新潟記念 2021 出走予定馬:ラインベック&津村騎手想定

第57回 新潟記念(GIII)出走予定馬展望

日程:2021年9月5日(日)
コース:新潟芝外2000m

予想用・出走予定馬一

新潟記念2021の予想用・出走予定馬一覧

ラインベック(津村騎手想定)

 久々の芝のレースとなった前走の江の島ステークスでは上がり33.0を繰り出しての鮮やかに逃げ切り勝ちを収めたラインベックが新潟記念に出走予定だ。もともとはクラシック戦線を戦ってきた実力馬だがなかなか安定せず、ダートでもその傾向は変わらなかった。今回は相手も強敵となるが、自分のリズムでしっかりと運べるかが焦点だ。

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 まあ正直言ってここは危ういんじゃないかなと思っているけどね。ドスローだとしても簡単ではないし、ペースが上がると崩れる傾向だから…基本的にはあまり信頼しない方が良いとは思っている。人気が無ければドスローの一足要員でヒモで引っ掛けるところまで考えても良いとは思うが…。

江の島S(3C)1着

東京芝1800m良 8頭8枠8番
風向き:南南東2.6m/s(府中市15:50)
1:46.5 49.4-44.9 S^4
13.0 - 11.6 - 12.4 - 12.4 - 12.2 - 11.9 - 11.1 - 10.8 - 11.1

 前走の江の島Sから当然見ていきたい。ペースは見ての通りのドスローで、直線だけの競馬。L2最速で10.8だがラストまで落とさずという内容。ラップ的にはインパクトはあると言っても、当日は超々高速馬場で最終レースの1勝クラスが東京マイルで45.5-46.5とはいえ1:32.0を出してしまっているからね。あてにはしづらい。風は南南東からで4角地点が完全追い風、HSも左側からではあるが追い風気味だしその辺もあったかなと。

 8番枠から五分のスタート、二の足でじわっと促しつつハナを主張、内の各馬を見ながらコントロールしつつじわっとシングフォーユーの前に出る形でドスローに落とし込む。道中もドスローの団子、3~4角でも我慢して仕掛けを待ちつつ4角出口で追い風を受けて軽く仕掛けて3/4差。序盤の加速ではまだいまいちで半馬身差だが坂を上り終えてからL2途中で抜け出して1馬身差。L1で食らいつくシングフォーユーを振り切っての1馬身差完勝。

 前の2頭で決まったレースだし、極端なドスローでのギアチェンジが伴うトップスピード戦という展開はラインベックの得意な競馬だったからね。これは中京2歳Sとかでもそうだが、L2最速で加速が坂の登りで求められてスッとという競馬でインパクトを残していたわけで。その辺が噛み合った一戦だったと思う。また8頭立てで頭数も少なく逃げ馬も不在。外からじんわりとレースを作れたのも楽だったかな。こういう形でペースをコントロールしての一足が噛み合えば…という面はあるんだが、本質的に前半であまり無理が利かない印象なのでその辺だろうね。2着のシングフォーユーが佐渡Sで流れたとはいえ完敗だったし、特殊過ぎる流れなのであまり参考にしない方が良いとは思う。まあドスローになれば瞬間的なトップスピードの質はそこそこ持っているけど、坂の登りでの加速が求められた方が良い感じはするしね。

皐月賞(GI)15着

中山芝内2000m稍 18頭7枠15番
風向き:東北東3.8m/s(船橋市15:40)
2:02.4(+1.7) 59.8-60.9 H^1
12.2 - 11.3 - 12.1 - 11.8 - 12.4 - 12.9 - 12.2 - 11.9 - 11.8 - 12.1

 3歳時では皐月賞で惨敗を喫している。ペースがややハイ、馬場が稍重で時計が掛かっていた中でパワー型基礎スピードを求められたというのはあるんだが、ここで自分の形を作れずに失速が早かった。少なくともタフな馬場での有酸素運動的な競馬での適性面では脆かったなと。風は東北東からなので中山だと3角地点が完全追い風になる。

 15番枠からまずまずのスタートを切ってそこからコントロールしながら進めていくが内の各馬が速く好位の外目。道中も単騎逃げでキメラヴェリテが進める中で離れた好位で我慢しつつ3角。3~4角で好位の中目で進めているが4角で手ごたえが怪しくなって直線でも追い出されるが中団から伸びを欠いてジリジリ後退。L1の坂の登りでもじわっと後退しての15着完敗。

 まず前が本気でレースを作りに来たときに流れに入っていくところまで行けなかった。この馬の位置だと平均ぐらいのバランスになるはずだが、これで消耗して失速しているので何とも言い難い。恐らく前半でバランス的に消耗してしまった可能性が高いだろうと思う。この馬は質的にはともかく、バランス的に前半の方がウエイトが大きくなると難しくなる印象なんだよね。持ち味は要所の一足の鋭さで、スローでそれを高めてくるのと坂の登りで引き出す形が合っていると思う。有酸素運動的な競馬でもホープフルSではそれなりにやれていたんだけどね…コントレイルとの比較でみてもかなり離されてしまったし成長の過程であまり有酸素運動的な能力がついてこなかったのかな。この世代はあまり有酸素運動が得意な馬がいない印象だし、だからコントレイルが三冠取れちゃった感じではあるからね…。まあ新潟2000だとそこまで関係ないとは思うが。

NHKマイルC(GI)8着

東京芝1600m良 18頭5枠9番
風向き:南南西7.5m/s(府中市15:40)
1:33.1(+0.6) 46.0-46.5 M
12.3 - 10.4 - 11.4 - 11.9 - 12.0 - 11.3 - 11.2 - 12.0

 NHKマイルCでは8着と悪くはない競馬。ポジションは取れなかったが平均ペースだったし中弛みもあったので前半でそこまで無理がなかったのと、坂の登りでの加速が求められたのもフィットしたかなという感じ。風は南南西で3角地点が完全追い風、直線では左からではあるが向かい風になるし映像的にも結構吹いていたかなと。

 9番枠から五分のスタート、そこから促しつつだがあまり前には進んでいかずに中団からの競馬となる。道中も無理せずに中団の中目で進めていたが3~4角で中弛み気味となって好位の外に押し上げつつ直線となる。序盤で3列目から少し接触を受けて立て直しつつL2の坂の登りでジリジリと食らいついて好位列の一角はキープしている感じ。ラストはジリジリとなだれ込んでくるが掲示板争いまでの8着完敗。

 まあそこまで悪くはない、という感じやね。前半で無理をしなかったことで後半の末脚をある程度は引き出してきたと思う。ただ、見ての通りある程度…だし、最速11.2で前目にスッと出し抜かれて勝負にはならなかったようにこの流れに乗って鋭さが削がれた面はどうしてもあると思う。また、基礎スピードを質的に求められたときにシンプルについていけなかった。入りの3Fが34.1なのでマイル戦としてみても結構速いし仕方ない面はあるけど、それでも2列目とかじゃなく中団でとなると…やね。正直レースの展開次第だけど、あまり無理せずに運んだ方が良いと思う。

新潟記念2021への展望

 まあ展開次第ではチャンスもあるかな?とは思うけど、それでもスローのトップスピード戦としてみても前走のパフォーマンスだけでここで一気にとは正直思わない。ロングスプリント型としてみてもザダルやショウナンバルディといった同型が手ごわいからね…。特にショウナンバルディはラインベックと適性的に見てもほぼ近いので、スローのトップスピード戦・ロングスプリントまで分散したとしても、正直簡単ではないかなと。ただ、好走するならスローで前目を確保しているときだと思うし、平均ペースまで上がったとしても少し離れた2,3番手ぐらいで進めれば怖さはあるかなと。

 ただ、今回はトーセンスーリヤがいるのでこれがある程度レースを作ってきた場合は結構怪しい。トーセンは基礎スピードを求められて良さが出るタイプだからね。これがペースを上手く作ってきてとなるとだし、新潟大賞典を勝った時のようにロングスプリントに持ち込まれると、そこまで量的に高いパフォーマンスを見せられていないラインベックだとついて行く形では甘くなる可能性が高いと思う。本質的には加速の一足が武器で、スローになるほど切れるタイプなのは中京マイルの新馬戦での12.1-10.7-11.2の加速の切れ味からも感じるところ。新潟記念の場合はドスローになることも無くはないので、そのパターンでの警戒は一応しておくけど、現状上位人気ならやはり基礎スピード面でのリスクの方が気になるね。トーセンスーリヤも逃げて結果を出したことはないので譲ってくれてスローに落とせれば面白いけど。BSで向かい風でも吹くような状況(新潟だと東北東からの風)ならペースも落ち着く可能性は出てくるし警戒度を上げるつもり。

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