ。今回は初の中山が舞台となるうえに、重賞馬も含めて相手が一気に強化される。輝ける宝石の原石が本物かどうか、ここがまさに試金石の舞台だ。

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 まあ、正直言って未知数な面の方が圧倒的に多いし、正直言って現時点ではかなり過剰人気しそうな印象だよね。賞金的に多分大丈夫だとは思うけど抽選対象。一応紫苑S展望の先出し的な感じで2走を振り返っていきたい。

3歳新馬戦1着

東京芝1800m良 16頭8枠16番
風向き:北1.9m/s(府中市13:00)
1:51.0 51.4-46.6 S^5
13.2 - 12.1 - 13.0 - 13.1 - 13.0 - 12.9 - 11.7 - 10.9 - 11.1

 新馬戦から振り返りたい。東京1800m戦でペースは見ての通りのドスロー。新馬戦としてみても3歳には入っている中でかなり前半が遅く、直線勝負も2F戦に近い感じになっている。L4-3-2で12.9-11.7-10.9とかなり加速していてギアチェンジが求められた一戦なのは言うまでもないかな。府中にしては珍しく北からの風が吹いていて、これが3~4角中間で完全向かい風になる形。

 16番枠から五分のスタート、大外枠で促しながらだが序盤は先行争いに入っていけずに好位の外まで。道中も前にスペースを作りながら中団の中目に近い位置で促して入っていく感じ。3~4角でも中団の外目で前に手ごたえの良いホウオウサミットがいたのでそれを追いかけながら促して4列目付近で直線。序盤で外に出して3/4差ほどのホウオウサミットを追いかけるがL2ぐらいまでは差が詰まらず、それでも2番手には上がってくる。L1で3/4差ほどあったホウオウサミットを競り落とす形でハナ差の勝利。

 まあ後半の無酸素運動の競馬、という点で見て量的には上回ってきたと言っていいんじゃないかな。3着以下は3馬身半も離しているし、素材面としてはひとまず評価できる内容だったと思う。2着のホウオウサミットも未勝利を即勝ち上がり、夏の恵山特別も勝って1勝クラスを卒業したからね。ただホウオウサミットの場合はペースが上がってもやれたというのはあるし、こちらが上がってやれるかは何とも。前半の入りもかなりルメールが意識的に押っ付けてようやく流れに乗った感じはあるし、直線での反応も悪くはないがホウオウサミットとの比較でみてラストの減速で落とさず差し込んできたというところが評価のポイントになる。ホウオウサミットはともかく、3着以下はレベル的には低調なので過度に評価するのは現時点では危険だろうと。底は見せなかったし、10.9の地点で先頭との差は詰めていたので恐らくそれ以上の切れ味は発揮してきた。新馬戦としては後半特化で素質の高さを見せたと言っていいと思う。

3歳1勝クラス戦1着

東京芝2000m良 8頭6枠6番
風向き:南南東5.7m/s(府中市13:30)
2:00.4 61.8-58.6 S^3
13.1 - 12.3 - 12.3 - 11.8 - 12.3 - 12.3 - 12.3 - 11.4 - 11.0 - 11.6

 そこから休養を挟んで使った前走の1勝クラス戦だが、正直地味だったかな。ここでもペースが遅く新馬戦程極端ではないが3.2で超スローとなっている。そこからのL2最速で11.0とトップスピード戦ではあるが…ラストはちょっと落としたのと、当日の馬場が超高速馬場だったことを踏まえても…かな。風は南南東からなので4角地点が完全追い風となる形。

 6番枠からやや出負け、そこから促しつつだが後方に下がる形になる。ただそこから押していくとスイッチが入って3番手まで一気に押し上げコントロール。番手のセンナリの後ろから我慢しようとしていたが難しいので逃げ馬に競りかけていってペースを少し引き上げさせその後ろで折り合わせるルメールらしい競馬。そこから少し息が入ったがここでは折り合っていて3~4角でも逃げ馬を目標にしながら直線に。序盤で3/4差ほどあったが軽く追われてジリっと伸びてここで先頭に立つ。L2で追い出されてしぶとく抜け出しにかかるが2列目勢が食らいついてくる感じ。ラストは内からテンカハルもじわっと詰めたが3/4差で振り切った。

 まあ内容的にはルメールが超スローのうちに押し上げちゃってペースを引き上げさせて折り合わせるというよくやるパターンで上手く緩い内に前を取ったなという感じ。ただ、府中でこの頭数でドスローだったので良かったけど、中山2000の1周コースだとどうしても押し上げるポイントが向こう正面になるし、多頭数になるからね。正直入りの2Fが13.1-12.3で25.4とかなり遅いところでこの感じだと前半のポジショニングを期待するのは流石に難しいと思うけどね。掛かり気味に押し上げたけど前半3Fが37.7だから体力的なロスはさほどなかったと思うし、中盤もペースが落ち着いて後半5Fでも58.6程度。そこから3F勝負で最速11.0。1勝クラスとしてみても正直評価が難しい所かな。後半の素材面という点でも地味で、上位各馬のその後と言っても低調な感じ。ペース自体は遅いのだがそれでも前半で詰めたことで稍後半の素材面で物足りない部分が出てきたからね。

紫苑ステークス2021への展望

 血統的にはフィエールマンの全妹になるのでその辺の期待はあるが、今のところ前半部分がネックすぎるね。そのうえでポテンシャル面や基礎スピード面が未知数だし、重要な前走東京2000で緩いタイミングで押し上げながらパフォーマンス的にインパクトを残せなかったからね。春の実績組もそこまで揃ってないので食い込むチャンスもあるんだけど、まずゲート、二の足が現実的にここまで遅いとレースの流れに乗っていける可能性が低い。

 開幕週の中山2000で後方で前にコントロールされてどうなのかだし、向こう正面で押し上げる形を狙うにしても前がペースを落としていることが条件になるからね。またこの馬自身有酸素運動の競馬が未知数になる。血統的にフィエールマンそのものだと思えばクリアできるかもしれんが、他の兄弟を見ても特に牝馬はあまり走っていない印象だし何ならフィエールマン以外は安定していない。混戦とはいえ古馬相手に結果を出している上がり馬、1周コース適性を既に見せている実績馬と穴目の候補は枚挙に暇がないレースと思っている。現状それらを押しのけてまで人気で狙うべきなのかどうかやね。自分としてはここで1,2番人気になるようなら切るつもり…。

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