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キャリアコンサルタント資格取得後にすべきこととは?7つの活かし方とメリット・デメリット(2024年版)

☆この記事の編集者:高橋秀誓👦|国家資格キャリアコンサルタント
キャリア相談スキルシェアサービス『coachee』運営者|人材業界歴約10年。人材業界での経歴は大手人材会社パーソルキャリアをはじめとして、
人材サービス会社2社経営し、現役でキャリアアドバイスも実施

★この記事の執筆者:りお|国家資格キャリアコンサルタント|GCDF-Japanキャリアカウンセラー|Lead Careerにてキャリアコンサルタント受験&活躍支援&Banso Worksにて越境キャリアの支援

2016年に国家資格化されたキャリアコンサルタントという資格。名称独占資格なので、業務独占の仕事ほど「仕事がない」という話もありますが、実際のところは、どうなのでしょうか。キャリアコンサルタント資格取得後はどう活躍すればいいのか?筆者が5年間の活動で7つの活かし方、メリット・デメリットを解説していきましょう。

◆併せて読みたい 「資格取得後の手続き」を知りたいなら


キャリアコンサルタント資格取得後の7つの活かし方


キャリアコンサルタント資格取得後の7つの活かし方


1.所属する会社・組織内で、仕事を請け負う
2.出身の大学や高校に登録する
3.キャリア支援を行う団体・会社へ登録する
4.キャリア支援のマッチングサイトに登録する
5.キャリア支援のクラウドソーシングサイトに登録する
6.自分自身でキャリア支援を請け負う(個人事業主)
7.その他のユニークな活かし方

順番に解説していきましょう

1. 所属する会社・組織内で、仕事を請け負う


所属する組織内で、仕事を請け負う

まず、貴方が会社や団体に所属しているのであれば、まず上司に合格を報告しましょう。上司に報告し、合格したことを伝えれば、ねぎらいの言葉をもらえるかもしれませんし、何よりも、キャリアコンサルタントとしての仕事を任される可能性があります。

上司には言いにくいなどの事情がある場合は、直接人事部門に報告してもよいでしょう。社内システムで資格を登録するフォームがあるなら、是非、資格登録をしましょう。

昨今、セルフキャリアドックが盛り上がりを見せています。セルフキャリアドックとは、自社の人材育成ビジョンに基づいて、独自のキャリア研修や、キャリアコンサルティング面談を組み合わせていく手法です。この仕組み導入のために、多くの企業では、キャリアコンサルタントの知見やカウンセリングスキルが求められているはずです。今や、キャリアコンサルタント有資格者の3人に1人は、企業内コンサルタントだと言われています。

◆併せて読みたい!! 「セルフキャリアドック」とは・・?

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000192528.pdf

◆併せて視聴したい!!「キャリア形成サポートセンター」動画

具体的な企業内、団体内での活かし方は主に3点に分かれるでしょう。

1)キャリア開発室等で、キャリア開発の全体の仕組みを企画する
2)上記施策に基づき、実際にキャリア相談を実務として定期的に行う
3)キャリア研修の社内講師として、キャリア研修を行う

◆厚生労働省では、グッドキャリア企業アワードとして、キャリアコンサルティングの活かし方のヒントを掲載しています。

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上記のように組織の中で、資格を活かすことが出来れば、最も有効な活かし方の一つと言えるでしょう。

この活かし方のメリットとしては、所属している会社・団体での活動という事で、「取り組みやすい」という点があげられます。また、社内の評価向上にもつながるでしょう。デメリットがあるとしたら、会社側のキャリア開発施策への本気度の影響があるという点でしょう。つまり、キャリア支援にそこまで積極的でない会社・団体の場合、活動は限られることになります。

Aさんの具体事例です。Aさんは、資格取得後、早速上司に報告し、自社の資格登録フォームにも登録をしたそうです。その後まもなく、上司や人事部門から、「キャリア支援室」を立ち上げる話を受け、そのメンバーにならないかと打診があったそうです。願ってもないという話で、Aさんは快く引き受けました。Aさんは現在「キャリア支援室」に異動し、やりがいのあるプロジェクトの中核人材になっているようです。

2. 出身の大学や高校に登録する

出身の大学や高校に登録する

次に、出身大学や高校の就職センターに登録(支援希望を伝える)するという活かし方があります。昨今、大学・高校側は学生のキャリア形成にも、何かしらの課題感を持っているはずです。

キャリア支援の有資格者の支援は、貴重なリソースとして快く受け入れられる可能性があります。もちろん、出身校が十分なキャリア支援の人員を置いている場合は、支援を受け入れられない場合があります。

一方、もし支援を受け入れてくれて、資格者として登録できれば、大学生向けのガイダンスや、就活相談などで支援の声がかかる可能性があります。恐らくほぼ無償・ボランティアにはなりますが、キャリアコンサルタントの資格を活かすという観点では、一つの最適な選択肢でしょう。

Bさんの事例です。Bさんは資格取得後、大学の就職センターを訪問し、「何か支援できることはないか」願い出たそうです。しかし、残念ながら、その出身校の就職センターはすでに支援員のリソースが足りており、「いますぐの支援依頼はない」との事でした。

しかし、その際に、就職活動を行う学生に特化した支援団体が別に大学OB/OG組織として存在することを聴き、この団体に登録したそうです。まもなくして、Bさんはその支援団体から、「是非手伝ってほしい」という声を受け、今は、出身校の学生向け就職活動ガイダンスなどに積極的に顔を出しているようです。

この活かし方のメリットとしては、大学生など若手層の支援という意味でのやりがいを感じられるという点でしょう。出身校であれば、おそらく自分自身も愛着もあり、卒業後のつながりを持てるという点もメリットでしょう。デメリットとしては、通常無償であることが多く、金銭的報酬は期待できないこと、大学側のリソースも充足している場合には、仕事量が限られてしまう点でしょう。

◆併せて読みたいコラム!!「キャリアコンサルティング協議会マンスリーコラム」

3. キャリア支援を行う団体・会社へ登録する

キャリア支援を行う団体・会社へ登録する

また、キャリア支援を行う団体・会社へ登録するという選択肢もあります。以下、具体的な事例を挙げていきましょう。現在、法人向け、個人向けや様々なテーマでキャリアコンサルティングを提供する会社が立ち上がっております。

この団体・会社に登録をして、キャリア支援、個人面談などの仕事を頂くという選択肢があります。この仕事は、1時間当たり数千円~5千円程度までの報酬を得られる可能性があります。

Cさんの事例です。Cさんは、資格取得後、Z社というキャリア支援会社に登録をしました。実は、登録する前に能力試験があり、実技・筆記とも試験を突破する必要がありました。この試験に、何とか突破したCさんは、無事に同会社のキャリア支援員として登録されました。今は、週に1回ないし2回程度、個人向けキャリア支援の業務に従事しています。報酬は、1時間当たり数千円程度ということです。

メリットは、こういった会社や団体に登録することで、定期的に仕事をもらえる可能性があること、これにより、資格を活かし、収入も入ることが上げられるでしょう。

デメリットは、登録する際の難易度が増してきていることです。まだまだ、キャリア支援の認知度が社会で増しているとは言えない中、キャリアコンサルタントなら誰でも登録できるわけではなく、多くの支援会社は、登録の為の何らかの実技試験や必要要件が存在するようです。ここが狭き門となる点は否めません。ここに登録して、活躍できるためには、今一歩自己研鑽と投資が必要になるかもしれません。

4. キャリア支援のマッチングサイトに登録する

キャリア支援のマッチングサイトに登録する


キャリアコンサルティング支援のマッチングサイトに登録をしておくという事です。これは、キャリアコンサルタントとしてのプロフィールの掲示だけなので、事前に登録の為の試験を突破する必要はありません。登録・掲載は無料という事が多いでしょう。この活かし方のメリット・デメリットを挙げていきましょう。

メリットは、登録無料なので、誰でも自由に利用できるという点です。デメリットは、手軽さゆえに、登録したからと言って、仕事に結びつく可能性は高くないという点でしょう。

特に、キャリアコンサルタントの登録者数(2023年1月時点:約6万5千人)が全体の半数を占める関東圏では、単なるマッチングサイト登録では、仕事が得にくいのが実態です。キャリコンサルタントの登録が少ない地方都市などでは、行政などからも依頼が来ることもあるようです。

◆参考:キャリコンサーチ

◆参考:キャリポ

5. キャリア支援のスキルシェアサイトに登録する

キャリア支援のスキルシェアサイトに登録する


キャリア支援のスキルシェアサイトに登録するという活かし方があります。昨今では、キャリアコンサルティングなどのスキルを、直接C2C(消費者間取引)で、消費者に提供できるプラットフォームが多数あります。誰でも手軽に登録でき、サービスを提供できるのです。
特にキャリアコンサルタントのスキルシェアサイトの一覧は、coacheeのカオスマップが便利です。

◆こちらが便利!coacheeカオスマップ⇩

この活かし方のメリットとしては、初期費用がなくても、個人事業主のように、隙間時間で、自分の得意サービスを手軽に提供できるという点が挙げられるでしょう。キャリアコンサルタントはいわゆる専門職であり、C2Cとも相性がいい資格です。デメリットを挙げるのであれば、売れるようになるための集客には多少ノウハウが必要とされる点加えて、売れるまでには時間がかかる点が挙げられるでしょう。

マッチングサイトとの違いでは、マッチングサイトは、原則登録するだけで、待ちの姿勢・静的であるのに対し、このようなスキルシェアプラットフォームは、より自分から顧客に訴求し、サービスをアピールしていく動的でダイナミックなプラットフォームと言えるでしょう。

スキルシェアを活用しているDさんの事例です。Dさんは、軽い気持ちでとあるプラットフォームでキャリア相談のサービスを出品しました。残念ながら、最初に数か月は全く受注がない、アクセスさえない状況でした。

「もうやめようかな」とおもった矢先に、1件の受注が入ったそうです。

一生懸命1件のキャリア相談をこなした後、お客様から高評価★5.0がついたようです。その高評価が引き金となり、その後は、定期的にキャリア相談が舞い込むようになりました。特にリピーターが増えたことが嬉しいということです。スキルシェアのプラットフォームについては、時間はかかりますが、評価実績を積んでいけば、安定的な仕事を得ることも可能である点が、スキルシェアプラットフォームの魅力でしょう。

6. 自分自身でキャリア支援を請け負う(個人事業主)


自分自身でキャリア支援を請け負う

 すでに提供されているアプリやスキルシェアなどのウェブサービスを利用するのではなく、自前でウェブサイト等を構え、個人事業主として、自分自身のサービスを提供するという活かし方です。いわゆる自分キャリア相談事務所を立ち上げるようなイメージでしょうか。

このメリットとしては、自由度が高いという点でしょう。他のプラットフォームや、会社・団体の指示依頼に従うのではなく、自分で100%自由にサービス設計できます。キャリア相談でも様々な工夫を加えて、自分なりのサービス開発が可能でしょう。

デメリットとしては、自由度が高い分、認知度、ブランディングに相当な時間がかかるということです。全く無名の個人なら最短で3年の月日は覚悟して臨む必要がありそうです。

Eさんの事例です。Eさんは、キャリアコンサルタント試験合格後、意気揚々と個人事業主登録し、キャリアコンサルティング事務所(仮称)を立ち上げました。しかし、いきなり壁にぶつかります。

「キャリア相談」だけでは、いきなりはお客が来ないのです。キャリア相談は行政が無料で行っている中、目に見える差別化を行う必要があると、考えました。そこで、「女性」「両立支援」「夜間でも営業」というサービス軸を打ち出し、次第にお客が増えてきたそうです。また、お客様の中で、企業勤務の方から、「うちの社員にも提供してもらえませんか?」とお声を頂き、C2B領域にも次第に乗り出せているとの事です。自由度が高い分やりがいも多いようです。

7.その他のユニークな活かし方

その他のユニークな活かし方


 その他ユニークな活かし方を紹介していきましょう。キャリアコンサルタントは広義に捉えた個人のキャリア形成の支援と捉えれば、キャリア相談だけがサービスではありません。

1)キャリアコンサルタント ✖ Youtube

Youtube

キャリアコンサルタントとして、Youtubeで情報を発信していくという活かし方もあります。まだまだ少ないですが、Youtubeにはキャリアコンサルタントの動画が増えつつあります。動画を撮影したい、編集したりするのが好きであれば、選択肢の一つとして考えられます。

昨今は、本人が顔出しで登場する必要性も必ずしもありません。このような分野に興味があれば、挑戦してみてはどうでしょうか。最近はTiktokのようなショート動画も人気です。

メリットとしては、動画は、WEB上での露出をする良いツールであり、貴方自身の認知度を上げるには最適なツールでもあります。デメリットとしては、動画編集の時間の確保や、成果までの時間でしょう。動画だけでの広告収入ではまだまだ難しい分野と言わざるを得ません。

2)キャリアコンサルタント ✖ ライター

ライター、ブロガー

キャリアコンサルタントとライティングは実は相性が良いのです。例えば、「キャリア自律」などのテーマ感は、個人でも法人でもホットなテーマです。こういったことを記事にして、ブログなどで発信していくという活かし方もあるでしょう。文章を書くのが好きな方、個人でも活動していきたい方は、ライターを兼任することは賢い選択肢でもあるでしょう。メリットとしては、空き時間で手軽にできる点、将来の集客につながるという点です。デメリットとしては、アクセス数を増やすためには、ライティング、ウェブ活用等の知識を新たに習得する必要で時間がかかる点でしょう。

3)キャリアコンサルタント ✖ 研修講師

研修講師

次にキャリアの研修講師です。現在、企業は「セルフキャリアドック」「人的資本の開示義務」等で、キャリア支援分野の研修導入に積極的です。このため、キャリア研修を行う「講師」のニーズも増してくると考えられます。

キャリア相談ではないけども、講師を志すのは活かし方の一つの選択肢でしょう。メリットとしては、講師業という定年後以降も就業可能性のあるスキルが得られること、キャリア相談ではないけども、多くの受講生のキャリアのかじ取りをするやりがいを感じられることでしょう。デメリットは、事前の準備、当日の対応から事後フォローまでは多少タフな仕事となり、体力気力が必要となる点です。また、リモート対応が増えたとはいえ、対面での研修の場合は、日本全国、移動を頻繁に伴う仕事となる可能性もあります。

4)キャリアコンサルタント ✖ グローバル

キャリア支援は、日本国内で、日本人だけに行うものではないかもしれません。直接、日本で働きたいと思う海外の外国人にキャリア支援のサービスを提供できるかもしれません。上記で言う5のようなスキルシェアサイトのグローバル版である”Fiverr(イスラエル)”や”Upwork(米)”に登録し、サービスを出品する例もあります。また、自前でWebサイトを立ち上げて、直接海外の顧客を開拓する方法もありでしょう。

Fさんの事例です。キャリアコンサルタントのFさんはグローバルスキルシェアプラットフォーム"Fiverr"に登録し、主に日本語でCV(職務経歴書)の添削サービスの提供を始めました。Fiverr登録時は英語のテストがありますが、TOEIC800点以上あれば、合格するレベルだそうです。

しばらくして、東南アジアのとある国の求職者から、「現地での日系企業就職のために、日本語の履歴書の添削してほしい」とお願いされました。しっかりサービスを提供し、国境を越えて、満足を頂けたようです。単価としてはさほどの金額ではありませんが、ドルベースで収入を得られるということはメリットかもしれません。

いかがでしょうか。

キャリアコンサルタント資格取得後の活かし方は多彩であり、これならできそうというものも見つかったのではないでしょうか。

キャリアコンサルタントの登録手続きを済ませたら、まず行動あるのみです。メリット、デメリットや、様々な事例を確認いただき、自分に合うなと思ったものはぜひ初めて見られると良いと思います。もちろん、上記以外にも活躍の可能性は開けています。ぜひ、一緒に頑張ってまいりましょう。

皆様のご活躍のヒントになれば大変幸いです☺

☆この記事の編集者:高橋秀誓👦|国家資格キャリアコンサルタントキャリア相談スキルシェアサービス『coachee』運営者|人材業界歴約10年。人材業界での経歴は大手人材会社パーソルキャリアをはじめとして、人材サービス会社2社経営し、現役でキャリアアドバイスも実施

★この記事の執筆者:りお👦|国家資格キャリアコンサルタント|GCDF-Japanキャリアカウンセラー|SEOコンサルタント|キャリコン受験&イベントのLead Career|グローバルに働く!Banso Worksで活動中|執筆依頼歓迎



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