プロキオンステークス 2021 出走予定馬:ワイドファラオ&福永騎手想定

第26回 プロキオンステークス(GIII)出走予定馬展望

日程:2021年7月11日(日)
コース:小倉ダ1700m

予想用・出走予定馬一

プロキオンステークス2021の予想用・出走予定馬一覧

ワイドファラオ(福永騎手想定)

 昨年のかしわ記念を制している実力馬ワイドファラオがプロキオンステークスに出走予定だ。ただ、それ以降はなかなかワンパンチ足りない状況が続いている。58kgの重量と初めての小回り1700mの舞台で完全復活を果たせるかに注目だ。

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 基礎スピードでゴリゴリにという競馬だと最近はちょっと甘いというのが気になるところやね。かしわ記念を勝った時も上手く平均でコントロールする形で粘り切っているし、前半のペースが上がった時に基礎スピードの質的に足りるか?となると…

かしわ記念(JpnI)1着

船橋ダ1600m良 7頭1枠1番
風向き:東2.3m/s(船橋市16:10)
1:38.6 49.6-49.0 M とひ
12.6 - 11.7 - 12.5 - 12.8 - 12.7 - 12.0 - 12.0 - 12.3

 昨年のかしわ記念勝ちから振り返りたい。ここは見ての通りで7頭立ての小頭数。そして良馬場で落ち着いた流れとなった。平均ペースではあるが49-49レベルだし、マイル戦としてはそこまで基礎スピードの質を求められなかった。3角から仕掛けてという形でしっかりと押し切って強い競馬ができたが、前半型の競馬ではなかったのはポイントかな。風は東からなのでBSでは向かい風となっているのも向こう正面でペースがあまり上がらない要因だったかなと。

 1番枠から好発を決めて序盤からコントロールしつつ楽にハナを取り切る形になる。外からルヴァンスレーヴが絡んでは来るがこれを1角で制してペースをしっかりとコントロール。向こう正面でも余裕を持ってリードをキープしながら1馬身差で3角。3角が緩いスパイラルカーブでしっかりと加速して一気に2列目に対してリードを作り、4角ではもう2馬身半ほど離して直線。序盤でそのまましぶとく踏ん張り2馬身差。L1でもそのままリードを保っての2馬身差完勝。

 3歳時はユニコーンSなんかでもゴリゴリに引っ張って押し切っているけど、古馬相手に基礎スピード特化戦ではちょっと苦労していた。それが少し息を入れたことで後半しっかりと加速に持って行けたし前後半でバランスの良い競馬をしてきたなという印象。船橋はスパイラルカーブなので3角が緩やかだしそこで加速しやすいというのもあった、プラス向こう正面では向かい風だったのも各馬が動きにくい状況だったと。このあたりも噛み合ったとは思うがそれでも直線でアルクトスやインティを寄せ付けなかったわけでね。個人的には帝王賞でもそこそこやれていたし、前半もう少し無理なく入れる距離の方が合っているかなという印象。

かしわ記念(JpnI)4着

船橋ダ1600m稍 12頭6枠8番
風向き:南南西3.6m/s(船橋市16:10)
1:40.4(+1.1) 48.4-50.9 H^2
12.0 - 12.0 - 12.3 - 12.1 - 12.0 - 12.2 - 12.9 - 13.8

 今年のかしわ記念では先行策を取ってきたけども…という感じで苦しかったと思う。ペースは見ての通りでかなりのハイだし、そこからもよどみなく進んで厳しい流れになった。基礎スピード特化戦に近い中で巻き込まれたからね。風は南南西からなので3角地点が完全追い風になる。

 8番枠からやや出負け、そこから促されつつ先行策を取って最終的に2列目の内にしっかりと収めていく形。道中も逃げるカジノフォンテンの後ろで進めてプランBとしてはまずまずの位置、おっつけつつ食らいついて3角。ただ3角で手が動くが苦しく徐々に前2頭から離されて直線。序盤でそのまま伸びは地味で好位列に下がる。ラストは前3頭からは離され何とか4着は死守した形。

 インティからは4馬身離されているということを考えても、マイルで基礎スピード勝負となったときに明確に甘さが出てしまったという認識で良いんだろうなと。休み明け初戦ではあったし、このレースの前からパフォーマンスを少し落としていた面もあるので単純に適性だけとは言えないが…それでもこれまでも高いレベルでは基礎スピードが求められて苦戦を強いられていた印象だからね。正直マイルでここまで流れるとついて行くのに苦労したかなという印象。これは小倉の1700でもちょっと気になるマイナス材料なのは間違いないね。それと、ゲートもちょっと遅かったのもね。

さきたま杯(JpnII)3着

浦和ダ1400m良 12頭4枠4番
風向き:南5.4m/s(さいたま市17:50)
1:25.5(+0.6) 35.2-37.4 H^3
11.6 - 11.4 - 12.2 - 12.3 - 11.3 - 12.7 - 13.4

 前走のさきたま杯では1400mでの基礎スピード戦となったが、ちょっと特殊なラップを踏んでいる。2.2で超ハイなのだが3角地点で11.3と極端に速いラップを踏んでいる。なので少し緩んで後半の鋭さをL3で求められた形と考えた方が良いのかなと。まあL1はかなり消耗しているんだけど。風は南からなので4角地点が完全向かい風になり、HSも右前方から向かい風に近い形。

 4番枠からここではまずまずのスタート、そこから押しながら追走してというところだが序盤はやはり難しくひとまず好位列。そこから少しバタつきつつ3番手で外から。道中も3番手の外で3角に。ここでペースが上がってという中でベストマッチョの外からの追走も3番手のまま直線。序盤で内外から各馬に来られて一気に交わされる。ラストにベストマッチョは捕えて3番手も2着エアスピネルからは2馬身半差3着。

 まあ悪くはないしここでこの流れに乗って入れたのは一定の評価は必要だと思う。上位もアルクトスやエアスピネルとこの路線での強敵と言っていいからね。特にアルクトスは本質的には1400がベストの馬だと思っているし、1400の流れの中で最低限入っていけたのは良かった。それでも離されてはいるし、ここ2走を見ても基礎スピード勝負ではちょっと厳しいなというのを感じているところ。また、最速11.3と速いラップこそ踏んではいるものの全体的な時計としては平凡なように良馬場でのダートだったというのもこの馬としては良かったかなという感じ。正直軽いダートで戦える目途は立てていないからね…。

プロキオンステークス2021への展望

 まあ個人的にはここで狙いたいとは思わないかな。正直条件が揃えばトップレベルを弾き返すパフォーマンスを見せられているし、パフォーマンスだけならここでもウェスタールンドと同レベルぐらいの評価はしているんだけどね。ただ、かしわ記念を勝った時はマイルでも1周コースの船橋、良馬場で時計も出にくい状況、小頭数で楽々ハナを切ってペースをコントロール出来ていたというのが現実としてはあると。49-49だと1800の良馬場ぐらいの感じだし、入りの4Fは49.6だからトップクラスとしては緩い。この形で上手く好発を切ったのとメンバー構成が噛み合って後半勝負に持ち込むことができた。割と前後半のバランスを求められた方が良いタイプだと思うし、個人的にはマイルよりは2000の方がこのレベルならいいと思う。

 今回は前提として道悪での高速ダートという状況で考えているけど、その中でも基本的に基礎スピードの質を求められていいタイプではないと思う。実際5走前の南部杯では超高速ダートの盛岡マイルで好位外から追走して質的に苦労して伸びあぐねていたからね。フェブラリーSの負け方やみやこSも含めて前半の厳しい流れの中に乗っていってしまうと甘くなるのが続いている。距離自体はマイルや1400よりは1700の方が良いとは思うが、その中でも特に基礎スピードの質を求められやすい高速小倉1700というのはどうかなと。道悪も一応ユニコーンSで勝ち切っているけど、相手も楽だったうえに時計的にはこのレベルまで来ると平凡。軽いダートでの実績が乏しいからね。まあ前走のさきたま杯が悪くはないので叩いて良化から、ハナは切れなくてもある程度良い位置で収まれば…とは思うんだけど、正直これが上位人気なら狙いづらいなと。

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