マイルチャンピオンシップ 2021 出走予定馬:サウンドキアラ&武豊騎手想定

第38回 マイルチャンピオンシップ(GI)出走予定馬展望

日程:2021年11月21日(日)
コース:阪神芝外1600m

予想用・出走予定馬一覧

マイルチャンピオンシップ2021の予想用・出走予定馬一覧

サウンドキアラ(武豊騎手想定)

 スワンステークスで2着とようやく復調のきっかけを掴んだサウンドキアラが武豊とのコンビでマイルチャンピオンシップに出走予定だ。もともとヴィクトリアマイル2着の実績馬だが、やや低迷していた。前走で上昇気流を掴み、名手の手でさらに輝けるか。

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 正直言ってまともに戦っても上位はかなり手ごわいからそう簡単ではないだろうね。前走のスワンSは2着だが、噛み合い切ってないと思うしもうちょっとやれていいとは思う。マイルだと後半の素材面での限界があるし、チャンスがあるなら前半から前目内目で勝負に行ってほしいね。

スワンS(GII)2着

阪神芝内1400m良 18頭1枠2番
風向き:西南西1.3m/s(豊中市15:40)
1:20.8(+0.1) 34.1-35.1 H^1
12.2 - 10.6 - 11.3 - 11.5 - 11.4 - 11.6 - 12.1

 前走のスワンS2着から当然見ていきたい。阪神の1400m戦で行われていて、ペースはややハイ。内回りは少し時計が掛かっていた状況ではあるが、それでもちょっと時計的には物足りないかな。その中でスムーズさを欠きつつも何とか捌いて2着を確保してきた。風は西南西からなので4角地点が完全向かい風だが1.3m/s程度なので限定的だろう。

 2番枠からまずまずのスタート、そこから促しながら楽に先行争いに入っていけてしまってこれが誤算。外の各馬が3角に賭けてじわっと切ってくる中で窮屈になりブレーキしつつ3角にかけてポジションダウンして中団の中目で包まれてしまう。3~4角でも中団の内目ではあるが進路もスペースもなく我慢を強いられて直線でも進路が無い。序盤で待たされていたが前のリレーションシップが内に入ったので何とかスペースは確保。そこを詰めながらL1で外目に誘導して取り切ると最後の伸びは流石だがダノンファンタジーから3/4差の2着まで。

 最序盤でゲートをポンと出て二の足で先頭列付近まで入れたのは収穫ではあったし、この条件なら前目で勝負してほしいのでそこは良かったと思う。ただこのレースに限れば外の逃げ争いと互角レベルでやれてしまったので、逆にそれらを行かせるために速度をコントロールしながらとなったときに阪神内回りの魔の3角入りが発動してしまった感じやね。芝ダートに関係なく阪神はここでの立ち回りを間違えると馬群に呑まれて減速する現象が他の競馬場よりも圧倒的に多い。180°が基本の中で阪神はそれ以上の角度を3~4角だけで回ることになるし、3角入りと4角出口がきつく、特に3角入りはパトロールで見ても結構きつく見えるからね。ここでの入り方が拙かったので結果としてあの位置に下がってしまった。前半がハイペースで流れに乗ってのこれなので、個人的にはスムーズさを欠いたなという印象。それでもそこからバテ差してきているしやはり基礎スピード面が強めに求められた方が良いのは間違いないと思う。まともなら外から正攻法のダノンファンタジーぐらいは撃破できるチャンスはあったかなと感じる一戦だった。まあ、そのレベルでここでどこまで評価できるか?というのは当然出てくる問題ではあるが。何せ歴代でもかなりハイレベルな相手だと思うし…。

ヴィクトリアマイル(GI)11着

東京芝1600m良 18頭6枠12番
風向き:南南東4.2m/s(府中市15:40)
1:32.3(+1.3) 46.0-45.0 S^1
11.9 - 10.8 - 11.6 - 11.7 - 11.6 - 11.2 - 10.9 - 11.3

 2走前のヴィクトリアマイルでは外枠も難しかったがグランアレグリアに千切られた。ペースはややスローで進んでいてそこからのL2最速で10.9。ある程度後半でトップスピード面を求められたが、正直グランだけ違う競馬をしたという感じやね。風は南南東からで4角地点が完全追い風。

 12番枠からまずまずのスタート、そこからは様子を見つつで多少促していたが好位の外目ぐらいで収めていく。道中もディアンドルの後ろぐらいで我慢しながら3角。3~4角でもディアンドルの後ろで外目を追走しながら直線。序盤で風よけしつつだが伸びが地味。L2でもこれと言って伸びる感じは無くジリジリで中団のまま。ラストも良いところなく中団列での完敗となった。

 まあ、負け過ぎやね。正直後半型の競馬では足りないと言ってももうちょっとやれてくれないとというのはあった。ただ全体のペースがややスローという中で位置取りが後ろだなというのは感じていた。実際アーモンドアイの2着の時は離されたけど45.6-45.0と平均ペースで離れていたとはいえ3番手で進めていた。これがスローバランスで中団に近い位置で運んでいたことを考えても、正直位置取りが悪かったのが決定打だとは思うし、3~4角も外外になってしまったからね。正直マイルでは高いレベルだと末脚の絶対量が足りないと思っていて、やはり前半で何とか良い位置を取って進めていかないと苦しい。多少ハイペースでも我慢できる馬なので、そこにはこだわってほしいね。正直平均ペースだとしても末脚を削がれない馬がグランも含めて今回の上位勢なわけで、自分にとってベストのバランスを貫いて他が不利を受けたりポジションが悪くなったりで不発、というところに賭けるべき存在だと思うし。

マイルCS(GI)10着

阪神芝外1600m良 17頭7枠14番
風向き:南南西0.8m/s(豊中市15:40)
1:32.9(+0.9) 46.9-45.1 S^2
12.5 - 11.0 - 11.4 - 12.0 - 11.6 - 11.0 - 10.8 - 11.7

 5走前、昨年のマイルCSでは10着と敗れている。これが負けパターンではあると思うし、ペースもかなりのスローからのL2最速で10.8。トップスピードの質を高いレベルで求められた中で、中団外から特に何もできなかった。風は南南西からだが0.8m/sと1m/s未満なので影響はほぼなかったと思う。

 14番枠から五分のスタート、そこから様子を見ながら中団の外目でという競馬になる。道中も前のタイセイビジョンの後ろで我慢しつつ3角。3~4角で中団外目からこれを追いかけて出口で外。序盤で追われてそれなりには伸びるが外のサリオスの方が良く中団列のまま。L1でもサリオスに明確に突き放され、最後までなだれ込む以上の足は見せられずの10着完敗。

 これがこの馬の後半特化の限界だと思う。溜めたところで良い脚を使える馬では無いから、この形にだけはならないようにしてほしい、というのが本音やね。まあ厳しい流れに乗ってやれるかは別問題にせよ、後ろから溜めてもサリオスに一気に離されているという時点でここに入って上位はあり得ない。インディチャンプとの比較で見ても前を取られてさらに突き放される形になっているわけだし、グランに対しては何をかいわんやというレベル。この競馬ではどうにもならないが、前走の阪神1400でのスワンSの内容と、ヴィクトリアマイル2着時の積極策で3~4角をとにかく上手く立ち回る。それ以外の選択肢が無いなという感じ。

マイルチャンピオンシップ2021への展望

 今の豊に多くを期待するのは良くないかもしれんが、ここでシビアにサウンドキアラの能力と適性を見つめて先行策を取ってくれることを期待している。もちろん有力各馬が出し切れればグランやインディチャンプはもちろんサリオス辺りでも明確に後半勝負で見劣っている。前半のペースが上がった方が良いと言ってもこの馬の持ち時計自体が1:31.3でこの時はアーモンドに0.7も突き放されているヴィクトリアマイルになる。なので簡単な一戦ではないのはそもそも…ではある。

 ただ、可能性を見出すなら前半型の競馬の中で乗っていくことだろう。武器となりえるのは前半の基礎スピード面以外にはない。スワンSも34.1-35.1で前半前を取りながらリズムが悪くポジションダウンとなっても後半までばてずに差し込んでこれた。これは簡単には出来ないし、前提として前半の基礎スピードをバランス的に求められても後半が大きく削がれないからというのがある。もちろんスワンSのようにスムーズさを欠けばここでは難しいが、前を取って3~4角をとにかく最短距離で進める。トップスピードの質も決して高いレベルでは武器にならないがそれなりにはもっているし、とにかく使える脚がそこまでない以上溜めても仕方がない。前が引っ張ってくれれば僥倖、というぐらいの気持ちで2,3列目内を狙ってとにかくタイトに。その結果、有力馬が上手くいかないなどで3着あればというぐらいの可能性はあると思う。現状は手を出したくないとは思うし、外枠ならまず買わないが、内枠を引いて前を取れそうなら。できれば有力馬のグレナやインディチャンプより前を取ってほしい。ハイペースで沈む形なら仕方がないし、この馬の良さを豊がどう引き出してくるか。買うかどうかは別として、そこは注目したいところだね。

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