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働き続けたい人に必要なこと 中年の危機と主婦の働き方改革

「ミドルエイジうんぬんかんぬん」
全く仕事と関係のないとある会合に出ていて、外国人スピーカーが話していた言葉に、わたしの発達研究者アンテナがピコンと反応した。

ミドルエイジクライシス、中年期の危機。

子どもたちが大きく育ち、学童期まで手のかかった子育てがひと段落して、アイデンティティの何度目かの危機が来る時期の1つが中年期だ。

中年って一体いつ?

学術的には、青年期の後が成年前期、その後が成年後期の中年期とされているのだけど、青年期の終わりは大学卒業後の23歳くらいだったのが今は30歳手前に延長されている。

だから、昔だったら中年と言われている世代が今は成年前期で中年扱いされない。歳を重ねることに抗う美魔女って、ほんとは中年なんだわ。

と、横道にそれた。学者以外、中年の定義なんて誰も興味を持って語る人はいないだろう。

てことで、話をクライシスに戻そう。

アイデンティティクライシスは、学童期が終わり思春期に入って、それまでの親の受け売りだった自己像を見直し、ぶっ壊してゆく青年前期から始まる。

アイデンティティとは、親などまわりからの他者評価が自分の評価となり、自己評価によって作られるものではない。

なぜなら、他者とのやりとりが介在し、他者なしにわたしたちは自分を知ることができないからだ。

というのが、心理学の世界での自己の扱いだ。

って、硬いな、この文。論文じゃないのにね。

で、何が言いたいかというと、2年ぶりくらいに、会った学生時代の友人がびっくりするくらい、このミドルエイジクライシスと思われたから。

マイペースでいつも人様より数段遅くことを成すわたしに比べて、かの友人はいつもわたしより20メートル先の未来を走っていた。

結婚も出産も子どもの受験も友人ははやく、やすやすとその都度ゴールを決めていた。

それに比べてわたしは、ぐずらぐずらと恋愛に仕事にままならない日日を送り、友人に相談する度に的確なアドバイスをもらっていた。

なのに、やりたいことがわからない?
って、嘘でしょ?

あなたは、いつでもわたしのモデルで、やりたいことが明確ですぐに動いて輝いているあなたがどうしちゃったの?

と、思わず言ってしまった。

友人は病気をしたり、子どもたちの受験が終わったり、親が入院したり、家族経営の仕事に奔走していた。数年間のうちに、あまりに、ストレス負荷のかかるライフイベントが重なり過ぎている。

折しも、引越し、出産、親との死別が重なっているジェットコースターのような暮らしをしているママが子育て相談に来て、すぐに保健師に繋いだケースもあった。

ライフイベントによるストレスって、死別は当たり前に高いと想像がつくが、子どもの誕生や昇級のような喜ばしいことであっても、ストレス度数は高くカウントされるのだ。昇級の後にうつになる場合は、昇級うつと呼ばれる。

だから、ライフイベントが重なる時は、きちんと自分を休ませる必要がある。

スピードを出し続けて走り続けたら、誰だって疲弊する。

人生は思いのほか長い。ちょっとぐらい休んでも大したことない。

でも、一番よいのは、イベントが重なったら、パン作りのように、きちんとベンチタイム、発酵の時間、寝かせる時間を取ることだ。

休む、そして、動く。動く、そして休む。わたしたちの体の作りは、そのように休みを入れて動く前提で発達する。それが自然なのだ。

休むことは、よくないことではない。大手を振って休む!

休み下手と言われる、わたしたち日本人。家庭の主婦こそ、休ませて欲しいなぁ。

主婦こそ、働き方改革必要なんだべさ。と、ヘタレ主婦として思っている。






論文や所見書き、心理面接にまみれているカシ丸の言葉の力で、読んだ人をほっとエンパワメントできたら嬉しく思います。