アルゼンチン共和国杯 2021 出走予定馬:ボスジラ&田辺騎手想定

第59回 アルゼンチン共和国杯(GII)出走予定馬展望

日程:2021年11月7日(日)
コース:東京芝2500m

予想用・出走予定馬一覧

アルゼンチン共和国杯2021の予想用・出走予定馬一覧

ボスジラ(田辺騎手想定)

 前走丹頂ステークスでも2着、札幌2600mの鬼のボスジラがアルゼンチン共和国杯に出走予定だ。ダイヤモンドステークス以来の東京競馬場となるが、準OP勝ち上がりは東京2400mでサンアップルトンを撃破している実力馬。重賞にはまだ手が届いていないが、混戦の中で何とか一つ大きな勲章を手にしたい。

※この記事はnote,ブログ無料公開対象です。

 ん~某所ではボスジラが2番人気想定なんだなって感じで、正直東京の2500でって感じはしないんだけどね。札幌で見せているポテンシャル面は評価する一方で、やはり直線で速いラップを求められてどうなのか?という問題は付きまとうかな。

丹頂S(OP)2着

札幌芝2600m良 10頭8枠9番
風向き:北西6.7m/s(札幌市15:30)
2:44.3(+0.0) 64.1-60.7 S^3
13.1 - 12.3 - 12.9 - 13.1 - 12.7 - 13.3 - 13.3 - 12.9 - 12.4 - 12.1 - 12.1 - 11.8 - 12.3

 前走の丹頂S2着から振り返りたい。カウディーリョ相手にしぶとく食らいついてのクビ差2着。札幌の2600m戦で1周半。ペースは超スローでラップ的にはL4から12前後からのL2最速でも11.8という程度。ポテンシャル戦だが比較的仕掛けが遅めかな。風は北西からなので4角地点が完全向かい風になる。

 9番枠からやや出負け、押して押しての追走でじわっとリカバーしつつ4番手ぐらいでまずは入っていく。道中も前3頭が引っ張る中で少し離れた4番手。そのまま道中も4番手でスタンド前でも前に壁を作りながらコントロールして向こう正面へ。道中も4番手で前のオウケンムーンを追いかけつつ3角。3~4角でも外外から押し上げながら2列目、4角で先頭列に並びかけながら直線。序盤で前のオウケンムーンらに並びかけて一瞬先頭に立つ。L1で内で粘るカウディーリョに対して最後は食らいつくもクビ差の2着。

 ここでは後半のポテンシャル戦に近い流れになったし、それで3~4角で外から正攻法で捕えに行ったのでその部分もあったかなとは思う。オウケンムーンを捕え切ったのは流石だし、カウディーリョには見劣ったけど相手は3~4角で一つ外まででロスを抑えていたからね。こちらは勝負所でカウディーリョと比較して2頭分外だし、3~4角の長く緩いコーナーで終始となるとまあクビ差なら負けて強しかなという評価で良いと思う。札幌巧者で後半のポテンシャル戦では常に安定している馬だし、こういう有酸素運動的競馬なら良いが…府中の2500だとそういう条件は必要かなと思っている。

早春S(3C)1着

東京芝2400m良 13頭13頭7枠10番
風向き:北東2.0m/s(府中市15:10)
2:24.7 60.0-60.3 M
12.5 - 11.5 - 12.2 - 11.9 - 11.9 - 12.2 - 12.2 - 11.8 - 12.0 - 12.3 - 12.4 - 11.8

 過去になるが昨年冬の早春Sでは東京2400mでサンアップルトンを撃破する競馬を見せている。この時が、ペースは平均でラップが示す通り淡々。ただ、これをオウケンブラックが単騎で進めていたので、離れた番手で目視推定62前後というところ。恐らく実質は超々スローでそこから前を捕えにというロングスプリントの可能性が高いと思う。風は北東からで3角地点が完全向かい風。

 10番枠から出負けして後方からの競馬。そこから促しつつだが最終的には後方集団の外目で進めていく。道中も前のオウケンブラックが単騎で引き離していく中で無理はせずに後方外で脚を温存。3角でかなり差が開いていて、ここで2番手以下が仕掛けつつ、流石に4角で2列目勢の手が動いてというところで中団外まで押し上げながら直線。序盤で外からジリジリとは伸びるがまだ3列目。L2で伸びて先頭列付近まで上がってくる。ラストで内で抵抗するサンアップルトンをクビ差で撃破。

 3~4角でかなりロスがあったし、番手以降がこの辺から動いて捕まえに行く形になっているので結構ロスが響いているとは思う。実際2着のサンアップルトンは上手く内目を立ち回って直線で捌いてきたわけでね。これに対してラストまでしぶとく伸びて競り落としてきたしロングスプリント戦としては結構強い競馬だったかなと思う。3着のトラストケンシン以下とは明確に一段上のパフォーマンスだし、ロスを考えてもこの一戦は評価していいだろうと。ただ、単騎逃げ馬を前が追いかけに行く形で割と出し切りやすい展開だった。実際L2の段階では先頭列に来ているのでL1は11.8というレースラップ通りだと思う。L3-2の地点である程度速いラップを踏んでいると思うし、仕掛けが緩い中で動けるかどうかだろうね。サンアップルトン比較で考えても、このメンツで出し切れれば後半のロングスプリントは通用するだけのパフォーマンスだと思う。

目黒記念(GII)8着

東京芝2500m良 18頭8枠17番
風向き:南南東3.9m/s(府中市17:00)
2:30.3(+0.7) 60.1-59.9 M
7.4 - 11.1 - 11.4 - 12.3 - 12.0 - 11.7 - 11.8 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 12.0 - 11.8 - 12.1

 昨年の目黒記念では東京2500を舞台に8着とやや物足りない着順。ただ、外枠だったし淡々と流れていたことを考えれば言うほど悪くはないなというのが正直な評価にはなる。平均で12前後を維持する競馬。風は南南東からなので4角地点が完全追い風となる。

 17番枠から出負けして後方からの競馬となってしまう。そこから中目に進路を取りつつ進め、後方馬群の後ろで最後方付近となって3角。3~4角でも最後方の内目を通しながら出口で外に誘導して直線。序盤でそこから追われてジリジリとは伸びるがまだ後方。L2でようやく徐々に差を詰め始めるがまだまだ。L1で中団列に取り付いて最後の伸びは悪くないが8着まで。

 悪くはないけど…という感じやね。まあもちろん外枠は厳しかったしゲートが甘い馬なので前半からここまで流れちゃうとというのはあるし、難しい状況だったとは思う。後半は3~4角で出来るだけロスを減らして直線に入ってきたけど伸び始めも遅かったしL1でようやくそれなりに差を詰めてきたという程度でインパクトは残せなかった。ゴールドギア辺りに完敗というのも物足りないし、正直全体でここまで流れてしまうと難しいかなと。ペースはスローの方が合っていると思う。

アルゼンチン共和国杯2021への展望

 まあ正直言って今回のメンツなら確かに通用しちゃいそうだなとは思うが、半面でボスジラがこの条件で上位人気か…ってぐらいには低調なメンバー構成でもある。後半のトップスピード戦では恐らく質的に難しいのと、ゲートは下手な方なのであまりいい位置を狙えるとは思わない方が良い。また、昨年の目黒記念が完全な平均ペースで悪くは無いがラストまでこれと言って末脚を伸ばせなかった。基礎スピードが求められていいタイプでもないと思う。

 そうなると基本的にはスローからの後半のロングスプリント以外では難しいので、信頼度は結構落ちるなというのがまず一つ。それと、仮にスローのロングスプリントになったとしても後方からとなると届かない。早春Sを勝った時ぐらいのポジション取りは必要になってくる。外目からスローの段階でじわっとリカバーが理想で、内枠だと出負けから早い段階で前に入られてポジションダウンとなるリスクも出てくるから枠の並び次第ではかなり難しくなりそう。相手関係で見てもディアマンミノル辺りもゴールドギアとの比較で考えればロングスプリントでは結構強敵になると思うし、正直上位人気でとなると…あまり狙いたくないなというのが本音かな。条件が限定的だと思うし、ゲート次第だし、パフォーマンス的にも東京である程度速いラップを要求されて質的には…。アル共の傾向的にも要所のギアチェンジや位置取りをある程度求められるからね。現状ではとりあえず当落線上としておきたい。

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?