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物を売る時にストーリーは価値にならない

今(というか大分昔から)、物を売る為にはストーリーを伝えることが大事だと最近よく耳にします。

その理由は、機能性というのはコピーしやすいので、あらゆるものの機能性(品質)のグレードがあがって、そんな高い品質のものでどこにも溢れて、機能性で差別化するのが難しかったり、買う側もそんなに高品質なものが溢れてる中で情報処理するのがかなり難しいのが大きな理由です。

なので、差別化の一つの方法として、また世界的に日本のものづくりの高さがフォーカスされているので、ものづくりの背景を伝えることが注目されてます。

今働いている会社でも同じで、作ってるカシミヤニットは最高級だけれどそれだけでは今の時代では売れづらいので、ものづくり背景を伝えることにも重点を置いてます。

ただ、ものづくりの背景を伝えるストーリーはまもなく(もしかしたら既に)価値にならなくなると思います。

僕は今の世の中、ものが売れるのには4つがとても大事だと思ってます。

品質・信頼性・鮮度・体温

ものづくりの背景というストーリーは、信頼性の点では今でもとても大きな力だと思います。
それから、体温の感じるコンテンツでもありました。

だけど、コピーされやすいコンテンツは時間が経つにつれて皆がやるので、あらゆるものがものづくり背景を込めるようになって、買う側も正直技術がハイレベルだといくら伝えられても玄人ではないとよく分からないので、差別化のコンテンツとしてはほとんど価値が無くなると思います。


そう考えると、今カシミヤニットを売り物にしてるうちの会社が今から考えないといけない価値は、

信頼性を高める=ものに対して価値を付加する形で
→前の記事に書いたように購入したカシミヤニットが10年は使えるように穴修理や毛玉リフレッシュといったアフターケアサービスや、ケア用品を専用で作ったり(革靴のブランドがやってる)、10年使えるカシミヤの育て方のコンテンツを付属する(化粧品の資生堂がやっているような)

体温を上げる=人と人との触れ合いを増やす
→自分でカシミヤニットを作れる、といったようなものではなくて体験を売る
→販売員のお仕事のように、顧客を作ってお客様一人一人へのサービスを高める
→カシミヤ素材の特性をいかして、温度と肌触りの体験を売る、素材を楽しめるイベント(場、リゾートとか)を行う


こういう状況だということを頭に入れて、今年は上のように会社のカシミヤニットを進歩させていこうと考えています。


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