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育ちを科学する

わたしは、子育て中の心理士であり研究者だ。

子育てを自分の専門である心理学メガネをかけて見てみるとこういうことよね?

っていう、noteの【子育て狂想曲】が、じわじわ読まれていて、嬉しくなる小生でも、子育てって大変さが8割!

人を育てるってきれいごとじゃなく、心理的負担、経済的負担、物理的負担など様々な労力、つまりコストがかかっている。

子どもが成人しても親であることは変わんないから子育てに終わりはない。

江戸時代の女性の平均寿命は50歳だった。16歳あたりで結婚して、子どもを産み始めて30歳で産み終わって末の子どもが16歳になって4年後くらいに死を迎える。ということは、子育てで一生を終えるってことです。でも、今は人生100年時代です。産み終わってからの人生も長いのです。あなたたちはどう生きますか?

なんてことをちょっと前まで高校生だった大学1年の時に、発達心理学の授業で教授から問われた。頭をポカンと殴られたような衝撃でフリーズした。

だって、自分とは何かを模索中の自分しか考えてない、自己中心性の塊だったわたしが家族を持って、子どもを産む?ありえない!

でも、30歳に手が届くくらいに来る、サターンリターン(占星術でいう木星回帰)、そして数秘で言えば第1期が終わる時、「自分にかまけるのは飽きた。人のために生きたい。家族を作りたい。子どもを育てたい。」という欲求が突如芽生えた。

人類なら誰にでもある、生殖本能の遺伝子スイッチがカチリと入った瞬間だった。だって、「このままではいけない」という突き動かされるような衝動があったもの。

わたしは、リプロプロダクティブ(生殖)やら、発生学やら、人の受精から死までを扱う発達を学んでいたから、余計に生殖年齢には期限があることを知っていた。

女性の卵子は母親の胎内にいる胎児の頃から減り始め、妊娠に最も適した生殖年齢は18歳から25歳くらいで、20代に子を産むことがベストであること。遅くとも第1子を30代前半で産んでおくこと。高年齢出産は35歳以降で初産の妊婦とされているのは、受精し着床率がその年齢からガクンと落ち、遺伝子も劣化しているので胎児の障害のリスク、出産時の母体のリスクなど、様々なリスクが急上昇する医学的データがあるからだ。

また、新生児死亡率は日本はとても低いが、0ではない。出産は命がけであることには変わりない。そして、出産時の異常も多発する。臨床の現場で働くといろんなケースを目の当たりにするし、自分の中の体験として、この遺伝子スイッチは入りっぱなしだった。

そして、産んでみて、妊娠中はホルモンバランスが崩れて妊婦のメンタルヘルス研究者がさかんなのも分かるくらいしんどくて、安定期なんてないじゃん!と、思った。

でもそれ以上に、日本のこの社会的システム上、子育てを社会的支援していただいているとは思えない、これって、罰ゲームですか?な環境で育てることは過酷過ぎた。

でも、1人の人間の育ちのプロセスに付き合わせてもらえるって胸が震えるほど嬉しくて尊い体験だ。

未だに、2日に1回は過労死寸前で、労災下りないし、病気休業はないし、ブラック企業クラスの子育て環境だけど、たった、2割の愛と喜びで食いつないでいるのが現状だ。

子育ては罰ゲームでないって設定にしたいから、わたしは育ちを科学する研究者として、今日も働き、子どもを育て、研究し、動き続けている。

論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。