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言葉のスキマ

人の外見の印象って顔回りでほぼ決まると思ったので、カシミヤニットの上品な帽子があったらいいなと帽子作りを始めた、極端な人間です。

さて、「言葉」のもつ制約の力は、今人間にとってはつくづく強いと感じます。
「言葉」が生まれたからこそ、多くの人にとっての共通言語が生まれたと同時に、この世にあるあらゆるものの価値観が狭く決まってしまいました。

例えば、日本で代表的な感情と言われてる六情、喜怒哀楽愛憎がありますが、その言葉があるせいで多くの感情が6つに集約されます。
もっと言うと、「喜ぶ」と言う言葉ができたせいで、本来いくつもある喜びの感情が1つに集約されました。

他にも、色の種類でいうと今は「青」という色も、昔の日本人は「深藍」「天色」「瑠璃紺」など千以上の色の種類を切り取っていたと聞きますが(昔の人全員ではないと思いますが)、今の多くの人にとっては「青」という言葉があるせいで1つの言葉に色んな色を集約してしまい、色んな青を見ても「青」とその微妙な違いを見分けなくなり、世界観がその分シンプルになってしまいました。

余談ですが、その昔虹は明治以前の日本人にとっては3〜4色と切り取られていましたが、江戸時代の終わりに西洋から7色という価値観が入ってきて、それから7色という世界観に定着していったそうです。


前置きが長くなりましたが、
今日は「ハック思考」(須藤憲司さん著)という本を読んでいます。

この本では、世界を作っている基盤(法則)を理解して、その基盤にあるスキマを見つけ動かすことで仕事の成果を上げる、その方法を書いています。

その内容の一部に、「ニュートンは、人が落ちているという見方(基盤・法則)で見ていたものを、ある時引っ張るという見方に発想を変えたことで、重力を見つけた」と書いてありますが、

この内容を読んでいて、人の作った「言葉」というものはつくづく人の価値観を縛っていて、世の中のあらゆる物事(基盤・法則)は「言葉」から生まれた価値観によって出来上がっている、と感じます。


じゃあ今の世の中に新しい価値を生み出す1つの方法として、あるモノに対してシンプルにそのモノを取り巻く「言葉」の作っている価値観を理解して、その「言葉」を別の言葉に変えてそのモノを見る、のは良いと思います。


まだ読み進めて6分の1ですが、今の時点でとりあえず思ったことを書きました。

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