[CDレビュー]THA ALBATROSS『When the Fall Dawn, Show a Twilight』

  福岡出身の3ピース・バンド"THA ALBATROSS"が2015年にリリースした1stフル・アルバム。

 いわゆる"メロディック・パンク"に分類されるであろう彼らだが、その音には潔さが宿っている。背伸びをするのでもなく、バカ騒ぎするわけでもなく、自然と呼吸するように自分たちの"等身大"を放ちながら、聴き手をじっくりと惹きつけてくれる。もちろんそこには遊び心がないわけでなく、英詞ながら真摯なメッセージも、骨太なビートも、すんなり入っているポップなメロディも、誰よりも自分たちが楽しんでいることが伝わる音であることに好感が持てる。パイロット・ソングにふさわしい代表曲「Supernova」、ロカビリー・テイストな「Lingering Summer」、ワイルドなロックンロール「One Dollar Hookers」、アコースティックで泣かせる「Going through the motions」、エモーショナルなエンディング曲「Remember where you've been」など、ジャンルにとらわれないバラエティに富んだ楽曲がまるで1つの組曲のように並んでおり、THA ALBATROSSという芯が貫かれたアルバムだ。

バンド名の由来である"アホウドリ"は、そのくちばしを打ち鳴らして求愛を行なう。同じようにTHA ALBATROSSも"等身大"の愛を響かせながら、福岡のロック・シーンを駆け抜けていった。

 残念ながらバンドは2017年3月26日に行なわれた福岡grafでのワンマン公演をもって解散してしまったが、約1年後となる今年の3月24日、同じくgrafにて開催されるイベント"Crazy Ones vol.2"(下記詳細あり)にて、メンバーだったRyuichiとShunshiが弾き語りという形で出演することが決定している。それが"次"へとつながる何かなのかはわからないが、ぜひ足を運んでみたいと思う。

THA ALBATROSS『When the Fall Dawn,Show a Twilight』 2015/02/11 THAS-0003 ¥2,268(tax in.)  

http://tower.jp/item/3787392/When-the-Fall-Dawn,Show-a-Twilight

「Crazy Ones vol.2」
2018.3.24 @福岡graf

KUZIRA
NO GENERATION GAP
Killing Time
パコ・デ・ラシコ
USELESS HOLiDAY

弾き語り
Ryuichi & Shunshi (ex.THA ALBATROSS)

open 18:45 start 19:15
avd 2000円 door 2500円 + 1D


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