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ペンシルバニア州をめぐる旅② ~ランカスター

前回に引き続き、ペンシルバニア州の小都市を案内したい。今回は、アンティークの街アダムスタウンから移動して宿泊した、ランカスターの様子をご紹介する。

アダムスタウンから車で約25分の場所にあるランカスター市は、アダムスタウンとは打って変わって、比較的大きな街だ。アメリカでは、「比較的大きな街」と言っても、マクドナルドやサブウェイ、ダンキンドーナツといったファストフード店やホームデポ(ホームセンター)、ウォルマート(スーパーマーケット)など、チェーン店ばかりが大通りに連なる、判で押したような無個性な街も多いのだが、ランカスターは違う。独立系のカフェやレストラン、アパレル、ビンテージ、雑貨のお店が沢山あるし、鄙びた雰囲気もない。…ざっくりイメージで言うと、住宅地の中に、住民が利用する素敵なお店が沢山ある街、という描写が的確かもしれない。

今回の旅では夕方ランカスターに到着し、夕食と宿泊、そして翌日、朝食とショッピング、という形で見聞した。滞在のための情報源は Discover Lancaster という、ランカスター郡の観光案内サイト(英語)から仕入れた↓

センスの良い写真と簡潔な説明で、様々なお店の情報を載せてくれている。日本語で調べると、行った方々の旅ブログで少し様子を垣間見る程度にしか分からないが(それでもとっても貴重)、このサイトを見れば街の全容がつかめる。(なお、ランカスター郡全体の案内なので、アーミッシュの里を含め、郡内の別の街の情報も載っている。)

このサイトとGoogle mapで位置関係を考慮しつつ、

宿:Cork Factory Hotel、夕食:LUCA、朝食:Passenger  を選んだ。

Cork Factory Hotel は、夫が車を運転せず(=お酒を気にせず飲める)に行ける範囲にレストランがいくつもあること、近くにBrewery(ビール醸造所)があることから選んだ。LUCAは上記サイトで5Special Chefs に紹介されていたこと、ホテルから徒歩30分程度(結構遠かった…)で行けることから選んだ。Passenger はペンシルバニア州のベストコーヒーショップに選ばれた、と書いてあったため。以下、写真とともに街の様子をご紹介したい。

スクリーンショット (179)

Cork Factory Hotel

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1865年に建てられたコルク工場をリノベし、2005年からホテルとして営業しているそう。外見は古めかしいが、中は完全に現代的で、居心地の良い空間だった。太極拳もできるくらい広々としたお部屋(スタンダード)の中には工場当時の写真も飾られていた↓

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朝食付きだったら最高だったが、総じてとっても素敵なホテル。(館内に夕食用のレストランもあったが、宿泊1週間前に予約確認するも既に満席。。)おススメです☆

Lancaster Brewing Company

様々な年齢層の人たちが集まる雰囲気のブルワリーだった。カウンターからバーコーナーを撮った写真が↓

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オリジナルロゴのジョッキが天井の方までかけられている、オシャレで圧巻のバーカウンター。このお店にはティスティングメニューがあったので、20種類以上のリストから12種類をピックアップするものをオーダーした。

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どれも少しずつ味が違い、飽きない。私はイチゴ味(ほのかにピンク色)のビールが好きだった。一緒に頼んだシーザーサラダもすごくおいしかった。オーダーを取ってくれた人がちょっと(ハーレーに乗ってそうな)イカツイ大きめのおじさんで怖かったけど、アメリカあるある、すごく目配りができてパキパキ動く、優しい人だった。とってもいいお店!

LUCA

酔いも回って、それから25分ほど歩くのはなかなか辛かったけど、通った道は不穏な空気の一切ない、治安のよい所だった。上記地図の緑色の一画はお墓だが、日本のような雰囲気はなく、緑多き公園、といった印象だ。通過していった一帯は戸建ての住宅街で、道も明るかった。LUCAも住宅街の中に紛れ込んでいた。↓LUCAの前の道路。

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店内は街の人で大盛況。私たちは外のテーブル席で。肌寒い時期ではあったが、ヒーターが超強力で全く寒さを感じずに過ごせた。

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↑ 前菜の、チーズと生ハムとイチジクとリンゴ。頼んだものの中で一番美味しかった。モダンな雰囲気のお店。帰りはさすがに徒歩はキツくなり、ダメもとで Uber を調べてみたら運行していたので利用した(タクシーは見る影なし…)。ニューヨークではアジア・中南米系の移民のドライバーがほとんどだが、今回は白人のリタイアされた位の年齢のおじさまだった。

Passenger

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↑ Discover Lancaster にも載っていたような写真を自分でも撮ってみた。 お店はビジネス街(ビル街)の一角にあり、駐車場もなく、路駐スペースも埋まっていたので、車内に夫を置いてダッシュでテイクアウトした。(なお、ビジネス街も治安は良好そうな雰囲気。)サンドイッチ系はなく、クッキーやシリアルバーが置いてあった。メニューの中にビスケット、という記載があり、もしや日本人に馴染み深いKFCのビスケットみたいなものか!?と期待して注文したら、ほぼKFCのと同じ(だがもっと大きくて塩気が強い)ものが出てきた。バターとジャムもつけてくれた。…さて、ペンシルバニアNo.1のコーヒーの味は、、…と言いながらも、通じゃないので、微差をどうこう批評できないが、Third wave系全般に言えるような、コクと深みのある、味わい豊かなコーヒーだった。なお、街案内サイトDiscover Lancaster には名指しされただけでも市内10件の独立系コーヒーショップが書かれていた。もっと時間があれば、いくつかのお店を比較しながらまったり過ごすのも、旅の素敵な時間になったと思う。

ショッピング

短い滞在時間の中、私が注目したのはビンテージ関連のお店。繰り返しで恐縮だが、Discover Lancaster のサイトを見ていると、住所にQueen Street というのがいくつもあったので地図と照合してみたら、実際何軒かが近くにあったので立ち寄ってみた。Queen Street の雰囲気は↓のような感じ。

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路上駐車できるが、無料ではないので要注意。支払いの小さなスタンドがあるので、(カードで)先払いして、レシートを車のフロントガラスに置き、お店へ。どの店もディスプレイのセンスが秀逸だったが、中でも素敵だったのが「Space」というお店↓

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雰囲気が良すぎて何か買って帰りたくなるお店だった。

駆け足で見ながら、その後、前回の記事のアーミッシュの里を訪れ、日暮れ前に次の都市、ユニオンタウンに向かった。(詳細は次回の記事にてご紹介します)

以上、わずかな写真と描写で語り尽くすには限界があるが、ランカスター、ハイセンスで個性豊かで、時間をかければかけるほど沢山の発見ができそうな街だ。シンプルの極み・アーミッシュの里の近くの小さな街にこんなに魅力が詰まっているなんて本当に目からうろこ。はるばるやってきた価値のある街だった。


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