グラビアやらないか?
今からちょうど12年前の話。
某事務所へのお試し所属でグラビアをやってみないか?と言われた。
当時の私の体重は161cmに対し52kgなので、至って普通体型である。
そんな私が何故グラビアの誘いを受けたのか?
元々私には夢があった。
それは
「歌手になりたい」
小さい頃からソファーの上でぴょんぴょん飛び跳ねて、流行りの曲を歌っていたという。
父と母は歌うことが好きで日常に鼻歌が溢れていた。
その影響もあり、歌うことって楽しいんだなという気持ちが芽生え、歌手になりたいと思ったんだな。
歌手になりたいという思いでいろいろチャレンジはしていたけど、どれも結果が出ず。
月日が経って、私は会社員として働いていた。
田舎にある中小企業で家族経営の会社だ。
その会社の同僚で1つ上の女性がいた。
彼女の知り合いで音楽制作をしている男性がいるという。
なんと!繋がりたい!
早速アポを取ってもらい、遥々埼玉の某所へ向かった。
男性の外見は少しふっくらした金髪でメイクをしていた。全身は黒い服でキメている。
圧倒されながらもその方の家へお邪魔する。
ちょっとキツめな香水と汗ばんだ匂いが混ざっていた。
ギタリスト兼作曲家だという。
どこか懐かしさを思い出すサウンドを聴きながら、本物の音楽関係者と出会えたことに興奮した。
26歳の遅咲きではある年齢だけど、歌手になれるチャンスがあるかも?
どうにかしてこのご縁を繋げたいと思った。
作曲家さんも私のビジュアルを気に入ってくれて、その流れである事務所と関係があるから話してみようか?と言ってくれ携帯を取り出した。
その事務所は小さいけれども、オリコン1位になった女性歌手グループの一人が所属していた。
(青春時代にめっちゃ歌ったよこの曲)
作曲家)
プルルル・・・
「もしもしぃ。ちょっと話があるんすけどいいですか?実は今歌手になりたいっていう女の子が家に来ててどうかなって思ったんすけど・・・」
興奮しつつ、事務所の方のお返事を待つ。
作曲家)
「歳は26で可愛い系ですね。ハイ、ハイ、なるほど、ハイ・・・」
作曲家さんは少し席を立った。
どんな答えが返ってくるかドキドキする私。
作曲家さんが戻ってきた。
作曲家)
先方も乗り気ではあるんだけどね、やっぱりネックなのは年齢みたいなんだよね。そこで提案されたんだけどまずはグラビアをやってみないか?だって。どう?
グラビアだと!?
グラビアは男性がウハウハしながら見るものだと思っていて、そうやって見られるのは嫌だ。水着で写真を撮るなんて。
それを父親に見られた日にゃ、どんな顔すればいいんだと。
ただ女優、歌手など有名になった女性の出発地点が、グラビアだったというのもよくある話。
自分の希望ではないが、チャンスに乗るか・・・?
結果、私はチャンスに乗らなかった。
あれから12年。
チャンスを蹴った某事務所を調べたら、まだ存在している。
HPを覗いてみると、まだその女性歌手も所属している。古株としていらっしゃる。
正直、売れてはいなく細々と活動している様子に見える。
他の所属タレントさんも申し訳ないが名前は聞いたことがない。
それを見てチャンスに乗らなくてよかったなと思う反面、若い頃の体を写真に残しておくのも記念としては有りだったのかもなぁとも思った。
この考えはアラフォーになったからこそ出た考えではある。
このチャンスに対し、私は考えた結果見送ったけれども、幸運の女神には前髪しかないということわざもある。乗れそうなものは基本的には乗った方が良かったりもする。
ただ少し怖い経験をしたこともある。
とある芸能界の繋がりがあるという老舗のライブハウスに出演した時の話。
オーナーさんは当時の父親より少し年上の還暦すぎたくらい。
初めての出演で気に入ってくれたらしく、二回目の出演依頼がきた。
純粋に私はステージに立てることが嬉しかった。
オーナーさんはご飯に行こうと誘ってきた。
なんとかして歌手になりたいから、オーナーさんに可愛がってもらえて、歌が認めてもらえたら、芸能事務所を紹介してもらえるかも?と期待した。
だがオーナーさんは食事の席で、ティファニーのネックレスを差し出してきた。
この時点で、これは違うお気に入りされてるのかも?と想像して申し訳ないので受け取れませんとお伝えして受け取らなかった。
オーナーさんは残念そうにしていたが諦めなかった。
ある時、一緒に海蛍へドライブに二人で行こうと誘われた。
もはやデートやん・・・
それから断っても断ってもライブハウスとは関係ない誘いがきたので、限界になりメールを無視した。
最初の出演時、住所(当時実家住まい)を書いているので家まできたらどうしようと恐怖がしばらく離れなかった。
残念ながらご縁を探していく中で、こういった公私混同する人もいるので、NOと言える強い心は持っておいた方が良い。
話を戻すが、一緒に働いているあの人も実は自分がやりたいことに繋がるご縁を持っている人かもしれない。
良いご縁か、嫌なご縁になるかはもちろん自分自身のジャッジメントとなってくるが、コミュニケーションを面倒くさがらずに仲良くなると、チャンスが舞い込んできたりするぞ。
お読みいただき有難うございました^^
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