オールカマー 2021 出走予定馬：レイパパレ＆川田騎手想定

第67回 オールカマー(GII)出走予定馬展望

日程：2021年9月26日(日)
コース：中山芝外2200ｍ

予想用・出走予定馬一覧

レイパパレ（川田騎手想定）

　新馬戦から時間はかかりつつも連勝街道まっしぐら、大阪杯でGIを制したレイパパレがオールカマーに出走予定だ。宝塚記念では古豪クロノジェネシスのきつい洗礼を浴びる形で３着と連勝はここでストップ。もちろんここからが真価を問われる、敗北を覚えた名牝が更なるステップを駆け上がっていけるか。

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　基本的に基礎スピード色が強い競馬の方が良いとは思うんだけどね。今回は近年のオールカマーとしては結構揃ったなという印象なので、ここで川田がどこまで強気に前をつつくかだろうね。ロザムールやステイフーリッシュと言ったところに対してどういう競馬をしてくるか。

大阪杯(GI)１着

阪神芝内2000ｍ重 13頭６枠８番
風向き：東北東3.3m/s(豊中市15:40)
2:01.6 59.8-61.8 H^2
12.4 - 11.1 - 12.1 - 12.1 - 12.1 - 12.8 - 12.2 - 12.1 - 11.6 - 13.1

　まずは２走前の大阪杯を振り返りたい。コントレイルやグランアレグリアという強敵が参戦してきたが、そもそも重馬場でかなりタフな馬場、ペースもかなりのハイペースということでパワー型基礎スピードを強めに求められた一戦に自ら持ち込んだ。そこからＬ２最速11.6の一足で抜けてきたという印象で良いと思う。風は東北東からなので４角地点が完全追い風。

　８番枠からやや出負けしていたのだが、コントロールしつつじわっとスピードに乗せて二の足でハナを主張するとしっかりと取り切ってレースを作っていく。道中も大きくペースを落とさず淡々と運び、３角手前で少しペースを落とした程度。そのまま３～４角で再び12秒台前半でペースを作りつつ、４角でも最短距離から徐々に外に誘導して直線で馬場の良い外、２馬身半ほどリードを取る。序盤でそこから追われてしぶとく踏ん張り２列目勢を寄せ付けない。ラストまで突き抜けての４馬身差圧勝。

　まずはこのペースを作って後続の脚を削ぎ切ったという評価が第一に立つレースだと思う。バランス的にも前後半で２秒も前半が速いわけで、そういう流れを作ったことで前半部分でかなり有酸素運動の競馬で体力が消耗される競馬だったと思う。グランはともかくコントレイルがこの条件で崩れたにはそれなりの問題が生じていたはずで、これはレイパパレの競馬だったというのとコントレイルの弱点が露呈した一戦だったと考える方が良い。そして、それは前半のタフな馬場での有酸素運動…つまりパワー型基礎スピード戦だったと。レイパパレはこのペースからＬ２でスッと加速するラップを踏んできているわけでね。この辺が重要で、やはりペースを引き上げてこそというのが基本的な評価にはなる。ただ、正直に言えば結局２着がこういうパワー型基礎スピード戦にめっぽう強いモズベッロなので、これに４馬身差は評価できるもののコントレイルのパフォーマンスの問題はあるかなとも。昨年宝塚の比較でみてもキセキあたりがここに出ていたら結構いい勝負になっていた可能性は高いと思うしね。なのでメンバーレベル的に見て噛み合った部分はあると思う。

宝塚記念(GI)３着

阪神芝内2200ｍ良 13頭２枠２番
風向き：東北東4.9m/s(豊中市15:40)
2:11.4(+0.5) 60.0-58.5 S^1
12.3 - 11.2 - 11.6 - 12.4 - 12.5 - 12.4 - 12.3 - 11.5 - 11.5 - 11.5 - 11.7

　２番枠から好発を決めてそこからコントロールしながら、内から主張していたユニコーンライオンを行かせる形で番手で我慢、外からキセキも上がってきたがこれは制して２番手で２角。そのまま向こう正面でもペースが落ち着いている中で我慢しつつ番手外で３角。３～４角でユニコーンライオンがペースを引き上げる中で外から楽な感じで追走、４角でも軽く手が動いて並びかけて直線。序盤で一瞬前に出たかな？というところからＬ１で内のユニコーンライオンに抵抗、並ぶ間もなく外からクロノには突き抜けられたが、結局ユニコーンライオンにクビ差の３着と差し返された。

　川田は結構逃げたくないというのを公言しているんだけど、だとしたらレイパパレは合わないんだよなというのをそのまま見せた一戦だと思う。大阪杯の場合出負けして前にという意識から二の足でスピードに乗ったので自然にハナになった感じだと思うし、それを嫌って逃げ馬を行かせてとなるとユニコーンライオンがスローに支配する。こちらが競りかけていく必要があったと思うけど、それが難しかったので60.0-58.5と明確に後半型でしかも分散して４Ｆ戦という競馬になった。ポテンシャル戦に近い中で分散して要所で仕掛けて一瞬は良いんだけど、そこから甘くなったのは単純にこの馬の末脚の絶対量がそんなにないからだとみるべきだろうと。大阪杯ではペースが速い中でも一足を使える良さと、他がそのペースで消耗したことで一気に突き抜けた。ただここは後半勝負でほとんどの馬に余力があった。その中で後半のポテンシャルで量的な勝負をすると難しかったという感覚かな。別に逃げなくてもいいけど、ペースはある程度引き上げないといけない。逃げることで各馬に意識させることもあるし、逃げないと決めるとしんどいタイプだからね。相手が楽なうちはそれでもやれてきたけど、トップクラスはスペシャリストが手ごわい。

チャレンジＣ(GIII)１着

阪神芝内2000ｍ良 11頭６枠７番
風向き：南2.0m/s(豊中市15:50)
1:59.9 62.0-57.9 S^4
12.8 - 11.7 - 12.8 - 12.8 - 11.9 - 12.1 - 11.4 - 11.1 - 11.4 - 11.9

　そのドスローの競馬でもやれちゃったのがチャレンジカップという感じかな。阪神2000でペースも４秒近い超超スロー。後半はロングスプリントでＬ３最速の11.1。無酸素運動を維持する競馬に特化した競馬。まあ、ここは相手も違うというところかな。風は南からなので３～４角中間地点が完全向かい風になる。

　７番枠から五分のスタートだが二の足が違って掛かりながらすぐに番手外まで持って行く。道中もドスローで逃げるジェネラーレウーノに対して終始かかり気味だが番手でレースに乗って３角。３角でもまだ我慢している状況だが流石に難しく並びかけ、４角で仕掛けてこおｋでジェネラーレウーノの前に出てクビ差で直線。そのまましぶとく伸びてここで１馬身差。Ｌ１で後ろの追撃を全く問題とせずの１馬身半差完勝。

　評価が難しいが、２着がブラヴァスで３着がヒンドゥタイムズ。トップスピード戦としてはそこそこ強敵だけどGIでは…というレベルの馬たちだし、それに対してドスローで前を取ってロングスプリントで内目を立ち回ってという競馬ができたのもあるとは思う。まあこれぐらいやれたらトップクラスがいなければ勝ち負けできるとは思うんだけどね。実際宝塚記念でも３着だから連敗が止まったというだけで言うほど悪いわけではない。ただ、トップレベルで勝ち切ろうとするのであれば、前半の基礎スピードを活かさないと難しいかなというのは感じるし、中山2200だとその辺がきっちりできるかやね。まあこれだけロングスプリントでやれれば今回のメンツなら馬券圏内はある程度期待できるとは思うけど、それでも恐らく１番人気だからね。

オールカマー2021への展望

　まあ今回を見てもロングスプリントでも上位には入ってくると思うし、逃げる逃げないは別にして良い位置を取れる馬ではある。なのでレースメイク、仕掛けの両方を間違えない限りはぶっ飛ぶところまでは？というのがまず第一の評価かな。番手外で２～３秒のスローだとしても、Ｌ４辺りから引き上げて４角で速いラップを踏んじゃえば外の馬はそう簡単に押し上げては来れないし、チャレンジＣでも相手が一段落ちるとはいえＬ１で踏ん張って寄せ付けなかったから勝負になる可能性はある。ただ、ベストは基礎スピードを活かしてレースを作ることだと思うけどね。逃げ馬がいてそれを追いかけるとかでも良いが、良馬場ならやはり59秒台では入ってほしい。今の馬場でも2:11.0ぐらいは出るメンツだと思うので、そうなると59.5-12.0-59.5で大体その時計になる。ハイペースまではともかく、平均で運べれば前半部分の素質というのは現役でもトップレベルと戦えるところまでにはいると思う（クロノジェネシスは明確に上だと思っているが）。

　あとは川田の意識やね。逃げを嫌うのは良いが、選択肢として入れるのとそうでないのとは違うからね。大阪杯のように逃げろと言っているのではなく、レイパパレのペースに持ち込んでほしいと。結果それが逃げることもあれば、引っ張ってくれる馬がいての２，３番手でもということもある。重要なのは極端に後半型のバランスにしないことだし、実際宝塚ではあの形でユニコーンライオンに最後で見劣っている。総合的に良い馬だとは思っているけど、トップクラスでも戦える武器は前半の基礎スピードのはず。これを活かす競馬ができるかどうかに注目したいね。特に中山2200はトリッキーで変なレースになりやすい。一番よくないのがスローの団子で２，３番手外につけて３～４角で勝ちに行かざるを得なくなってロングスプリントで内を拾ってきたウインマリリン辺りにやられるパターンやね。そうしないためにも上手くレースを作ってほしいね。その辺も踏まえて最終的に判断したいが、本命は多分打たないと思う。対抗～連下までかな。