海外FXのデメリット7選!絶対に知っておきたいリスクを徹底解説
FX会社は「国内FX会社」「海外FX会社」の2つに分けられます。
近年は海外FXの人気が急上昇していますが、メリットだけでなくデメリットがあるのも事実です。
この記事では、海外のFX会社を使うなら事前に理解しておきたいデメリットについて詳しく解説していきます。
なお、海外FXのメリットについては以下の記事で解説しています。
デメリット1.スプレッドが広い
海外FXといえば「スプレッドが広い」とよく言われますよね。
事実、国内FXを使っている人からしたら、海外FXのスプレッドは広いと感じてしまうのは事実です。
金融庁認可の国内FX業者のスプレッドは、スプレッド競争によって、年々狭くなっている印象です。
【DMM FXのスプレッド】
米ドル/円:0.2pips
ユーロ/円:0.5pips
ユーロ/米ドル:0.4pips
【GMOクリック証券のスプレッド】
米ドル/円:0.2pips
ユーロ/円:0.5pips
ユーロ/米ドル:0.4pips
しかも、原則固定数プレッドですので、スプレッドは大きく変動することは、相場の急変動時しかありません。
国内FX会社はスプレッドの安定性と狭さにおいて優れています。
一方で海外FX業者のスプレッドはどうでしょうか。
筆者独自で海外FX会社のスプレッドを計測をしてみました。
今回は海外FX会社5社の平均と、海外FX会社の中でスプレッドが比較的狭いと言われているBigBossのスプレッドを見てみます。
【海外FX業者への平均スプレッド】
米ドル/円:2.18pips
ユーロ/円:2.94pips
ユーロ/米ドル:1.91pips
【TitanFXの平均スプレッド】
米ドル/円:1.23pips
ユーロ/円:1.57pips
ユーロ/米ドル:1.09pips
スプレッドが狭いと言われているBigBossでも、国内FX業者のスプレッドの3倍程度のスプレッドの広さになってしまうのです。
このスプレッドの差は、国内FXと海外FXの「注文処理方式の違い」が大きく影響しています。
国内FXは一般的にDD方式を採用しており、FX会社のディーラーの裁量によって、顧客の注文をそのままFX会社が受けてしまうケースが多いのです。
カバー先のLPなどに顧客の注文を流さないため、顧客が支払うスプレッドはそのままFX会社の利益となります。これが、FX会社のスプレッドが狭い理由です。
一方の海外FX会社は、社内にディーラーを置かない「NDD方式」を採用している場合が多いため、顧客の注文はそのままカバー先の銀行等のLPへ繋がれます。
そのため、カバー先につなぐ際の手数料が間接的に顧客のスプレッドに乗ってくるため「海外FX=スプレッドが狭い」という状況になってしまっているのです。
ハイレバレッジトレードが可能とは言え、海外FXトレードでは、1回のトレードコストが割高になるデメリットがあります。
トレード回数が大きくなるスキャルピングやデイトレードのトレードスタイルの投資家にとっては、よりトレードコストが大きいというデメリットがのしかかるのです。
デメリット2.信託保全が手薄
国内FX業者の場合は、2009年の金商業等府令の改正によって、FX取引に係る証拠金の預託を受けた場合の区分管理方法が、信託会社又は信託業務を営む金融機関への金銭信託に一本化されました。
弁護士などの受益者代理人が顧客資産保全のための権限を行使する決まりです。
簡単に言えば、投資家の資金は、信託会社や信託銀行に信託され、万が一、FX業者が経営破綻しても、投資家の資金は、受益者代理人によって投資家に返金されるスキームになっています。
これが完全な信託保全のスキームなのですが、海外FX業者の場合は、このスキームに対応している業者はほとんどありません。
【海外FX業者の資産管理方法】
7割程度:分別管理のみ
2割程度:保険や投資家保護基金による一部信託保全
1割程度:信託保全
という状況です。
保険による信託保全は「どのくらいの補償が受けられるのか?」明記されていないケースが多く、投資家保護基金による一部信託保全は、海外FX業者の日本人向けのマイナー国に設立した子会社では利用できないものが多いのです。
英国FCAやキプロス証券取引委員会(CySEC)など主要国の金融ライセンスを取得するときには、この投資家保護基金への加入が義務付けられています。しかし、英国FCAやキプロス証券取引委員会(CySEC)の金融ライセンスで日本人投資家向けのサービス提供ができなくなっているため、投資家保護基金を利用する海外FX業者も激減しているのです。
海外FXトレードをする場合には、海外FX業者倒産時に投資家の資産は戻ってこない可能性が高いのです。
唯一、完全な信託保全に対応している海外FX業者は「AXIORY」だけです。
デメリット3.税金が割高
国内FXで得た収益というのは「源泉分離課税(他の所得と分けて課税される)」方式で課税されます。
国内FXの税率
所得税:15.0%
復興特別所得税:0.315%
住民税:5.0%
一方、海外FXで得た収益というのは「総合課税(他の所得と合算して課税される)」方式で課税されます。
海外FXの税率
■所得税
■復興特別所得税
所得税額の2.1%
■住民税
市町村民税:6.0%+3,000円
道府県民税:4.0%+1,000円
つまり、復興所得税を除いた税金は以下のようになります。
海外FXで得た収益以外の所得金額(給与所得など)が少なく、海外FXで得た収益の金額も少なければ、海外FXの方が税金が少なくなりますが、多くの場合は、国内FXの方が税金は安くなるのです。
しかも、国内FXには以下のような税制上の優遇が存在します。
3年の損失繰越(損失は、翌年から3年間の繰越控除が可能)
損益通算(店頭FX、取引所FX、くりっく株365、CFD、株価指数先物、商品先物、バイナリーオプション、カバーワラントなどの投資と損益通算できる)
稼いだ収益が同じであれば、国内FXトレードの方が手元に残るお金は大きくなる可能性が高いのです。
これも海外FXトレードの大きなデメリットと言えます。
デメリット4.出金時に手数料が発生する
ほとんどの国内FX業者が出金手数料を無料にしています。
また出金スピードについても、以下のような場合がほとんどです。
平日15時までの出金予約は翌金融機関営業日に出金
平日15時以降および土日祝日の出金予約は翌々金融機関営業日に出金
海外FX業者の場合は、出金方法が複数用意されていますが、基本的には海外送金か、国際決済サービスを利用した出金になります。
国境を跨いだお金のやり取りが必要になるわけですから、必然的に出金コストやスピードに悪影響がでてきます。
出金手数料は1回3,000円前後が相場で、出金スピードは5営業日程度に設定している海外FX会社が多いです。
bitwalletのような国際決済サービスによる出金は手数料が安く、出金スピードも早い傾向にあります。しかし、海外FX会社の取引口座とご自身の保有する国内銀行口座の間に国際決済サービスの口座を挟む必要があるため、出金手続きが煩雑になるというデメリットがあります。
【bitwalletの場合】
出金手数料→1回824円前後
出金スピード→数日
という設定が公表値です。
国内FX業者と比較すると、海外FX業者の場合は出金時に手数料が発生し、着金まで時間がかかります。
ただ、BigBossやXMなどの一部の海外FX業者は「国内送金による出金」に対応しており、手数料が無料で翌営業日に着金できます。
国内送金による出金であれば、国内FX業者と大きな違いはありません。
デメリット5.完全に日本語対応していない
国内FX業者の場合は、日本語でサービスサイトが構築されており、当然のように日本人がカスタマーサポート対応をしてくれます。
海外FX業者の場合も、日本向けにサービス提供している海外FX業者であれば、日本人のスタッフが在籍している場合が多いです。
しかし全員が日本人というケースはほぼないため…
サポートが日本語が話せる外国人
日本語サポートがあるが時間帯によっては日本人スタッフが不在で対応が外国人になる
日本人スタッフが退職して辞めてしまう
ウェブサイトが英語
ウェブサイトの日本語翻訳が微妙で、意味が分かりにくい
利用規約、ボーナス利用規約が英語のみ
マーケットレポートが英語のみ
ウェビナーが英語
入金出金画面が英語
取引ツールが英語
ボーナスの説明が英語
トレードコンテストの説明が英語
というケースが少なくありません。
カスタマーサポートやマイページの日本語が完璧でないため、思わぬミスコミュニケーションや事実誤認が発生する可能性もあります。
海外FXに限りませんが、海外資本のITサービスを利用する場合、言語の壁は大きなデメリットになりうるので注意が必要です。
筆者がオススメしている海外FX会社の「BigBoss」と「XM」はどちらも、日本人スタッフが数名在籍しているようで、カスタマーサポートやWebページも日本人にとって全く違和感のないクオリティでサービスを提供しています。
上記のような大手ではなく、新興の海外FX会社を使用する場合は十分注意しましょう。
デメリット6.口座凍結というリスク
海外FXに限った話ではありませんが、口座凍結のリスクは常に存在するため注意を払う必要があります。
特に国内FX業者と異なり、海外FX業者の場合は…
口座が一定期間利用されていなかった。
海外FX業者が禁止しているトレード(アービトラージ、一部のシステムトレード)をしてしまった。
というケースで「口座が凍結されてしまう」ことが少なくありません。
よほど、悪質な投資家でなければ、口座凍結されても、サポートに連絡することで凍結を解除してもらえることが多いです。
しかし、日本人投資家にはなじみのない制度ですので、はじめて口座凍結されてしまった投資家は、驚いてしまう方も多いようです。
かくいう私も海外FXを利用していて口座凍結をされたことはありますが、完全に口座が使えなくなったり、利益や資金を没収されたことはないので、普通に使っていればまず問題ないと思います。
デメリット7.約定スピードが遅い
国内FX業者の場合は基本的に「呑み取引」を採用しているため、取引相手がいない分、約定スピードが早いのが特徴です。約定力も当然高いです。
上記のような1対1のやり取りで完結しますからシンプルです。
<国内FX会社の公表している約定に関するデータ>
【マネーパートナーズ】
200件の調査で、スリッページ発生0件:約定率100%
【LION FX】
・約定率:99.9%
・約定スピード:0.001秒
一方、海外FX業者の場合、投資家の注文はリクイディティプロバイダーへのカバー率が高いため、以下のようなルートで注文が流れます。
注文の情報が伝達する回数が多い
日本とロンドン/ニューヨークという地理的な距離がある(地理的な遅延は、200~300ミリ秒)
上記のような理由で、どうしても約定スピードが遅くなってしまうのです。
約定スピードが遅くなればなるほど、約定率も下がってしまい、スリッページが発生してしまいます。
海外FX業者の方が、約定スピードが遅く、約定率が低くなるデメリットがあるのです。
これを解消する手段としては…
海外FX業者の提供するVPSサーバーを使う方法
東京サーバーを利用している海外FX業者を使う方法(BigBoss、XM、AXIORY等)
があります。
地理的遅延(レイテンシー)をなくせば、国内FX業者と同レベルまではいかないものの、約定スピードと約定率を高めることは可能です。
デメリット8.海外FXは、トレードプラットフォームが高度
海外FX業者は、ほとんどの業者がMT4・MT5(メタトレーダー)を採用しています。
MT4・MT5(メタトレーダー)は「高度な分析ができる」「自由にトレード方法・分析方法をカスタマイズできる」という特徴を持っており、世界で最も普及しているトレードプラットフォーム。
しかし、FX初心者が利用するのには、慣れるまでややハードルがあるのも事実です。
かなり良い方は良くないですが、国内FX業者は「呑み取引」を採用しているため、負けやすいFX初心者をターゲットにしています。つまり、初心者にやさしいプラットフォームや自動売買システムを用意している傾向が強いです。
FX初心者が使えるトレードプラットフォームという意味では、海外FX業者の提供するMT4・MT5(メタトレーダー)は、若干使いにくいデメリットがあります。
日本人投資家に人気の「未来予想チャート」「トラリピのようなリピート系の自動売買ツール」は、用意されていません。
MT4・MT5はチャートを分析するインジケーターや、専用の自動売買プログラム(EA)が充実していますが、これらをチョイスしたり使いこなす腕もトレーダー次第なので、やはり初心者にはハードルが高いのは事実でしょう。
まとめ「デメリットを理解して海外FXの恩恵を最大限に受け取ることが重要」
海外FXトレード、海外FX業者のデメリットをまとめると以下のとおりです。
デメリット1.スプレッドが広い
デメリット2.信託保全が手薄
デメリット3.税金が割高
デメリット4.出金時に手数料が発生する
デメリット5.完全に日本語対応していない
デメリット6.口座凍結というリスク
デメリット7.約定スピードが遅い
デメリット8.海外FXは、トレードプラットフォームが高度
個人的に、海外FXトレードの最大のデメリットは、やはり「スプレッドの広さ」だと感じます。
ハイレバレッジトレードができる分、一回のトレードで得られる稼ぎは増やすことが可能ですが、スプレッドが広がるため、1回のトレードで十分なpips数を稼ぐ必要が出てくるのです。
また、税金も高くなるため、稼いだお金は大きくなっても、取られる税金も増えてしまうデメリットがあります。
ハイレバレッジトレードができる、ボーナスがあることで、投資資金は同じでも大きなポジションを持てるメリットと、トレードコストが割高になるデメリットを比較検討して、海外FXトレードをするかどうか決める必要があります。
「スプレッドの広さ」「税金の高さ」以外のデメリットには、回避策もあるため、それほど重要性は高くありません。
この記事で海外FXの弱点をしっかり把握し、リスクを理解したうえで利用すれば、国内FXより収益率、資金効率が良いことは間違いありません!
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