ユニコーンステークス 2021 出走予定馬:カレンロマチェンコ&松若騎手想定

第28回 ユニコーンステークス(GIII)出走予定馬展望

日程:2021年6月20日(日)
コース:東京ダ1600m

予想用・出走予定馬一

ユニコーンステークス2021の予想用・出走予定馬一覧

カレンロマチェンコ(松若騎手想定)

 昇竜ステークスでは強烈なハイペースでしっかりと後続の脚を削ぎ切っての勝利を収めたカレンロマチェンコがユニコーンステークスに出走予定だ。1400mでの実績がほとんどという中で東京マイルはチャレンジの一戦。それでも持ち前の基礎スピードを武器にここでも押し切れるか?

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 前走の昇竜Sは不良馬場の中で劇的に基礎スピード勝負になっているんだけど、不良馬場としてはそこまで時計が出ていなかったのでこれ自体は結構優秀だとは思う。ただ、やはりこの競馬は府中のマイルでどうなのか?というところはどうしても考えないといけないね。自分の形を貫くのか、それともペースを落としてやれる可能性に賭けるのか。展開のカギも握る馬だからね…。

昇竜S(OP)1着

中京ダ1400m不 13頭3枠3番
風向き:西北西6.5m/s(大府市14:50)
1:23.6 34.0-37.9 H^4
12.1 - 10.8 - 11.1 - 11.7 - 12.7 - 12.3 - 12.9

 前走の昇竜S勝ちから振り返りたい。ペースは3.9なので超超ハイ、ラップ推移的に見てもL3-2で再加速が起こっていて、西北西からのやや強い風で4角地点が向かい風となっていたのも影響したかなと。その中で再加速でしっかりと押し切ってきたのは評価できるが上がりはかかっているように前半の基礎スピード特化戦に近い。

 3番枠からまずまずのスタート、そこから軽く促しつつ結構楽にハナを取り切るが、外からリメスが中途半端に絡んできてハイペースの流れになってしまう。そのままこちらは無理なく進めていくが、4角でペースダウンしたところで後続各馬が外から絡んで団子状態。それでも先頭から直線の再加速でスッと伸びてデュアリスト以外は引き離す。唯一食らいついてきたデュアリストを最後に振り切っての半馬身差の勝利。

 前半でコントロールしようとしたところで外からリメスに絡まれて激流になってしまったけど、結果的にこれで後ろにも足を使わせることができたので良かったという感覚かな。不良だった割にはそこまで時計が出やすい状況ではなかったし、その中で不良という意識でこの馬も含めて前がかりになったし消耗したと。4秒近い超超ハイだし、ここまで速いと流石に東京マイルでどうか?というのはあるんだけど、この形から再加速ができているので完全に単調な基礎スピードタイプというわけではないかな。それでも後半型の競馬に全く目途が立っていないのはプロパーティオ辺りとの比較でみるとネックだけどね。出足が良かったしハナを取ろうと思えば取れると思う。

3歳1勝クラス戦1着

中京ダ1400m良 12頭6枠7番
風向き:北北西1.1m/s(大府市11:30)
1:24.6 35.2-37.4 H^3
12.3 - 11.2 - 11.7 - 12.0 - 12.5 - 12.4 - 12.5

 2走前の中京1400m戦ではそこまでではないもののそれでも2.2で超ハイペースとなる。後半は12秒台半ばを維持していてL3-2で誤差程度の加速があったがそれよりもL1を12.5でまとめた方を評価したいかな。基礎スピード戦に変わりはないのだが、ラストで突き放しているのが面白い所。風は北北西なので3~4角中間がちょうど向かい風、それでも1.1m/s程度なので影響はほとんどなかったかな。

 7番枠からまずまずのスタート、そこから二の足で楽々抜けてハナを取り切りじわっと内に切ってペースをコントロール。しかし外からピュアブリスも競ってくるので息を入れられないまま3角へ。3~4角でも楽な手ごたえで後続を従えて3/4差で直線。序盤の坂の登りで追われるのだがここでの出しぬいて2馬身半差。ラストも大きく落とさずに後続を寄せ付けずの3馬身差完勝。

 ラストをこのラップでまとめたのは結構優秀だが、3Fで見たときにはそこまで瞬間的に鋭くという感じではないと。このペースを作って後続の脚を削いだ前提が必要になるし、基本的に前半の基礎スピードに依存した形での競馬だったと思う。ただ、当日の3勝クラスでも1:24.1なので結構時計的には優秀だし、ラストも12.5と落とさず運んでいるから意外と多少コントロールしてもやれるかも?というのはある。基本的に距離延長に際してL1で優秀さを引き出している馬の方が対応してくると思っているので、L2の最速ラップは地味でもL1で12.4-12.5という程度でまとめてきたのは評価していいんじゃないかな。準OPは時計は優秀でもL1が13.1と落としているからね。ちょっと不気味さはあるかも。

オキザリス賞(1C)4着

東京ダ1400m良 16頭1枠1番
風向き:北東3.6m/s(府中市14:20)
1:25.5(+0.8) 34.8-37.8 H^3
12.5 - 10.8 - 11.5 - 12.1 - 12.3 - 12.6 - 12.9

 3走前のオキザリス賞ではダートスタートの東京1400でもしっかりとスピードを活かしての競馬はできた。ただダートスタートでこのペースではかなり速かったかなと。3秒の超ハイでラップ的にも全く淀みがなかった。風は北東からなので3角地点が完全向かい風。

 1番枠から好発、そこから促してハナを主張するが、外からプロパーティオが掛かり気味に絡んできてかなり激流となる。3~4角でも淡々と進めて余裕ある手ごたえで直線。序盤で一瞬は振り切って1馬身ほどリードを取るがL2途中で甘くなってここで先頭列に並ばれる。ラストは失速すると前3頭からは少し離されて辛うじて4着はクビ差で死守した。

 ダートスタートでもゲート、二の足ともに優秀だったんだが、外からプロパーティオが掛かって絡んできたのでこれが痛かったかなと思う。東京1400の良馬場でこの時期に34.8はかなり速いと思うし、前の馬にとっては難しい競馬になってしまった。その中でも大きく崩れずに格好をつけてきたし、割と最後は手ごたえ以上に踏ん張ってくる印象ではあるね。正直マイルは長い可能性の方が高いと思っているけど…。

ユニコーンステークス2021への展望

 近3走はいずれも楽にハナを取れそうなゲート、二の足の速さを見せながらも運悪くかなり絡まれているというケースが多いなと。なのでタメを利かせてどこまで後半の末脚を引き出せるのかははっきり言って未知数に近いところはある。ただ、4走前のなでしこ賞では京都の1400で35.3-35.9とややハイ程度、平均に近い流れから12.0 - 12.1 - 11.8 - 11.7 - 12.4と後半の末脚勝負という流れの中で中団外からロスがあったとはいえもう4角出口で苦しかったからね。少し直線で接触もあったりと完全にこれだけで見限るのは危険としても、やはり後半型の競馬で目途を立ててきていないというのは事実。

 ここ2走はいずれも基礎スピード面を強めに引き出して後続の脚を削ぐ形で結果を出してきた。これは基本的には短距離色、スプリンター色が強いと思っているんだけど、2走前の2勝クラス戦でも好時計勝ち・超ハイという中でもL1を落とさずまとめてきたというのが良い意味で少し引っかかっている面はある。今回のメンバー構成はかなり混戦だと思っているし、本来ユニコーンステークスって逃げ馬が簡単に逃げ切るのは難しいんだけど、例えば2年前のワイドファラオが押し切った時みたいに西向きの風でも吹いて向こう正面で追い風が働くようならハイペースからの前残りで警戒しても良いかな…という感じ。ただ人気が読みにくいタイプだし、どの馬もリスクはあるからなあ。パフォーマンス的に2走前の勝ち方は結構侮れないと思うのと、時計的にはなかなか優秀。この辺をどう考えるかやね。

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