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親が子どもにしてあげられることはたった1つだけ

「子どもの将来が心配で……」

真夜中までヒートアップしたあるオンラインミーティングの場で,参加者のおひとりがおっしゃいました。

え?そうなん?

我が家には3人の子どもがおりますが,みんな自由な宇宙人です。

まぁ,親の私がかなりな変人で生きてきたので(じゃないと心理士や研究者はやってられない独創性が求められる世界),「子どもの将来が心配」なんて1ミクロンも思ったことないです。

特に真ん中の子どもは,神経発達症(発達障害)ですけど(小児難病の2次的な症状としてADHD傾向がありますがADHDの診断ではなく概要的な意味の神経発達症の診断です)子どもの将来を憂いたことがないんです。

それは,親として子どもにしてあげられることは,18歳までの子ども時代に目の前の子どもを愛して愛して愛して愛して愛しぬくことだけだから。

「あなたはあなたのままでよくて,そのままのあなたが大好きだよ。生まれてきてくれてありがとう。家族になってくれてありがとう。」

これだけがわたしたち夫婦が親として子どもに伝えられることで,SEという神経発達からアプローチするトラウマ療法の専門用語(3年間かけて習得する精神科医や臨床心理士しかいないプロフェッショナルのための講習)でいう「プレセンス」なのだと解釈しています。

SEでいう「プレセンス」とは,「存在」であり,その人が「ただそこにいる」ことを認め合うことだとわたしは思っています。

SEは杓子定規なプロトコールがないので,個々人の解釈でよい自由度の高い,プロのためのものだから,解釈は人の数だけあります。

真ん中の子がお腹に宿った直後,わたしは学会発表で朝から立ちっぱなしでポスター発表していました。

そろそろ立ちんぼが終わって終了間近の夕方に出血があった時,トイレの前で産婦人科に電話し,すぐに時間外診療の予約をとりました。

「お母さん,すぐに仕事は辞めて自宅安静して下さい。切迫早産の診断書を書くのですぐに職場に見せて明日から休んでください。貼り止めのウメトリンを出しますけど,赤ちゃんの生命力次第で,医療ではこれ以上どうすることもできません」

優しいけれど冷静に産科のドクターがおっしゃった時,わたしは祈りました。

「お腹の中に居て。外に出てこないで。生きてて」

そして,わたしは仕事を急遽止めて,安定期に入ったら母子で引越しました。

夫は仕事があったので離れて母子移住でした(311で首都圏が汚染された時期)。

2歳の長子と妊婦のわたしの母子移住ライフは思いの他楽しかったのですが,転院先のエコー検査で胎児に異常が見つかり,わたしは院長室の前で1時間以上1人で待たされ,翌日から転院が決まった時は,さすがに不安になりました。

その時,わたしはある神秘体験をしたのですが,それはまた別の機会にするとして,その時,わたしは覚悟を決めました。

もともと,長子がお腹に宿る前の妊活中から夫婦間で,「どんな赤ちゃんでも障害がありそうでもその子の命を尊重して我が家に迎えよう」と話し合っていましたから,子どもの命を自らあやめることはできません。

学生時代から,療育で補助として働いていたので,ダウン症のお子さんや知的発達のゆっくりなお子さん,神経発達症のお子さんたちとの関りはちょっとはわかっていましたし,何より通ってくる子どもたちがかわいかった。

療育は,うんちとおしっこの世界で,「せんせ,あげる」となめていた飴をべろんと口から出してわたしの手にのっけたり,おもらしした大便の処理をしたりは普通です。

これって,子育てをしてきた親なら誰でも経験することで,おむつにねっちょりとついた便の処理をしたり,食事を口から入れてお尻から出すうんちとおしっこ係は乳幼児期の子育ての大局を占めます。

それが「生きる」ことですし,「食べさせて,出させて,寝かせて大きくさせる」ことが未就学児までの大鉄則だからです。

つまり,生命を維持させ生き伸びさせることです。

妊娠したら女性は,自分の体を「人間保育器」にして卵を孵化させる任務が始まり,安全に出産するまで1日も安定した日はありません。

妊婦は幸せどころかメンタルが落ちることが研究でわかっています。

そして生まれたら生まれたで,発達段階ごとにテーマは変化しますが,その根底には子どものプレセンスを丸ごと受け止め,特性を生かして「生き伸びさせる」ための「愛情」をたっぷりと注ぐこと以外に親の役目はあるでしょうか。

愛情をたっぷり注がれて育った子どもは,巣立った後もその「愛情という土台」を元に(「愛着」と言います)自らの対人関係や能力(知能など)を発揮させるのです。

また,愛着の影響は,そういった心理的なものだけでなく,近年明らかになったことの1つに,神経発達への影響,つまり生理的な身体機能です。

愛着形成が病気への耐性どころか,心拍数や血糖値など基礎的な生理機能の土台となっていることが明らかになったのです。

愛されて育ったかが健康寿命にも影響するのです。

だから,わたしたち親ができることは子どもの特性を生かした愛情深い関わり,簡単に言えば「生きる力」を育てることです。

生きる力の育み重視は,「保育要領」という国家が子どもたちを教育,保育するための指針にも書かれています。

何とか白書とか,そういった大全の文書って,できるかどうかは別として,結構イイコト書いてあるんですよね。

発達凸凹脳のリアルライフをカミングアウトした動画作っています。
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論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。