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143.クーリエ 最高機密の運び屋(2021)

実話ベースでなかったら,設定の甘さやリアリティの欠如を指摘してしまう人もいるかもしれない。キューバ危機を解決すべくCIAが目をつけたのは東欧諸国に工業製品を卸すセールスマンだったのだから。なにも知らないセールスマンがソ連からの機密情報を西側へ運び,核戦争を未然に防ぐという筋書きは荒唐無稽に感じるが「事実は小説より奇なり」である。寺山修司の言うように歴史(History)はストーリー(Story)であり,数多の人間ドラマは歴史という大木の中でまだ眠っているのだろう。映画は物語の「運び屋」である。

監督*ドミニク・クック
主演*ベネディクト・カンバーバッチ
2022年

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