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競技かるたの世界選手権が望まれる

 競技かるたをやっている人なら一度は思ったことがあるかもしれません。競技かるたがオリンピックに採用されていたらなぁと。確かに採用されていたら、日本がメダルを独占。卓球の中国のように圧倒的な強さを誇るでしょう。実際にはオリンピックでは採用されていません。競技かるたがマイナーだから……というのは一理ありますが、実は競技かるたはそんなにマイナー競技として片づけられるほど競技人口は少なくありません。協会の会員数は5000人ほどいますし、協会に所属していないプレイヤーを含めればざっと1万人はいるでしょう。高校選手権だけで2000~3000人参加していると考えると、決して単なるマイナー競技とは言えません。実際、オリンピック種目で言えばフェンシングぐらいの人口はありますし、オリンピック種目では近代5種やカーリングなどよりは競技人口が多いです。非オリンピック種目と比べても全日本かるた協会の会員数はチェス連盟やバックギャモン協会よりはるかに多いですし、リアル大会への参加人数でいえばほとんどの人がルールを知っているであろうオセロにも匹敵すると考えられます。

 では一体、何が競技かるたをマイナーたらしめているのかというと、国際性でしょう。「ちはやふる」で世界各国に競技かるたの輪が広がったとはいえ、世界の競技人口はそう多くない。さらに言えば、競技かるたの国際連盟が無いことが決定的ではないでしょうか。日本国内でマイナー競技であっても、世界のどこかの国では盛んである、もしくは世界大会が定期的に行われており、海外にロールモデルが存在し世界での広がりを感じられるのであれば、国内ではマイナーであっても大きな希望と目標をもって日々に活動に打ち込めるでしょう。しかしながら競技かるたは日本発祥であるため、ロールモデルは日本が提示しなければなりません。競技かるたに夢や希望を求めるのであれば、日本が見本をみせないといけないでしょう。

 ちはやふるで、日本で一番ということは世界で一番というようなセリフがあった気がしますが、厳密に捉えると各国の選手が対決していない以上は日本で一番が世界で一番とは言えません。世界で一番。世界王者、世界チャンピオン。実に甘美な響きです。あの人が世界選手権優勝者ですと言うことができれば、対外的な受けは非常に良い気がします。冒頭に戻りますと、競技かるたは五輪に採用されていませんが、世界王者を作り出すことはできます。そうです。世界選手権を開催すればいいのです。世界選手権があれば、世界各国の人が、競技かるたに注目するでしょう。配信も全世界に行われ、各国の代表選手は、敬意と熱いまなざしが向けられる。そして世界王者は競技かるたの普及にためにかるたの世界に様々なものを還元してくれる。実によい循環システムではないでしょうか。

 前の段落ではかなりの理想論を述べましたが、世界王者を生み出す仕組みは、より競技かるたの知名度と権威性高めるものとして有効ではないでしょうか。現状は競技かるたの世界連盟もありませんが、日本のかるた界が音頭をとって取り組むことは実に意義があることではないでしょうか。

 私は競技かるた以外に、競技五目並べ (連珠) を趣味でやっているのですが、実は競技五目並べ (連珠) にも世界選手権があります。五目並べに世界選手権があるのかと思う方もいるかもしれませんが、日本発祥の連珠は1960年代に連珠の運営を行う日本連珠社が設立され、世界選手権は1989年から行われ、2年に1度の頻度で個人戦の世界選手権が行われ、数々の世界王者が誕生しております。連珠の国内のリアル大会に参加する競技人口はどんなに多く見積もっても1000人には達しません。そんな競技でも世界選手権はあるのです (中国、ロシア、エストニアなどでの普及も大きいです)。この話を聞くと競技かるたでも開催できる気がしませんか?

 現時点では夢物語に聞こえるかもしれませんが、最初は小さくの開催でもよいと思っています。たとえばちはやふる小倉山杯の大会フォーマットを参考にし、日本枠6人+世界10か国の代表選手の計16人のトーナメントでも最初はよいと思います。何でもかんでもちはやふる小倉山杯を出汁にするのはよくはないですが、例えばちはやふる小倉山杯を3年に1回は世界選手権として実施するとかいかがでしょうか。優勝賞金100万円は世界選手権の賞金としてはふさわしいと思います。数年前に小学生がオセロの世界選手権を制しましたが、その時のニュースで流れていたは優勝賞金が52万円というものでした。小倉山杯の100万円はかなり大きいんですよね。

 とりあえずダーッと書きましたが、競技かるたの世界選手権があればいいなということでした。個人戦だけではなく団体戦も開催され、将来には本当にオリンピックの候補種目に検討されれば面白いですね。でも決して夢物語ではないと思いますよ。

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