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裏打ち

「裏打ち」とは、
「紙や絹、裂地などを補強するために裏面に和紙を貼る」ことです。
修復では、作品が弱ってしまい持ち上げることができない状態のものや
薄い紙を使用していて、そのままでは折れたり破れたりしてしまうようなものに行うことが多いです。

「裏打ち」は紙作品の修復技術の一つで、日本だけでなく海外でも行われています。また日本の「裏打ち」で使用している材料(和紙)や道具(刷毛など)も使用されています。

日本における紙作品(紙資料)の修復技術は、表具の分野から発達したと言われています。
表具師さんが行ってきた「仕立てる」技術が和紙資料の修復技術の基礎となり、今も行う修復技術につながっています。
その「仕立てる」技術から「修復技術」へ、表具の技術に、修復に対する西洋的な考え方が加わり現代の修復技術になっていきます。
それが「ペーパーコンサベーション」であり、「予防保存」をすることです。

予防保存の考え方の中でも、修復が必要になれば実施をしています。
伝統的な裏打ち作業を学びたいという方々は多く、数年前までは海外でワークショップをしたりもしていました。
これは、かりばり板という裏打ち後に使用する道具に関するワークショップでしたが、海外の方々の興味が大きいことを実感しました。

柿渋を塗った板が「かりばり板」

先日、裂地を購入したのでまとめて裏打ちをしました。
和紙は国産楮100 %、しょうふ糊を使用しています。

裂地の裏打ち
修復ではなく仕立てに使用する予定

暑い日が続いていますが、皆様体調には気をつけてお過ごしください。

そういえば、むかしは裏打ちは天気の悪い日(湿度が高い日)に行い、
かりばり板から外すときはよく晴れた日がいいと言われていたそうです。
空調が整った現代ではあまり言われなくなった気がします。

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