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ただいま、おかえり。

MANKAI STAGE A3! ACT2! SPRING 2022
待ちに待ったACT2、行ってきました!
4月の初日と29日の前楽へ…!

ACT2!の今回は、MANKAIカンパニーが再始動してから2度目の春。
各組に新劇団員が卯木千景さんが加入。
春組の"家族"としての在り方が揺らいで、それでももう一度家族になるお話。

凱旋公演では、地方公演を経てどんな風に変わっているだろう、とか。
久しぶりに公演数が多いけど体調は大丈夫かな、とか。
観客なのか身内なのか、時々不思議な感覚になるエーステ。
舞台の上から「カントク!」って呼びかけてくれるからで、MANKAIカンパニーのみんなが私を"カントク"にしてくれるからかなぁ…なんて思ってる。

立花いづみちゃんは私なんかよりずっと強くて素敵な女性なので、キャラクターにいつも深く感情移入するわけじゃないけど、エーステの世界にいる間は、私がカントクなんだと思わせてくれる。

〈1幕〉

今回のオープニングもそうだった!
地方公演が終わって寮に帰ってきた春組と、寮で待っていた他のみんなに「おかえりなさい!カントク!」って呼びかけられた瞬間に音楽と光がブワッと広がってみんなに迎え入れられる。

もうあの一瞬で感極まってしまって……。
エーステに帰ってきたんだ〜!って一気に引き寄せられるあの感じ、とってもしあわせ…。
ただいま、と同時におかえり!と抱きしめるような気持ちで始まった、そんなACT2だった。

幕開け前の曲も新しくなっていて、オープニング曲も新曲で、新しい季節が、それも新章であるACT2が始まったんだなって1番実感した瞬間かもしれない。

新団員のシルエットから、舞台上に千景さんが登場する演出も本当にワクワクして、これから先の季節にも期待せざるを得ない!あんな演出されたら!


そして、はじめましての千景さん(染谷俊之さん)。
初日に一度観てるけど、この千景さんを好きにならないのは無理じゃない???
と思っちゃうくらい、仕上がってる……。

まず立ち姿が立ち絵そのものだし、仕草の説得力がすごい。
飄々として滑らかな口調。口から言葉がスラスラ出てくる。
考えるよりも早く口が動いてるってこちらが感じるぐらいで、ああやって嘘をついて生きてきたことを感じる。
身軽な動き。身体能力の高さがわかる。
手品の手捌きも、綺麗でとても慣れている…。

服の襟元をピッて引っ張って直す仕草をよく見て、とても印象的だった。
後半にいくにつれて減った気がするから、落ち着かない感じとか嘘で覆った心を隠そうとするような仕草だったのかも。
組織時代に着てたフードの服を引っ張る名残かもしれないとも思った。

「教えて千景さ〜ん」の曲も、原作の千景キャラソン、ペテン師の憂鬱の要素がすごくはいってる感じがした…Yuさんならやりかねない……最高です…。
耳馴染みのある音で、千景さんの曲だってすぐわかるのがすっごいし、あれがエメラルドのペテン師にもつながっていくのね………。

真澄くんがいなくなってしまうくだりでは、高橋怜也くんの演じる真澄はすごくピュアでいじらしくて幼さが見えて、牧島輝くんの真澄とはまたちょっと違う印象。
とにかくかわいいんだ…絆されてしまうよこのカントクは…。

劇団をやめたくない、カントクとみんなとずっと一緒にいたいと歌う曲は、曲の感じも演出も、春単1の「ジレンマ」を思い起こさせた。
歌い方や手振り、立ち位置とか……あえて寄せてたのかな〜

トルライで歌った新しい組の曲やリーダーのソロとかもBGMとして使われてて、そういうところもエーステの好きなところ。

「家族ってなんだろう」の曲は、真澄を迎えにきた春組のあたたかさ、5人の絆が眩しいほど月下の影が濃くなるここのシーン、千景と密の2人が本当にキツい…表情や動きがつくことでアプリで読んでた時よりずっとつらいシーンだなと思った………。

この曲は冬組も一緒に踊ってたけど密くんだけ踊れなくて…思い詰めた顔で後ろをついていくだけで……千景は暗いところから嘲笑うような表情で見てるし…。
春組のやさしい空気感で微笑ましい気持ちになると同時に真逆の感情で突き刺してくる。
やめて〜〜〜〜〜〜〜

〈2幕〉

染谷さんに千影さんをやってもらえて本当に良かったなと心から思った2幕。

まず、カントク監禁シーン。
どんな演出でくるかと思ったら会場真っ暗になって千景の声だけが聞こえて"目隠しされている"状態……!
最初に体感した時すごすぎてぞわぞわした…。

監禁場所とMANKAIカンパニーの様子が交互に見える演出もすごく良くて、稽古場で台詞を言う咲也は千景のことを見てるけど千景は背を向けている。
最初の頃の稽古で、一度も目が合わなかったって言ってたけど、この場面まできてもずっとそうだったんだろうな。目を合わせられなかった。

カントクが千景に投げかける台詞が咲也の自主練と重なる演出、凄すぎないか……。
「ちょっとイマイチかな〜」「うんうん!いい感じ!」
咲也くんが独り言として自分自身に言った言葉であり、カントクが千景さんに言った言葉になっていて、演劇だからこそ観られた表現だしエーステだからできた場面だと思った。

冬単の時も、東さんの過去回想を本人がやるんじゃなく、他の劇団員のストリートアクトと重ねた場面がすっごく良くて、演劇的表現のおもしろさを再発見。

そして、密くんが千景のもとへ向かう前の冬組とのシーンが大好きだ…。
これ書いてる今も思い出して泣きそうなんだけど……入団当初あれだけ距離があって、互いに遠慮して線を引いてた冬組が、密の過去を「一緒に背負う」と言って隣にいることがうれしいし、胸がギュッてなる。

本人が話そうとしないなら無理に聞き出さない冬組が好きだし、聞き出さないのも放っておいてるわけじゃなくて密の気持ちを思いやってのことで、最初の頃の"距離感"とACT2の今感じる"距離感"は似ているようでまったく別物なんだよね〜〜。


監禁場所での千景と密のやりとりは表情含めて本当にみているのがしんどかった…。

「みんなは受け入れてくれる。思い出はまたつくればいい。」と言って薬を飲もうとする密くんの悲しそうに微笑む表情もつらい。
みんなのことを忘れたくないけど千景のことを取り戻したい一心での行動なんだな…。

密が飲もうとした薬を叩き落とした千景は、結局優しさが捨てきれてなくて長い間密を憎むと同時に失ったことを深く悲しんでもいたことが伝わってくる。

薬の瓶がパリン、と割れた音が、復讐心で保っていた千景の心が砕けた音にも聞こえてしまって…。
復讐が果たされなくてよかった。
2人が話をできてよかった。

戻ってきたけどボロボロの状態の千景のことも、見てるのがあんなにキツいとはゲームの立ち絵を見ていただけじゃわからなかった。
稽古中のオズワルドの台詞「騙される方が悪いんだよ」が本当に苦しそうで、組織に騙されて密を憎んでいた自分に対する嘲りや怒りが混ざってどうしようもなく揺れる感情が伝わってくる。
役者さんって本当にすごい……。

出て行こうとする千景を、自分じゃ引き止められないとわかっていて咲也に連絡した至も、みんなで探しに行くっていう行動を後押しした綴も、それぞれが自然と自分にしかできない役割を担っているバランスの良さが春組らしさでもある。
復讐は果たせず、オーガストの「生きて」という言葉があるから死ぬことも許されない。どうすればいいかわからない。
そんな状態で千景さんが1人にならなくてよかった…咲也くんが止めてくれてよかった……。

舞台の上で咲也と千景が会話する場面。
眼鏡を外して咲也の話を静かに聞く表情がとても印象的だった。
ここが居場所、新しい家族だと言われた時の、裏切ったことへの罪悪感、でも受け入れてもらえることの喜びや複雑な気持ちがない混ぜになった表情。
咲也1人の歌から他の4人が入ってくる曲、春組のあったかさがギュッと詰まってて大好きだな…。

そして朝、6人が2組の布団でかたまって寝ているところ。みんなの寝方とか、スチルへのこだわりを感じてまた一段とエーステへの信頼が増したシーン!
もっと感激したのが配信で観た時!
その場面のためだけに布団の真上からのカメラが用意されてて、上から観えるようになってた……すごいこだわり………。

人と一緒に眠れないと言ってた千景さんが春組に囲まれて寝ている…これがみたかった〜〜〜〜本当に良い場面。

「頭よりも先に、身体が認めちゃったのかもな」
千景さんの1番大好きな言葉です…。


そして劇中劇、"エメラルドのペテン師"
ACT2の今回、2幕構成で劇中劇1本になっている分、劇中劇の時間も長めでたっぷり濃い内容になってるなと感じた。嬉しい。

やっぱり私は春組公演の王道ど真ん中な世界観が特に好き。
公演が始まって音楽がかかった時のワクワク感ったら…!高揚感で溶けそうになる。

縦横無尽に動き回るオズは本当にいきいきとして見えて、飄々と簡単に人々を騙していく。
リックのかわいさは天才的…!まっすぐで純粋で、咲也くんにしかできない役。
魔法使いたちも個性豊かで大好き。
公演を観て特に好きになったのは北の魔法使いかなぁ。
ふんわりした優しい喋り方と優雅な仕草、マントの扱い方が最高だったよシトロン……。大きな帽子も似合っててかわいい。

劇中の心の声で、シトロンが「種も仕掛けもない千景、かっこいいヨ!」と言った時、ウワァァァァ!!!って私の心の中も大暴れした…。
「種も仕掛けもない」なんて、"SEEDS"じゃん……。
その台詞、意識してないわけないよね…?
原作へのリスペクト、愛、本当にすごい…。ありがたい……。


公演が終わって、密と千景のシーン。
2人の中にはずっとオーガストがいてずっと大切な家族だってことは変わらないし、2人がこうして大切な人を思い出しながら話ができるようになって、よかった………。
ここもスチル完璧再現でありがとうございます…。

最後、カントクヘ向けた千景さんの言葉「俺たち、家族なんだろ」そしてそのあとの笑顔…!
千秋楽の配信を観た時、今まで見たことない笑顔だった……(滂沱)
嘘じゃない顔で笑えるようになったあの笑顔、愛おしくてもともと大泣きしてたけどもう涙腺がバカになってしまった…。
私が守る!!!!!!の気持ちです。本当に。心から。

そして最後は「Welcome to MANKAI STAGE〜」
このANSWERSという曲、オープニングの時は観客へ向けての「ようこそ!」だったけど、最後は千景さんへ向けての「ようこそ!」になっているのが最高…なんでこんな演出ができるの……?
家族の一員になった千景さんが一緒に歌ってるのが嬉しくて〜もう無理ずっと泣いてる。


現実世界で起きるいろいろな問題を乗り越えながら役者たちが成長していって、舞台の上で役を通してそれを昇華させていくのがA3!の大好きなところ。
エーステではそれを120%の熱量で感じることができるから通うのをやめられない。
本当にいつもありがとうございます。

大好きなA3!という作品を、演劇を、もっともっと好きにさせてくれたエーステに、心からの感謝を込めて!
乾杯!!!!!!

(しばらくは春が恋しい気持ちと、次の夏が待ち遠しい気持ちを両方抱えながらがんばって生きていきます。。)

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