黒木啓司さんの芸能界引退によせて

黒木啓司さんが芸能界を引退する。

啓司さん(KEIJIさん表記もさせてください…)は、いわゆる私のファーストセレブリティクラッシュでした。というか後にも先にも、クラッシュと言えるのはKEIJIさんだけだと思います。

そして私の根本的な人生観と音楽嗜好は、彼の所属していた二代目J Soul Brothersというグループによって築かれたと言っても過言ではありません。

そんな激重感情を拗らせてきた人間の青春が、とうとう終わろうとしています…


二代目J Soul BrothersとKEIJIさんという存在

始まりは今から14年前、EXILE PERFECT YEAR 2008のアルバム三部作の一つ『EXILE ENTERTAINMENT BEST』の特典DVDに入っていた、1つのMVでした。

バチバチにアングラなのにキャッチーな音楽と、圧倒的なボーカルのパワーに衝撃を受けつつ、
暗いセットの中でも異常な身体さばきを見せる、1人の男性に目を奪われた小学生女児。
「この人はいったい?!?!?!!?」…それがKEIJIさんでした。

そもそもあのベストのおかげで、T.Kuraさんミュージックの虜になっていましたので、当然曲もめちゃめちゃドツボだったのですけれども…
何よりボーカルが最高でして……(ボーカルの話をしだすとこれだけで2万字超えるので終わります)

それまで音楽を歌でしか聴いてこなかった私にとって、KEIJIさんのダンスは、音楽を音で掴んで楽しむようになるきっかけというか、初めて音楽とダンスを結びつけてくれたものでした。
元々EXILEが大好きだったはずなのに、あくまで「歌」と「ダンス」としか認識できていなかったのです…
(まあ私自身はドのつく運痴のため、ダンスは小学校のクラブ活動でちょこっと挑戦しただけで早々に見切りをつけるわけですが…)

唯一にして至高、伝説の一枚となったメジャーデビューアルバムの『J Soul Brothers』の発売日。
今でも覚えています、地元から電車で横浜駅の地下にあるCDショップまで行って、初回限定版を手にしたあの瞬間を。
これからメジャーの世界で、EXILEよろしくトップスターとなっていく、この才能と実力を世に知らしめていくであろう彼らに、大きな期待と憧れと、夢を抱いていました。

しかし2009年3月1日、EXILEへの吸収事件により、それは突然奪われてしまいます。
当時あまりにショックで、そしてなんとなく大人の汚い世界を見てしまった気がして、
ある意味一つの世界が終わってしまったような、自分の夢も潰えてしまったような気持ちでした。
それでも、きっと二代目がまだ何かやってくれるはずだと思えていたのは、KEIJIさんの言葉があったからです。


二代目アルバムのDVDの中に、EXILEのドーム公演に参加した際の舞台裏映像があるのですが、そこでKEIJIさんは

「EXILEとは違った、俺らは俺らの形をちゃんと バンって見せられる場を与えてもらったんで、」

とかなり強気の尖ったコメントをしているのですけれども、

なんというか、啓司さんを好きな理由、信頼している理由はいくつかある中で、
この一言が一番大きいというか、啓司さんの信念を端的に象徴している気がしていて…

肩書きやキャリアがどうであれ、「俺らは俺らの形」があるということ、それを見せたいという思いが根源にあるんだということ、
反骨精神すらうかがえるこの尖った言葉を、私は信じていたんです。

二代目JSBという形は無くなってしまったけれど、きっと二代目メンバーで何かすごいことをやってくれるんじゃないか、ゆくゆくはこの7人だけでEXILEを担って、より広くあの才能をお茶の間に、世界に知らしめていくのではないか、

絶望の中で見直していた映像の、このたった一言だけで、これからも変わらず応援したいと思えました。


しかしながら、大好きなネス将が一向にシングルで歌わない、
そして肝心の楽曲自体も当時の潮流だったジャンルに傾倒し、
ほかのアーティストやアイドルと似たような曲ばかりになっていく…(今冷静に聴くといい曲もたっくさんあるのですが…)

EXILEの勝ち得た栄光を残したいがために、将来有望でしかなかった才能ある彼らの芽を早々に摘み取った(ようにしか見えなかった)事務所や、
栄光を残すどころか徐々に淘汰されていき、自分の憧れの存在が「オワコン」的な立ち位置になっていくことに耐えられなかったこと、
また成長と共に違う音楽にのめり込んだりもあって、今で言う「推し活」からはフェードアウトします。

けれどただそれ以降も、SECOND始動を知った時は大泣きして大騒ぎしたし、
歌割りや曲に逐一文句を言いつつも、毎回一番豪華な盤を購入したし、
情報だけは追えるようにとメンバーのSNSも即フォローしました。
これも本当に、ずっと二代目が大好きだったのと、やはりあの啓司さんがいるということに、根拠のない信頼を寄せていたからです。

二代目の楽曲とパフォーマンスは、私の音楽の解像度を格段に上げてくれた、情熱を呼び起こしてくれたものであることは間違いなく、(曲の話をしだすとこれだけで2万字超えるので終)
おかげでたくさんの音楽に触れるようになったし、歌をやるようになったし、
またメンバーの歩みや垣間見える精神面にも常に励まされてきて、
本当に大きく、私の人生に影響してきた存在でした。

中でも啓司さんには、EXILE・SECONDの活動においてもいつも喜ばせてもらって、支えられてもらっていました。

啓司さんにしかできないあの身体さばき、音楽を内から愉しんでいるようなダンスが何よりも大好きだったのはもちろんのこと、
要所要所での発言や行動も、私にとって嬉しいことばっかりだったのです。



長年の夢が叶ったLIVE ONLINE

2020年、SECONDのLIVE ONLINEで、啓司さんは私の長年の夢を叶えてくれました。

何の気無しにTwitterを眺めていて見つけた、LIVE ONLINEのセットリストに私は顎を落とします。

「STAY」

<ネス将が歌うSTAYが聴きたい>
を死ぬまでに達成したいウィッシュリストに入れていた私は、
今まで感じたことのない電撃を食らうと同時に確信しました。

「これ、絶対啓司さん発案でしょ?!」と。

即チケット購入したはいいものの、
そんなことがあっていいのか、こんな急に叶えられてしまっていいのか、
いや、知らない間に同タイトルの曲をリリースした可能性も…
としばらく受け入れられず、謎に鑑賞まで数時間置く(?)などしてから、
部屋の明かりを消し、全集中で鑑賞。
誇張なしで数十回、視聴期限が終わるギリギリまで観続けました。
(LDHさん、契約終了前になんとか円盤化おねがいします)

EXILEで一番好きな曲であるSTAYを、一番好きなボーカルデュオで聴くという夢が叶ったこと、
そしてそれを他でもない啓司さんが実現してくれたということに、
長年どこかに追いやられていた幼心が救われたような、言い表せない感謝の思いでいっぱいでした。
EXILE加入から11年、ようやく何か大きく報われたような、
「やっぱりやってくれた…!」みたいな気持ちもあって…
コロナと個人的な問題で当時かなり鬱気味だった私が、
「これまで生きてて良かったな、生きていくことも歳をとることも悪くないな」と思えた瞬間でした。

ただ人間は欲深いもので、
「ちょっとアレンジがトゥーマッチな気もしたな、オリジナルバージョンでも聴きたかったな…」なんて思っていたら、
その後のCLのビルボードライブで実現してくれたりね…

しかもあろうことか、三代目のLIVE ONLINEで二代目が復活してしまうなどして、短期間で大変なものを目撃してしまってね…

いつかまたどこかのタイミングで、二代目が復活してくれるんじゃないか?なんて期待も抱いてしまうものの、
啓司さんが芸能界そのものから引退してしまうことによって、ああもういよいよ、二代目があのメンバーで復活することはないんだなと思ってしまうのが辛いところです…
あんな奇跡を目の当たりにしておいて、人間というものは本当に貪欲ですね…



啓司さんのEXILEと音楽への愛

14年という長い年月の間、何だかんだ彼らから目が離せなかったのは、
「自分が好きなEXILE」のために口を開き、力を尽くしてくれる啓司さんがいたからだなと、心から思います。

STAYのこともそうですが、
1章のことは口にしない的な暗黙の了解がある中、
好きな曲を聞かれた時必ずと言っていいほど1章の曲を挙げてくれたりとか、
もう書き出すとキリがないのですけれども…
(↓9:28〜みてください…)

なんというか、「自分が好きなEXILE」というものに対して、めちゃめちゃ愛を持っている人なんですよね、、

これは私の持論なのですが、
EXILEは20年という月日の中で幾度も形を変えて活動してきたわけで、
自分にとってのEXILE像(何章とか時代とか、メンバーとか音楽とか)というのが、ファン同士でも違うように、
メンバーの中でも、それぞれEXILEとの出会いがあって憧れがあって、それぞれの人生があって、目指している、憧れているEXILE像が違うと思うのです。

啓司さんは、自分が憧れていた、好きだったEXILE、やりたかったEXILEというのを、
どのメンバーよりも、真っ直ぐに目指して発信してきた人だと思うのです。

そしてそれが、私の好きなEXILEと近かったのではないかなと、勝手に思っています。
いや啓司さんとしては、自分が好きな音楽や好きなEXILE像をただ実践したかっただけだと思うのですが、
結果それは私を含め、ファンが待ち望んでいたこととばかりだったというか…
EXILEが変化する中でも、どこまでもファンが喜ぶことをぶつけてくれたというか。
それが「一番のファン思い」という認識にも繋がっているんだろうなと思います。

あとうまく言えないのですが、
啓司さんは本当に心から、<音楽>というものが好きなんだろうなということ。
絶妙な重さと軽さ、色気と誠実さ、確固な芯と柔軟な空気をまとった啓司さんの体さばきとダンスは、音に乗り楽しむためのダンス、まさに音楽のためにあるダンスだなと、ダンスド素人の私は思っていて、そんなダンスのスタイルからもわかるように、
啓司さんは本当に音楽が好きで、音楽と共に生きるために生まれてきた人なんだろうなと(密かに彼のボーカルデビューを待っていた人もいるのではないでしょうか笑)、
そして自分のグループとボーカルのことをよく理解し、愛と誇りを持っているということをひしひし感じるのです…
(私は Storyは歌割りも啓司さんがしたんじゃないかな、なんて思っています…)

そういうところを啓司さんは見せ続けてくれていたから、
儲け資本ではなく、ただ本当にやりたいこと、好きなことを追求しているんだ、というように思えて、彼を信頼できた、
この人がいる限り、必ず何かしてくれるのではないか、きっとあの曲が見られるんじゃないかという期待を持ち続けられたのだと思います。

とにかく、私にとって啓司さんは、
EXILEやSECONDを応援する理由で、
EXILEやSECONDというグループに光を与えてくれる存在で、
私が見たいEXILEやネス将を、節々で叶えてくれた人だったのでした。


あとは勝手に、自分との共通点を見出していたところもありました笑
尖った性格とか、B型とか、怒ってないのに「怒ってる?」とか言われがちなお顔とか…
あと、EXILE mobileにあった二代目のプロフィールページで、
好きな音楽の欄に「Human Nature」とあったことも、やたら嬉しかったな…笑
「Human Nature」は母が大ファンであるTOTOのメンバーが制作に関わった曲で、胎教として聴いていたサウンドというのもあってか、小さな時から世界で一番好きな曲なのですよ…

あとどんどん話がそれますが、
芸能人はプライベートを隠すべき、的な奇妙な雰囲気が漂っているこの国のファンダムの中(そしてLDHももれなくそれ則っている中)、
どんどんしたいように発信していらっしゃるのも超素敵で…
見ましたかあのウエディングフォト…最高でしょ………

私自身父親がいない家庭というのもあって、最近の啓司さんのSNS投稿には、
私の中のインナーチャイルドが救われていたりします……



最初で最後のライブ

1度もライブに足を運ばずフェードアウトしてしまった、
そのくせ過去のEXILEに後ろ髪を引かれまくっている私は、
なんかこのままじゃ死んでからも未練が残りそうだなと常々思っていたのですが、

今回のツアーでATSUSHI復活のニュースを聞いたこと、
そしてやはり、引退という文字が出てくる前に一度、現役の啓司さんのパフォーマンスを見ておかないと一生やりきれない思いを引きずるんじゃないかと思い立ち、
ダメもとで初めてライブのチケットを申し込んだところ、
7/14、POWER OF WISH 東京公演の2日目にまさかの当選を果たしたのでありました。
まさかそれが啓司さんの最後のツアーになるなんて思ってもいませんでしたが…


やはり圧倒的で絶好調だったATSUSHIのボーカルに、これまた報われた思いを噛み締めたライブでしたが
何よりあのMCにでくわせたことが嬉しかったです…
そう、DIAMONDのやつね…

このツイートしてた後だったので(今見るとめちゃめちゃ気持ち悪い)、
おかしいな、どうやらやらない雰囲気だな?!と思っていたところ、

ピンポイントで曲に触れてくれたこと、
初めて見るレベルで泣きながら、好きな歌詞まで伝えてくれたことがもうどうにも嬉しくてしんどくてありがとうで、
気がつけば本人を遥かに凌ぐヴォイ泣きをかましていました。
ただATSUSHIさん、DIAMONDが好きなことはずっと言っていたよ…!

あの瞬間は、私の中に永遠に刻まれて、思い出すたびにキラキラ輝くのだろうな。
今は辛い気持ちの方が強いけど、また頑張っていけるというか、最後の最後にまたそういうものをもらってしまったのでした。

ソロのEVOLUTIONも、啓司さんセレクトだと言っていたり、また嬉しいことばっかりでね…

さて、今更ながら、なぜ私はこのタイミングでこんな激重長文を書いているのか。この前ので最初の最後と言いつつ、
日付変わって今日、最終東京ドーム公演、1日目に行ってきます!ワー!

本当の最終日は外せない予定もあって避けました…最後の最後を見送るなんて耐えられない正直…

DIAMONDで嗚咽している人間がいるかと思いますが、周りに迷惑をかけないようにだけ気をつけたいと思います。
(あんなに印象的なMCやっておいて、やらなかったら将来成仏できそうにないのでおねがいします…)

いや啓司さんに踊ってほしい曲なんて挙げたらキリがありません。ツイートの通り、まだまだまだまだやってほしい曲たくさんあります。
欲深いのでやっぱりSTAYを生で見たいし、二代目の曲は全部見たいし、Your eyes only 、New Jack Swing、初代JSBのFollow me…

ただ、やってほしい大好きな曲は数あれど、
今は瞬間エターナルみたいな、底抜けに希望を感じられる曲を聞くのが唯一の救いですね…
自動的に涙が出てくるし、とっても辛くて寂しいけど、
二代目やSECONDの音楽の眩しさは、永遠に、私が歳を重ねるたびに純度を増していくのです。
想像はコズミック どうせやるならダイナミックなのですよ…(?)



最後に

誰に届けたい訳でもないですが、このまま思いを発さずにいるとまた心が置いてけぼりになってしまう気がするので、感情のままに書き荒らしてきました。
誰もここまで読んじゃいないとは思いますが、お目汚し大変失礼いたしました…

最後に、私の激重感情にケリをつけさせてください。


KEIJIさん

たくさんの人の、私の人生を彩ってくれてありがとうございました。
自分の信念と意見を持って、発信していくこと、実現していくことを教えてくれて、ありがとうございました。
そして私の夢を叶えてくれて、本当に本当にありがとうございました。

私は啓司さんの歩みや言葉に、何度も励まされてきました。
強い思いがあれば夢は必ず叶うんだと、本気で信じている大人になることができました。

「WE!」のMVで目を奪われたあの日からこれまで、KEIJIさんを応援し続けてきて良かったです。
KEIJIさんというアーティストに出会うことができて、本当に良かったです。

啓司さんが、大切な方々とずっと健やかでいられること、そしてご自身が本当にやりたいことを自由に実現できることを、心から祈っております。いつまでも応援しています!



今日、感謝の思いを懸命に伝えつつ、全力で楽しみたいと思います!!

よっしゃー!!!!!

(退場BGM:バンザイ〜好きでよかった〜)


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