【クリアレビュー】メトロイドドレッド 久しぶりに指が痛くなるほどボタンを連打。もしクリアできなくても満足できたと断言できる19年ぶりの新作メトロイド
プレイ時間は34時間。クリアまでの時間は17時間。
アクション下手勢ですが、なんとかクリアできました。
アイテムの回収率は45%で、今コンプリート目指して集めているところ。この先はペースを落として、のんびりやります。
ハードモードは多分やらないと思います。十分ハードでした・・・
簡単な感想としては、
1 難易度はめちゃくちゃ高いが、それを超えたくなる、挑戦したくなる
2 サムスを動かすのが気持ちいいので、ずっと触っていたい。探索が苦じゃない
3 敵もサムスも動きが速いので、ボス戦にやりがいがある
こんな感じになります。
わかりやすく言えば神ゲーでした。
本気で遊んだゲームなので、思い入れも強く長くなりますが、最後までお付き合いください。(トータルで5000字ほどありますのでお時間あるときにどうぞ)
ゲームの概要
メトロイドドレッド
発売日 2021年10月8日
パッケージ版 7678円
ダウンロード版 7600円
ニンテンドーカタログチケット引き換え対象(実質5000円)
メーカー 任天堂
開発 Mercury Steamと任天堂の共同開発
プラットフォーム Nintendo Switch
ジャンル 2D探索型アクション
対象年齢 CERO:B(12歳以上)
必要な容量 4.1GB
主要過去作の簡単な紹介
2Dアクションシリーズ
メトロイド1(1986)メトロイド
メトロイド2(1992)メトロイドⅡReturns of Samus
メトロイド3(1994)スーパーメトロイド
メトロイド4(2003)メトロイドフュージョン
メトロイド5(2021)メトロイドドレッド
リメイク
メトロイド・ゼロミッション(2003)メトロイド1のリメイク
メトロイド・サムスリターンズ(2017)メトロイド2のリメイク
プライム(FPS)シリーズ
メトロイドプライム1(2003)
メトロイドプライム2(2005)ダークエコーズ
メトロイドプライム3(2008)コラプション
メトロイドプライム4(開発中)
その他
メトロイドアザーM(2010)
メトロイドプライム フェデレーションフォース(2016)
ゲームのストーリー
恐るべき擬態生物「X」生存の真偽を確認するために、惑星「ZDR」に派遣された銀河連邦の特殊調査部隊が消息を絶った。
その未踏の地に赴いた銀河最強のバウンティハンター「サムス・アラン」。
そこで彼女を待ち受けていたものは、絶望的な恐怖だった…
(任天堂公式より引用)
初見の人は、上を読んでも全く意味がわからんと思います。
オープニングに今までの解説的なムービーを挟むので、新しく始める人はストーリーを気にする必要はないです。プロデューサーの坂本さんもドレッドから始めても大丈夫とおっしゃっています。
元々ゲーム内での会話もほとんどないし、ストーリーはそんなに重要視されていないというか・・・そもそもメトロイドはアクションを楽しむゲーム。もっと言えば探索をベースとしたシューティングゲームです。
ゲームの特徴
快適になった基本アクションに加え、新しいアビリティも多数登場。
通常の武器が一切効かない銀河連邦の調査ロボット「E.M.M.I.」との死闘。
シリーズ伝統の自由度の高い「探索」要素と、サムスを追い詰める幾多の「恐怖」という、これまでにない刺激が融合した新感覚の「メトロイド」です。
(任天堂公式より引用)
メトロイドヴァニアというジャンルのルーツでもあるメトロイド。
2Dのマップを探索しながら、様々はアクションで敵と対峙するというゲームの基本は初代から変わっていません。(派生作品のメトロイドプライムシリーズは別です)
映画「エイリアン」の影響を受けているだけあって、恐怖という要素は元々ありましたが、タイトルに押し出すということはその恐怖もかなり進化していました。ボスキャラの気持ち悪さは「エイリアン」を超えてました。
今回の恐怖の目玉はE.M.M.I(エミー)という新しい敵。ほぼ無敵のエミーをどうやって攻略するかが肝になってきます。逃げ回りながら攻略方法を見つけるのが楽しかったですね。エミーも徐々に強くなっていくんですよ。この調整も上手かった。
僕にとっての新アクション「メレーカウンター」と「フラッシュシフト」この2つがメトロイドドレッド を神ゲーにしてくれました。この2つのおかげで戦闘が楽しくなるし、逆に言えば難易度が上がっています。
このゲームは操作ミスが死に直結するので、XYABボタンをを脳の指令通りに押せることが重要になってきます。そこにフリーエイムのLボタンやミサイルのRボタンが絡んできて、わけがわからなくなります。
プレッシャーのかからない「探索」でとにかくいろんなボタンを押して、操作を極める修行を繰り返すことがクリアの秘訣かもしれません。
良かったところ
・動作がスムーズでアクションが超快適
これが全て。これがあるから最後まで挑戦できた。
・マップが親切で探索がはかどる
怪しいところは点滅して教えてくれます。
・やりがいのある難易度
絶対に倒せないと思わせる圧倒的なボスたち。徐々に攻略法を開拓していく楽しみがある。
・EMMIの登場で「逃げ回る」という別の要素が追加された
隠れたり、ファントムクロークで擬態したり、ごり押しが通用しないので頭を使うしかない。
・時々追加される3Dモード
ボス戦などで時々3Dモードになるのですが、ここでもきっちりとカウンターの判定があり気が抜けない。バトルの良いスパイスになってました。
・カメラワーク
エミーに追跡されてファントムクロークを使っている時、わざわざズームになるんですよ。この独特のカメラワークで、恐怖を引き出している場面がたくさんありました。
・サウンド
サウンドも秀逸で、引き込まれました。
その代償としてBGMが控えめなのですが、どちらを取るかなのでこれも仕方ないですね。
悪かったところ
・エリア移動時のロード時間が少し長い
他が良いのでここしか気になるところがないのですが・・・
・ボスが理不尽なほど強い
ラスボスなんかは開始0.1秒で回避しないと大ダメージを喰らいます。
ホント容赦ないです。
・操作が複雑すぎる
相変わらずシャインスパークからのジャンプが難しいです。
ただスイッチのボタンの数ではこれがベストなんだろうなと感じてます。
向いている人
・アクションが好きな人
メトロイドの特色としては、スムーズな動きがあります。
初代のファミコン版はかなり動作的にも厳しいですが、SF版のスーパーメトロイド(メトロイド3)である程度サムスのモーションは完成していて、続編やリメイクでそれをブラッシュアップさせている感じです。
このゲームは操作感がめちゃくちゃ快適で、とにかくサムスを動かすのが気持ちいいです。
・ただひたすら敵を倒したい人
シューティングゲームの要素もあり、敵を殲滅するのが気持ちいい。
無になれる瞬間が多々あり、没頭できます。
メレーカウンターも決まれば気持ちいいので、中毒性があります。
・やり直すのが苦にならない人
カウントされてませんが、コンティニューの回数は300回超えているでしょう。
特に後半のボスは鬼畜の難易度で何度もやり直すことになります。自分を極限まで高め、ゾーン状態にならないと倒せないので、それなりの集中力と根気が必要。
・町の人との会話や素材集めが面倒な人
人と話してヒントを集めて、素材を集めて武器を強化して・・・
それはそれで楽しいですが、メトロイドにはそんな要素はありません。
アイテムを取ったらパワーアップする。シンプルです。
ひたすらそのアイテムを探すゲームです。
・3D酔いする人
2Dの縦横スクロールゲームなので、3D酔いする要素がありません。
僕は3Dゲームをやると酔うタイプなので、FPSなどできないゲームがかなりありますが、メトロイドは大丈夫。酔ったことがありません。
30時間以上プレイして、何度も絶叫はしましたが、3D酔いは一切ありませんでした。
向いていない人
・アクションが苦手な人
このゲームはかなり難しいです。
僕の場合、トータルプレイ時間の半分は死んでやり直している時間なので、それが辛い人にはオススメできません。
メトロイドは女子ウケが悪く、好きだという女子を見たことがありません。
女子ウケしない敵のビジュアルももちろんですが、アクションの難しさもその要因。初代メトロイドに比べると難易度も緩和され、気持ちよく遊べるゲームにはなっていますが、それでも難しい部類に入ると思います。死にゲーです。
ボスの難易度は相当高い。
ボススルーモードがあればいいのですが、倒せなければ先に進めないので、クリアできない可能性は高いです。
取っ付きやすいキャッチーなゲームが好きならマリオをやればいいわけで、そちら側に迎合せず信念を貫く姿勢が僕は大好きです。
・方向音痴な人
探索するので方向音痴の人はかなり厳しいかもしれません。
でもそれを言ったらブレスオブザワイルドも同じなので何とも言えませんが・・・
救済策としてマップも劇的に進化していて、方向音痴でも遊べるようになっています。探索もほぼ一本道なので、隠し通路さえ発見できればそんなに迷うことはないはず。
僕は隠し通路が発見できずにとあるエリアを数時間彷徨いましたが、明らかに怪しい場所を見落としてました。マップは教えてくれてたんですけどね・・・
・ビビリな人
エミーに追跡されるので、ビビリな人はかなり厳しいでしょう。
それを楽しめるかどうかが重要になってきます。
今後のアップデートに望むこと
無料アップデートや追加DLCがあるかどうかはわかりませんが、一応要望をいくつかあげておきます。
・ボスバトルモード
ボス戦だけを遊びたいので、ボスバトルモードが欲しい。
登場順にボスを倒していく連続マッチもあれば楽しいかも。
・ボススルーモード
探索だけを楽しみたい人のために、ボススルーモードを是非。
RTA対策としてはクリア画面にスルーしたボスを表示するようにするとか。
・ミサイルボタンのロック
ミサイルを撃つのにRボタンを押しっぱなし。これが地味に辛かった。
Rボタンを1回押すとミサイルモード、もう1回押すと解除。過去のメトロイドみたいは方式だと指がつかれません。
このゲームはやりこみ要素としてRTAがあるので、実現は厳しいかもしれませんが、遊びやすくしてもらえると喜ぶ人も増えます。
過去作のリメイク求む
2Dメトロイドのストーリーは完結みたいなことを坂本さんはおっしゃっていますが、終わりにするのはあまりにももったいない。
フュージョンやサムスリターンズは、DSだったりゲームボーイアドバンスだったりするので、手を出しづらいし画質的にもかなり厳しいものがあります。
メトロイド1〜4までをスイッチでリメイク。
もちろんメレーカウンターありで。特にスーパーメトロイドがリメイクされたらかなり話題になると思いますよ。
比較的新しいサムスリターンズ。DSからスイッチにHDリマスターで移植してくれれば僕が買います。まずはサムスリターンズHD待ってます。
最後に
エンドロールを見てて感じたことですが、コアの部分はほとんどスペインの方が創っているんですね。(開発元はスペインの会社)実際にプレイしてみて、プロデューサーの坂本さんが絶大の信頼を寄せている理由がよくわかりました。
開発現場の方々にあらためてお礼を言いたい。本当にやりがいのあるゲームで、一切眠くならない濃密な時間でした。敬意を込めて、鬼畜と呼ばせてもらいます。
正直言うと、女性に遊んでほしい。
わかりますよ。あつまれどうぶつの森の方が楽しいことも。
それでも一歩踏み出して、メトロイドの世界に入ってほしい。
サムス・アランになって未知の惑星で暴れまわってほしい。サムスは女性ですから。
コアゲーマーやマニアだけの遊びにしておくには勿体無いほどこのゲームは完成度が高いです。クリアできなくてもいいじゃないですか。挑戦して倒せる喜びを味わってほしいです。
プレイは厳しいかもしれませんが、動画あげてる人がいっぱいいるからそれを見て欲しい。メトロイドドレッドは見てても楽しいゲームで、僕も他人の実況観ながら一緒に興奮してますよ。
実際のところ、このゲームが爆発的に売れることはないと思います。
任天堂公式の動画の再生回数からもそれはなんとなくわかる。
ユーザーフレンドリーが最重要視されるこの時代に、こんな硬派なゲームを生み出した任天堂とマーキュリースチームの方々は、本当にクリエイターとしてかっこいい。
それが個人的にこのゲームで最も感動した要素。信念を貫く姿勢が素敵です。
メトロイドドレッドのボス戦で、アクションゲームに対しての考え方が変わりました。苦労して敵に勝つことで、こんなにアドレナリンが出るとは思いませんでした。
対戦ゲームは苦手なので避けてましたが、スマブラがあれだけ売れている理由をようやく理解できたような気がします。今後もしやるゲームがなくなったらスマブラにも挑戦してみたい。もちろん使うキャラはサムスです。
最後まで長い記事を読んでいただきありがとうございました。
メトロイドのファンが1人でも増えることを願っています。
ありがとうございます。有意義なことに使います。