チューリップ賞 2021 出走予定馬:メイケイエール&武豊騎手想定
第28回 チューリップ賞(GII)出走予定馬展望
日程:2021年3月6日(土)
コース:阪神芝外1600m
予想用・出走予定馬一覧
メイケイエール(武豊騎手想定)
小倉2歳ステークス、ファンタジーステークスまで無敗で制したメイケイエールが武豊とのコンビでチューリップ賞に出走予定だ。前走の阪神ジュベナイルフィリーズでは距離もあったが後方からコントロールしつつ末脚を伸ばす形も4着まで。激しい気性をどうコントロールするかがマイル克服に向けて最大の課題。この答えを出して、勝利で本番へ向かえるか。
※この記事はnote,ブログ無料公開対象です。
とにかく折り合い面だろう。武豊の腰が万全なのかどうかはそろそろこの辺りでひとまず判断したいところやね。能力的には間違いないが、全体でペースが落ち着いたときにどこまで我慢させるのか、ブレーキしながら押し上げることも視野に入れながら3角までに何とか収めるポイントを作ってほしい。
ファンタジーS(GIII)1着
阪神芝内1400m良 12頭7枠10番
1:20.1R 34.1-34.8 H^1
12.2 - 10.7 - 11.2 - 11.2 - 11.3 - 11.5 - 12.0
2走前のファンタジーS勝ちから振り返りたい。阪神の1400m戦だが開幕週でかなりの高速馬場状態。ペースはややハイで進んでいて淡々としたラップを踏んでいる。その中で外からロスがありながら最後までしぶとく伸びてのレコード勝ちは立派。素材は間違いないだろうが、前半から難しさを見せていたようにこの辺が課題なのは言うまでもない。
10番枠からやや出負け、そこから中団でコントロールして敢えて無理には入っていなかった。道中もそのままコントロールしつつ好位の外まで押し上げていく形で3~4角でもラヴケリーの後ろから直線で外に出して2列目付近。序盤でそこから先頭列に並びかけ、L1でしぶとく踏ん張り外から来るオパールムーンを押さえての3/4差勝利。
まあ確かに最後はちょっと甘くなったが、3~4角で11秒台前半を踏み続けていたようにここで外外というのはかなりロスがあったと思う。それでもL2で伸びて先頭列から最後までしぶとく踏ん張ったし、着差以上にかなり強い競馬だった。もちろん素材的には文句ないし、1400の基礎スピード戦でこれだけやれたんだからこの条件では問題なく強い。が、やはり前半で出負けしながらもコントロールして、気性的にそれでも我慢が利かずに押し上げてしまっているというのはどうしてもマイル以上の距離を考えるうえでは難しい材料だね。もちろんマイルでも正攻法でペースを引き上げてという手も選択肢としてはあるだろうが、恐らくチューリップ賞まではコントロールできるかを試してくると思うし今回はその点で他にも付け入る隙はあるだろうなという印象。
阪神JF(GI)4着
阪神芝外1600m良 18頭8枠18番
1:33.3(+0.2) 46.8-46.3 M
12.4 - 10.8 - 11.7 - 11.9 - 11.9 - 11.2 - 11.4 - 11.8
前走の阪神JFでは距離延長でコントロールしながらというのがもろに窺えたが、それでも4着とそれなりに差し込んではきた。ペースは平均では流れていたのだが、どうしてもマイルとなると中盤で少し息が入る。3角付近で11.9-11.9と2F踏んでいるようにここで外からとなるとL3最速の4角でロスがどうしてもできてしまうからね。この辺がマイルでは課題になる。
18番枠からやや出負けしてそこから接触もあってかなり外に弾かれるが、敢えてすぐに内には持って行かずに馬群から離れたところで折り合わせながら中団外で3角。3角付近でペースダウンしたのだが、ここでどうしても掛かってブレーキしてしまう。そのまま4角でも我慢しながらだが外外を回す羽目になって中団外で直線。序盤でそこから追い出されてスッと反応してここで一気に2列目付近まで来る。ただし、L1の坂の登りで甘くなると最後は外からユーバーレーベンにも差されての4着。
まあかなりロスがあったからそれを考えると後半要素でも結構高いレベルのものを見せてきたんだなとは思う。ただ、残念ながら終いは甘くなったしこの辺は4角のロスの影響もあっただろうと。マイルでどうしても3角付近が落ち着いた、ここでコントロールに苦労していたのはやっぱり基礎スピード色が強いところだと思うし、それを我慢させて末脚をしっかりと高めてきたのも好感を持てる材料。ゲートが甘かったのは気になるけど、前掛かりになり過ぎるのでむしろこれぐらいゲートが甘い方が良いかもしれんね。ただ、外外を走らせて馬群に近づけるのが遅かったのも豊のファインプレーだったと思うけど、例えば内枠で包まれて我慢が利かないときにどうか?とかいろいろ不安材料はある。L3で外から置かれずL2で伸びていたので緩めての再加速そのものは対応してくると思うし、上手く進められればこのメンツなら能力的に一枚上。後はそこだけなんだよなあ。
小倉2歳S(GIII)1着
小倉芝1200m重 10頭7枠8番
1:09.6 33.9-35.7 H^2
11.7 - 10.6 - 11.6 - 11.8 - 12.1 - 11.8
3走前の小倉2歳Sでは重馬場の小倉1200m戦の中で中団外からじわっと押し上げながら最後までしぶとく伸び切った。ここの2着がモントライゼだし、上位勢も全体的に1200m路線で活躍している馬が多い。レベル的には高かったと思う。その中で1.8とかなりのハイから消耗気味のラップを踏みながらL1で11.8とレースラップ的に加速に持って行ったのは立派かな。前が飛ばしてコーナーで下がってきたというイメージでいいと思う。
8番枠から出負けして最後方からの競馬となる。道中流石に少し促してリカバーをというところから徐々にスピードに乗ってくると今度はコントロールが難しくかなり手綱を引っ張ってという感じで中団外。3~4角で前がしんどくなってきたところで外からコントロールしつつ、4角で軽く促しながら2列目まで押し上げてくる。直線で外から追われて半馬身差ほど。L1で粘っていたモントライゼを楽に捕えて1馬身1/4差完勝。
まあもともとこういう前傾型の競馬なら強い馬だからね。全体でペースが流れてしまえば折り合いでそんなに気にすることもないし。それでも外からスピードに乗っていくタイミングが早くて明確に手綱で引っ張られていたりと課題もあったが、この形でモントライゼを楽々捕まえて、3着以下を千切っていると。4着のルクシオンが福島2歳Sを勝っていることから考えても1200m戦ではかなり高いレベルなんじゃないかな。まあ1200は古馬になってからでいいと思うしね。ひとまずこういう競馬で違いを作ってきたのは今後1200を考えるうえで評価したいね。
チューリップ賞2021への展望
ここは馬券的には難しいよね。まともに走れば今回のメンバー構成なら抜けていると思う。実際JFでも出負け気味、接触があって3~4角でも外外。特に4角最速地点でロスというのはかなり痛かったと思う。それでもL2では鋭く伸びてきていたし、L1で甘くなったといっても上位勢が手ごわかったし負けて強しの内容だった。少なくともあれだけやれれば足りると思う。ただし、まずJFは前提として平均では流れていたと。3角で緩みこそ生じていたがそれでも12秒台までは落ちていない。ファンタジーSも阪神1400で強い競馬ができたが、これも中盤は緩まず11秒台前半を踏むような流れで外から正攻法で押し切ったという形。いずれも前半要素が強めに求められていたということは忘れてはいけないかな。
今回はチューリップ賞になるので前哨戦としては割と現実的に流れやすい傾向ではある。平均~ややスローで落ち着くぐらいなら…とは思うが3角の緩みは桜花賞本番よりもきつくなりやすい。そこでコントロールできるのかどうか。さらに言えば、年始の急性腰痛でまだ万全な騎乗ができているかは微妙な武豊がこれだけの気性難の馬をこれまでのようにコントロールできるかどうかだろう。先週を見る限り豊の状態も良くなってきている印象は受けるが、それでも持って行かれたりとか御せないケースも少なくなかったので、その辺は気にしている。いずれにせよ豊の調子を測るうえでこの馬でどうコントロールできるか?というのは見たいところやね。現時点ではリスクはどうしてもあるので本命にはしたくないかなあ…。メイケイエールを意識して前目がスローに落としたいという可能性も出てくるだろうからね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?