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Swiss Back Country Ski 2019

Introduction

北海道旭川市で生まれ育ったこともあり、スキーは身近な存在だった。
父や伯父と一緒にスキー場に行って直滑降で滑ることは楽しかったけど、小学校から授業で行われるスキーは、待ち時間も長いし、歩いて登らされるし、ゆっくり滑るし、全く面白くなかった。それでも小学校のときは、クラスの中でもスキーは上手な方だった。ただ、スキーの道具は決して安くなかったから、親から買ってもらうスキーが、友達が持っているK2やロシニョールとか何となく華々しいブランドとは違う国産の地味なブランドでも黙って滑っていたけど、道具に愛着が持てずにいた自分は今もよく覚えている。そうこうしているうちに、スキーはいつの間にか僕の興味関心から外れてしまった。
それからも、大学まではスキーは適当にやっていたが、ニセコでのゼミ合宿とたまに天気がいい日だけを狙って滑っていただけで、スキーを上手になりたいとか、スキーが楽しいからもっと滑りたい!とかいう情熱は一切なかった。
東京に来てからはスキーはほとんどやらなくなったし、30歳のときに札幌のゴルフ場&スキー場に出向する機会があり、少しスキーやスノボをやることは増えたものの、それからも長男をスキーで遊ばせることが主目的で、自分が滑ることへの意欲はあまりなかった。
東京コミュニティスクールを創立したのが38歳の時。その年からスキー合宿も始まった。学校のスキー授業に対するネガティブな印象が強いせいか、技術の指導は最低限に抑え、あとは楽しく滑ることに主眼を置いていた。それでもスキーは自分のためのものではなかった。
それから10年近く経って、本格的に冬山の登山に取り組むようになった頃、「ここを歩いて下るより、スキーで滑りたいなぁ」という気持ちが沸き起こるようになった。その直後に友人と行ったトマムスキー場のオフピステでの滑走がその想いに火をつけた。
今年、本格的に道具を買い揃え、志賀高原でバックカントリーツアーの面白さと最高の景色に魅入られて、気持ちが高まったところでたまたま、モンブラン登山の際にご一緒したアドベンチャーガイズの近藤謙司さんのお声がけがあり、急遽スイスでのバックカントリーツアーに参加することになった。

Day1

羽田からフランクフルト経由でチューリッヒに到着。そこから「世界の車窓から」気分で鉄道を乗り継いでグリンデルワルトに。

いきなりアイガー(Eiger、3,970m)が歓迎してくれる。

1921年、日本の槇有恒の隊が東山稜(ミッテルレギ稜)から初登頂したことで、日本とも所縁の深い地となっているグリンデルから見えるねずみ色の肌をさらすアイガー北壁は、衝撃的な光景だった。ちなみに「世界の果てまでイッテQ!」で2016年にイモトがアイガーに登頂したのは東山稜。イモトも偉いわ。夕食は宿泊先サンスターホテルの目の前にあるイタリアンでアルコールと栄養補給。いよいよ明日からだ!

Day2

ホテルで朝食を取ったあと、リュックを背負い、スキーを担ぎ、スキー靴を履いて出発。グリンデルワルト駅から、まずはウェンゲルンアルプ鉄道にのってクライネシャイデック駅(2,061m)へ。駅舎でランチを食べたあと、赤い車体のユングフラウ鉄道に乗り込む。一駅目のアイガーグレッチャー駅から先はアイガーとメンヒの山中をくり抜いたトンネルをひた走る。途中アイスメーア駅でアイガー岩壁に開けられた覗き窓から景色を楽しめるはずだったが、ガスっていて何も見えない!前途多難な予感・・・。ほどなくしてヨーロッパで最も高い場所に位置する終点のユングフラウヨッホ駅(3,454m)に到着。高度順化や時差ボケ解消など兼ねてのんびりと施設見学。まずはエレベーターに乗ってスフィンクス展望台(3,571m)へ。観光客はたくさんいるが、気温マイナス10度、風速65km/hで、ガスっているだけ。

噂だと今回滑ろうとしているアレッチ氷河が壮大に見えるらしいのだが、何も見えない!それにしても、山の中をくり抜いてこんな鉄道を100年前に造ったのは凄いなぁ。今みたいな掘削機があるわけじゃないからダイナマイトと手掘りによる作業は困難を極めたに違いない。黒部ダムの建設ではないけれど、多くの方々が犠牲になったらしい。
おっと、僕らは観光に来たんじゃない、スキーだ!そろそろ、今晩宿泊する予定のメンヒスヨッホ小屋(3,657m)に向けて出発しなくては。身支度を整えて外に出ると、何も見えない!風も強い!しかも、ここから山小屋までは横移動と登りだけ。スキーを装着し、ガイドから離れないように心を無にして歩く。ウォーキングモードのビンディングの設定が間違っていてスキーが外れたり、メンヒの手前あたりから風がさらに強くなったり、山小屋下に大きなクレバスができていて引き返して違うルートを通ったりしながらも、何とか1時間程度で山小屋に到着。前途多難な予感は強まるばかり・・・。
風はどんどん強くなり、トイレに行くのも一苦労!

Day3

昨日はなんとか山小屋まで到着できたものの、今日のユングフラウヨッホは時速145キロのブリザード!
当初の行程では、早朝にメンヒスヨッホ小屋を出発しアレッチ氷河を滑走してグロースフィッシャーホルン登頂を目指し、その後コンコルディア小屋に入る予定だったが、暴風で身動きできる状態ではないため、結局もう1泊メンヒスヨッホ小屋で待機することに。自然には抗えない。待つのみ。

Day4

暴風は変わらないが、天気予報では日中は良化するようなので、出発することに。ただ、夕方以降は再度天候の悪化が予想されるために、コンコルディア小屋への宿泊は諦め、今日中に下山する行程に変更。ほとんど前が見えない中、先頭を行く現地ガイドのウィリーさんを見失わないようについて滑り出す。最初のユングフラウフィルンは傾斜もさほどでもなく、雪質もパウダーなので、前があまり見えなくても滑りには支障はない。とはいえ、晴れていればアレッチ氷河の絶景が見えるらしいのだが、何も見えない!ところが、しばらく滑ってふと気がつくと風も少し弱くなり、ガスも薄くなり、大きな景色が浮かび上がって来るではないか。これがヨーロッパ最大のアレッチ氷河か!

広大な景色を堪能しながら、滑走する。しかし、すぐに傾斜があるかないかわからないくらいの緩斜面になり、そこからは景色を楽しみつつも、向かい風に頬を打たれながらストックで漕ぎながら前に進む修行が始まる。コンコルディア小屋を左手に見ながら、アレッチフィルンを右に曲がり、標高3,158mのレッチェンルッケに向けて登り返す。曲がったあたりの標高が約2,750mだから標高にして約400m、直線距離で約6kmの登り返しだ。

登り始めてからは風は横風になったので、気分は意外と楽チンだ。ただ体力は使うので、喉が渇く。ビールが飲みたい!右手にホランディア小屋が見え、レッチェンルッケの峠は越える。ここからは気持ちよく滑走だ!レッチェンルッケから、まずはそこそこ傾斜もあるパウダーを満喫。天気も徐々に良くなり、景色も気分も最高。そこから先頭の近藤ガイドがクレバスなどに注意しながらルートを決め滑って行くのに、ひたすらついて行くのだが、傾斜はあまりないものの、雪質が重たくなってくる。表面が硬いが、スキーが乗るとガサッと沈み込み、スキーが横にずれないのでターンもやりにくい。こんな難しい雪を滑るのは生まれて初めて。何度か足を取られて転倒するも、なんとか修正しながら滑り降りる。直線距離で約9km滑りファフラーアルプに到着。なんだかんだ言って達成感がある!車で迎えに来た裕二さんが買って来てくれたビールで乾杯!

そこからツェルマットに向かうわけだが、車で行けるのは、その手前のテーシュまで。車からスキーや荷物を降ろして、全員分の荷物をカートに乗せる。カートごと電車に乗ってツェルマットへ。こりゃ便利だ。ツェルマットに着くと電気で走る可愛いタクシーが走っている。ここではバスもタクシーも全て電気自動車らしい。環境に優しい街なのねツェルマットは。せっかくだから路上喫煙も禁止したほうがいいとは思うけど・・・。
悪天候により山小屋での宿泊が減ったので、ツェルマットでの滞在期間が伸び、今日からホテルアルプフーベルに3泊。久しぶりのシャワーで汗と匂いを洗い流し、夕食へ。エネルギーのチャージは、肉しかないということで、ツェルマット駅のそばにあるレストラン「Rosstall」へ。薄切り肉をコンソメスープっぽい鍋でしゃぶしゃぶするフォンデュ・シノワーズや角切り牛肉をオリーブオイルの鍋でしゃぶしゃぶするフォンデュ・ブルギニョンをいただく。チーズ・フォンデュとはまた違う美味しさを満喫!

Day5

ツェルマットの初日は、イタリア側に滑ることも可能なクラインマッターホルンに向かう。駅前からゴンドラ乗り場まで無料の循環バスが走っているので移動は便利だ。

しかし天候が今一つで、やむなくスイス側のみ滑れる一日券を購入し、ゴンドラに乗車。フーリ(1,867m)で次のゴンドラに乗り換えてトロッケナーシュテーク(2,939m)へ。マッターホルン・グレイシャー・パラダイス(3,883m)まで行くロープウェイが動いていないため、そこから数回滑走するものの、雪質はパウダーで悪くはないものの前がほとんど見えない状態なので、あまりやる気にならず、結局フーリまで滑り降りて、ゴンドラステーション横のレストラン「Furri」でランチをいただく。バリサーテラー(つまみの盛り合わせ)やポトフ、レシュティとビールですっかりいい気分。

午前中でスキーは終了!という勢いでほろ酔い気分でいたのだが、急に青空が広がりテンションが一気に上がる。ロープウェイは動いていないものの、イタリア側が見えるところまで行くリフトも動き出したとの情報を掴んだので、早速身支度を整えゴンドラに飛び乗る。トロッケーナーシュテークからフルクザッテルに向かう6人乗りフード付きリフトに乗り込むと、そこは青空に照らされた白銀の世界。マッターホルンもひょっこりと顔を出し、テンションは高まるばかり。リフトから降り、イタリア側の景色を一瞥したものの、すぐにリフトから見えた、まだシュプールがほとんどついていない魅力的なオフピステに向かってハイクアップ。なんと登っている時に、ストックが折れて使い物にならないことが発覚。さっきリフトに乗車する時に軽く引っ掛けた感じはわかっていたが、まさか折れているとは思わなかった。とはいえ、ストック1本あれば登って行けるし、滑るのもさほど支障はないので、そのまま斜面を登り続ける。登り切ったところで、頂上の雲が完全に消えたマッターホルンの荘厳な姿に対面し息を飲む。広々とした新雪・深雪パウダーのオフピステを、それぞれが自分の好きなルートで滑走する。最高の気分だ。ゲレンデと合流する地点を過ぎても、多少荒れてはいるものの深雪パウダーであることは変わりない。左手にマッターホルンを眺めながら、フワフワとターンしながら下っていく。どこ滑っても滑ってもまだ終わらない氷河の上の滑走だ。気持ちいいとしか言いようがない。

下の方に来ると、雪質が重たくなり、岩も雪の下に隠れていて、なかなかトリッキーにはなるものの、レッチェンルッケから氷河を滑ったときのような難しさはない。とはいえ、それを2回繰り返しただけでもう足はパンパン。トロッケーナーシュテークから下のゴンドラには乗らずフーリまで滑って降りることにしたのだが、このルートが狭くて硬くて、雪上車のキャタピラでガタガタときたもんだ。既に足がパンパンのスキーヤーには修行のような長い道のり。なんとか気合いで滑りきったものの疲労困憊だった。ツェルマット駅前のバンホフブュッフェでプロセッコ(イタリアのスパークリングワイン)を飲んでなんとか生き返る。

明日に備えてストックを購入し、夜はレストラン「Julen」で美味しいラムを満喫。いい1日だった。

Day6

今日は、ヘリコプターに乗ってモンテローザ(4,634m)に行き、そこからヨーロッパで二番目に大きいゴルナー氷河へと滑り降りる計画だ。朝8時にはヘリポートでスタンバイをしたものの、山は雲が覆いヘリが飛ばない。

10時過ぎまで待ったものの今日は飛べそうにないということで、失意とともにとりあえずクラインマッターホルンに向かう。昨日は動いていなかったロープウェイに乗って、ヨーロッパ最高所3820mの展望台があるマッターホルン・グレッシャー・パラダイスを目指す。

今日はゲレンデスキーかなぁ〜と思っていたら、途中、近藤さんが地元のガイドからウンターテオドール氷河からゴルナー氷河へと向かうルートが可能という情報を得て、急遽、ハーネスやビーコンをセットして、バックカントリーへ!

そこからは見たこともない景色を眺めながら滑り降りる快感の時間が続く。モンテローザには行けなかったものの、結局その滑走コースになっていたゴルナー氷河を滑ることができて失意反転絶頂を迎える。徐々に岩が多くなり、雪も重くなってくる。小川の上にかかる雪の上を滑ったり、傾斜がなくなって漕いで進んでいるうちに、近藤さんがストップする。ここからはスキーで進むとかなり危険なところがあるので、スキーを背負って、右手の岩場を登って越えることに。1時間近くかけてやっと登り切ると、今度は急勾配になっている岩の間のわずかな雪の上をスキーをずらしながら滑り降り、またスキーを脱いで移動して、雪を見つけて岩の間を(たまにガリッと岩の上も通っちゃうけど)滑る。脱いだり履いたりを繰り返しながら少しずつ高度を下げていく。ついに雪のない農道まで到着し、そこからはスキーを担いで登ったり下ったりしながら歩いていく。吊り橋を渡って、少し滑るとそこはフーリ。いやぁ、これまたすごい達成感!早速、昨日ランチを食べた「Furri」に入って、ビールとバリサーテラーで乾杯!余韻に浸りながらすっかり気持ちよくなってしまった。夕食はツェルマットで最も古いレストランのひとつ「du Pont」へ。駅前から続くメインストリートの突き当りにあり、教会のすぐ近くに建つ地元でも人気のレストランだそう。エスカルゴをつまみに、チーズフォンデュとトマトフォンデュ、ラクレットをそれぞれ1人前ずつ頼んで6人でシェアするので十分。チーズが張り付いたフォンデュの鍋に卵を入れて作った裏技スクランブルエッグも最高だった。

Day7

ツェルマット最終日は、初日にできなかったイタリア側に滑り降りてランチを食べることに再挑戦。しかし、どうも今回のツェルマット滞在中は午前中の天気が今ひとつ。とりあえずゴンドラを乗り継いでトロッケナーシュテークのカフェでしばらく待機するも、イタリア側へ滑り出す起点となるマッターホルン・グレイシャー・パラダイスまで行くロープウェイがなかなか動かない。正確に言えば、展望台まで行く観光客向けには動いているのだが、そこから滑るスキーヤーはまだゲレンデが開かれていないので乗車できない。とりあえずフルクザッテルまでリフトで上がってみることに。強風かつガスっているため早々に滑り滑り始めてすぐにアクシデント!ゲレンデ横の非圧雪ゾーンでターンを1回した瞬間、激しい頭痛が襲う。痛さに耐えながら、そのままトロッケナーシュテークのカフェに逆戻りして休憩。高度障害かと思って、水を飲んだり呼吸を整えたりするのだが一向に回復しない。思えば、チューリッヒに降り立った時から軽い頭痛の症状はあったものの、その後、グリンデルワルトからユングフラウへと高度を上げる中で、頭痛は高山病の症状だと思い込んでいたので一生懸命呼吸を整えたり水を飲んでいたが軽い頭痛はずっと消えていなかった。頭痛以外の症状は一切ないし、過去の5〜6千メートルでの高所経験と照らし合わせてもこの症状は不思議だったのだが、あまり気にしていなかった。ふと、首を押してみると、脳天に痛みが走ることに気づき、肩や背中を指で押してもらうと痛みがつながっていることを強く認識した。この頭痛は高度障害ではなくて、首、肩、背中のコリから来ている可能性が高いと判断し、当初はそのまま下山もやむなしと思っていたが、思いとどまり、痛み止めの薬を飲んでみる。ふだん薬をほとんど飲まない僕には効果てきめん。程なく痛みが消えた。ついでにここ数日間我慢してきた右足小指の靴擦れの痛みも消えて、すっかり楽になる。そのタイミングを見計らったかのように、天候が回復し、マッターホルン・グレイシャー・パラダイスへのロープウェイがスキーヤーにも解放される。これはイタリアに行くしかない!頭痛さえなければこっちのもの。山頂からイタリアのチェルビニアまで標高差約1,800m、滑走距離10km以上に及ぶ長く広く圧雪されたダウンヒルを滑走する気持ち良さは久しぶり。この旅を一緒に過ごした高田さんはスキー指導員で、世界の山々を滑った経験を持つスーパースキーヤー。ダウンヒルでは後ろから追いかけGoProで撮影。

高田さんのように上手になりたいという気持ちが今回の一番の財産かも。チェルビニアの街に降り立ち、石畳の街中をスキーを担いで歩き少し路地に入ると、目的のレストラン「da Mario」が現れる。ついに念願のイタ飯だぜ!イタリアの山並みを眺めながら、プロセッコで乾杯し、カプレーゼ、牛タン、イタリアンチーズ&ハムの盛り合わせ、フンギ・フィットチーネ、チーズリゾット、ペンネアラビアータ、焼き野菜、ゴルゴンゾーラ・ズッパなどなど、6人という人数を活かしていろいろ食べまくる。どれも美味しかったけど、一押しはチーズリゾット。味はもちろんのこと、外側がふわっとして芯が丸くしっかりした食感は今まで食べたリゾットの中でナンバーワンかと。プロシュートも絶品。とにかくワインが進みまくる!締めのグラッパも最高。ついでに食べたティラミスも上品な味で、大満足・・・などと盛り上がっているうちに、ツェルマットに戻るロープウェイの最終発車時間が迫っていることに気づき、慌ててチケット売り場に向かう。ギリギリセーフで乗車でき、ロープウェイ、ゴンドラ、ロープウェイと乗り継いで山頂のプラトーローザ(3,480m)に到着。イタリアとスイスの国境を跨いで、そこからトロッケーナーシュテークまで滑り、そこからはロープウェイとゴンドラを乗り継いで無事にツェルマットに下山。そこからホテルに戻って、着替え、荷物をまとめて、ツェルマット駅から鉄道でグリンデルワルトへ向かうというバタバタではあったが、充実したツェルマット滞在であった。

インターラーケン・オストまで裕二さんに車で迎えに来ていただき、そのままグリンデルワルト在住の日本人のお宅に招かれてディナーをいただく。美味しい食事とワインと会話を満喫したのち、ホテルに戻ってすぐに心地よい眠りについた。

Day8

予備日として設定されていた今日はスキーはなし。ゆっくりとした朝を過ごし、Kentaroさんの案内でグリンデルワルトから車で約1時間30分、スイスの首都ベルンを目指す。世界遺産となったベルン旧市街をローズガーデンから眺める。美しい街並みだ。

ローズガーデンに向かう坂道の途中にアインシュタインの銅像がベンチに座っているので、思わずコテコテの記念撮影。

アインシュタインは1902年からの7年間をベルンで過ごしたそうで、特許庁に勤めていたその期間に特許申請書類の中のさまざまな発明理論や数式を知る機会を得ったり、好きな物理学の問題に取り組む自由な時間を得たことが大きな転機となったと言われている。「奇跡の年」とも呼ばれている1905年、26歳のときにアインシュタインは3つの重要な論文を発表。「奇跡の年」とそれに続く数年で、アインシュタインは「光量子仮説」「ブラウン運動の理論」「特殊相対性理論」に関連する五つの重要な論文を立て続けに発表したのだから、アインシュタインにとってベルンの水がよほど合っていたのであろう。

景色にうっとりしながらも、心はビール。ローズガーデンから坂を下り、アーレ川にかかるニィーデッガー橋のたもとにあるビアレストラン「Altes Tramdepot」でランチをいただく。ヘレス Helles、メルツェンMärzen、ヴァイツェンWeizenの定番ビールに季節のビール2種を加えた5つのビールの飲み比べセットを注文。

僕の好みはメルツェン。いつものようにチーズ&ハムの盛り合わせや、ソーセージなどなどたっぷり食す。

旧市街を少し散歩した後、グリンデルワルトに戻る。

明日はいよいよ帰国なので、荷物の整理をせねば!
夕食はバーベキュー。楽しく美味しい時間はあっという間に過ぎゆくもの。ご一緒いただいた皆さん、本当にありがとう!

Day9

グリンデルワルトからチューリッヒ空港まで、裕二さんが車で送ってくれることに。電車の旅もいいのだが、大きな荷物を持って乗り換えるのは一苦労なので、たいへんありがたい。2時間ほどでチューリッヒ空港に到着。
ありがとうスイス。またきっと来るよ!

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