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駐在妻インターンってどんな人?【第8期vol.6 あかねさん(タイ在住)】

2023年8月、第8期インターンではオランダ、フランス、ドイツ、上海、ベトナム、タイから参加の駐在妻が加わりました。8期インターンメンバーへのインタビュー最終回は、2023年4月からタイのバンコクに駐在帯同中のあかねさんのご紹介です。

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【あかねさん/お仕事プロフィール】
大学卒業後、損害保険会社に入社。営業部署にて代理店向けの保険販売支援に9年間従事。2020年からは代理店への販売支援と並行して、事務作業工程のデジタル化やBPOなど業務プロセス改革を推進。2023年4月よりバンコクに駐在帯同中。


はじめに


顔を見ると話を聞いてもらいたくなるような、柔らかな雰囲気と安心感を持つあかねさんとの会話には、いつも相手の人柄を引き出す温かみを感じます。その心地よさに、インタビュー中も聞き手である私がついつい自分の話をしてしまう場面もありました....!
今回インタビューを通じて、そんなあかねさんの印象はそのままに、思慮深く、そして常にアクションを起こし、着実に前に進む頼もしさや強さを感じました。海外での駐在帯同生活をどのように切り開いていったのか、あかねさんのストーリー、ぜひお楽しみください。

お互いに「ありがとう」と感謝し合える、
その瞬間を求めた会社員時代


帯同前は損害保険会社の営業部署で働いていたとのことですが、具体的にどんなお仕事をしていたのですか?

ー自社の保険商品を取り扱っていただいている代理店さんへの販売支援をしていました。具体的には、商品や事務周りの不明点にお答えしたり、商品改定の講習会を実施したりといった感じです。保険業界にもデジタル化の波が来ていたので、他部門と連携しながら業務プロセス改革にも取り組みました。
忙しくて大変だなと思う時もありましたが、営業部署なので代理店さんやお客さまと近く、やりがいを感じながら働くことができていたと思います。

業務内容は多岐にわたっていたのですね。とても大変な仕事だったかと想像しますが、どんなところにやりがいを感じていましたか?

ー「自分の仕事が誰かの役に立っている」と直接的に感じられるところです。
例えば、代理店さんから保険の提案方法について相談を受け、一緒に考えた提案が無事契約に繋がったとき。システム導入や業務フローの整理によって、自社と代理店さん双方の業務効率化が叶ったとき。
お互いに「ありがとう」と感謝し合える瞬間がうれしくて、そのために頑張れていたと思います。

忙しい日々の中でも「ありがとう」があかねさんの心の糧になっていたのですね。誰かの役に立っていると実感できることは、自分自身の幸せにも繋がりますよね。とても共感します。
2020年からは内務事務統括としての業務も担当していたとのことですが、具体的にどんな仕事をしていたのですか?

ー会社全体が、保険事務をデジタルに置き換える、置き換えられないものはアウトソーシングする、といった「業務プロセス改革」に踏み出した流れがあって、私の役割も「部署全体の事務統括」に変わったんです。そこで、代理店対応業務と並行して、業務改善やデジタル化の推進も行うことになりました。
保険事務のデジタル化は、分かりやすい例で言うと、保険の契約方法を紙への署名ではなくスマホでの電子手続きに代替する、代理店さんからの電話による質問をAIチャットに置き換える、などです。

なるほど、話を聞きながら、インターン活動の中でも、みんなにとって取り組みやすくスムーズな進め方をあかねさんが提案してくれて、物事が前に進む場面をいくつも思い出していました。前職がまさに業務のプロセスを考える仕事だったのですね。
業務全体のプロセス変更・設計にも関わり、きっとやりがいも大きかったのではないでしょうか。

ーはい。改革の過程は、目に見えて成果が出るので面白みも感じていました。
また、社内外に公表している経営計画をじっくり読んで、会社の目指す方向性を理解して、その上で自分たちが取り組むべきことは何か?はじめて自分の頭で考えた時でもあったんです。
目線を変えて会社全体の動きを把握しながら取り組むと、より仕事が面白くなることを知りました。

「変えることの価値」


ただ、改革には痛みも必要と言いますよね。おそらく、スムーズにいかないこともあったのではないかと推測します。

ーはい、ありました笑
まず改革の1ステップとして業務フローの徹底的な可視化と削減・効率化を行ったのですが、そこからしてスムーズにはいきませんでした。
自分もそうですが、日々の仕事が忙しくて、業務のひとつひとつを全て洗い出す作業って後回しになってしまうんですよね。
いざ見直そうとしても、日頃から慣れている業務だと俯瞰してみることが難しい。

ただ、スムーズに行かないからといってモチベーションが下がることはありませんでした。自分たちが取り組んでいる変革は価値あるものであると信じていたからです。

実際、社内・代理店業務が効率化されたことにより時間が生まれ、結果、新しいプロジェクトが生まれる、ということもあったんです。
「今ある形をどのように変えていけばみんながもっと効率よく、モチベーション高く働けるだろう」
これを考えることは、きっと自社の社員や代理店さんが新しいことに挑戦するための下地になると信じて取り組んでいました。

あかねさんの、仕事に対する信念や誠実さを感じます。今あるものを変えることは容易なことではないと思いますが、頑張っている人の役に立ちたい、より良くしていきたいというあかねさんの思いが、人や会社を動かしていたのだろうな、関わる方が気持ちよく過ごせるような環境づくりをされたのだろうなと想像します。


課のメンバーで毎週必ず通ったパスタ屋さん。週ごとに変わるラインナップにいつも心ときめかせていました。


もやもやの正体、
それを解消した「インターン活動」


ところで、バンコクへの帯同が決まった時は、どのようなタイミングだったのですか?また、率直にどんなことを感じましたか?

ー仕事と今後のキャリアについて、うっすらと不安を感じていた頃でした。
というのも、先ほどお話しした業務プロセスの改革は、保険会社の事務職として今まで携わってきた仕事を、自ら無くしてていくことでもあったんです。
契約方法が電子手続きになれば、申込書チェックという作業が減り、AIチャットを導入すれば、電話での照会対応業務が減ります。
身の回りの業務を極小化した後、私はこの会社で何ができるか?何をしようか?それをぼんやりと考えていました。

そんな中、夫にバンコク駐在の話が出たんです。
夫はお付き合いしていた頃から海外で働いてみたいと言っていたのと、私自身も父の仕事の関係で海外で生まれたことから、海外生活自体にはそんなに抵抗はありませんでした。

また、これを機会に自分を見つめ直したり、新しいことにチャレンジできればという気持ちで駐在帯同を前向きに受け止めることができていたと思います。

ただ、調べてみると勤めていた会社には帯同による休職制度がなく…
帯同=無職。転職も異動も経験したことない&ブランクがある状態で本帰国後ちゃんと再就職できるだろうかとそこに一番の不安を感じました。

新卒から9年間勤務した会社を退職しての帯同、海外生活に抵抗はなかったとはいえ、不安ですよね。。。実際にバンコクでの生活をスタートしてみて、いかがでしたか?

ーしばらくは、1人で外をぶらぶらしてみたり、習いごとに通ってみたり、時間をかけて料理を作ったり「人生の夏休みだなぁ〜」なんて思いながら、帰国後の再就職の不安は一旦置いて、楽しく過ごしていました。

でも、2ヶ月たったくらいで、急にもやもやし始めたんです。
働いている時は、何にもせずにボーっとできる生活が喉から手が出るほど欲しかったのに、いざ手に入れると、なんだか居心地が悪くて。

そのもやもやをさらに詳しく聞いても良いですか?

ー夫は毎日出社して朝から晩まで働いているのに、私は何も生産できていない。このままふわふわ過ごしている間にも日本にいる友人や同期は着実にキャリアを重ねているんだろうな。帯同中に妊娠&出産したら本帰国後正社員で採用してもらえる可能性ってあるのかな...など、そんなことをぐるぐると考えていました。

私も同じ気持ちになったので、とても良くわかります泣。帯同生活が一旦落ち着いてくると、ふと社会とつながりのない自分の立ち位置に不安や焦りを感じて、苦しい時期がありますよね。
あかねさんは、そのもやもやとは、どんな風に向き合ったのですか?

ー実は、そんな時に見つけたのが、CAREER MARKのインターン募集だったんです。「これだ!」と思いました。

元々、帯同が決まった時にCAREER MARKのインスタはフォローしていて、インターンの先輩たちの他己紹介記事を読ませていただいたり、スキルアップ部の講座に参加したりしていたんです。
ちなみに、渡泰当初参加したポジティブ心理学の講座にはすごく元気を貰えました。
その時に講師の方に教えてもらった、「家族とその日にあった良いことを3つずつ報告し合う」という習慣は今も続けています。

CAREER MARKアカウントをフォローし、ブログを読み、講座にも参加し、帯同して2ヶ月でいくつもアクションを起こしていてすごいなと思いながら聞いていました。

ーただ、そのアクションだけではもやもやを解消できなかったんです。
解消に必要なのは「社会と繋がって誰かの役に立っているという実感を持つこと」だったんだと思います。
それで、インターンに思い切って応募してみました。


タイのヌードル屋さんで良く見かけるにわとり柄のどんぶり。欲しくなって購入(約200円)してしまいました。タイは可愛くてリーズナブルな食器がたくさん売っているので、物欲を抑えるのが大変です。

「みんなで前に進める」楽しさ、心強さ


あかねさんにとっては、「誰かの役に立っているという実感」が最も必要なことだったのですね。
実際にインターン活動をしてみていかがですか?

ー製作物を作ると運営の方は必ずフィードバックをくれますし、イベントではアンケートで嬉しいお声をいただいたりと、お金が発生する活動ではないけれど、誰かの役にたつことが出来ているという実感が得られるのは嬉しいです。

また、チームで働く楽しさを再認識しました。
もともと、職場ではリーダー的なことをやらせてもらっていて、これは私がリーダーシップがあるからという訳ではなく、その部署での在籍歴が長く業務の全体感を分かっていたからなのですが、、。
そこで、自分1人では乗り越えられない高い壁も、メンバーで知恵を出し合って協力すれば乗り越えられる、物事をちゃんと前に進めていくことができるということを学びました。すごく周りに助けられていたんです。
CAREER MARKのインターンでも、未経験のことに挑戦しながら同様のことを感じています。
バックグラウンドも住む場所も違うメンバー同士が集まって、アイディアを出し合い、助け合いながら一つのことに取り組むのはとても刺激的で楽しいです。
メンバーに対して、「すごいなぁ」と感じて焦ることも多々ありますが、インターンに参加した目的の一つは、成長。みんなの良いところをどんどん吸収していきたいと思います!

とても謙遜されていますが、あかねさんの人柄や、相手の気持ちを汲み取りながら、より良い方向へ進めていけるリーダーシップをインターン活動中にとても感じていたので、納得です。
チームで働く、というところはやはりあかねさんにとって大切なポイントでしょうか?

ーそうですね。自分自身だけでなく周りの人も楽しく、気持ちよく働けるようにするにはどうしたら良いかを考えることが好きなのかもしれません。

あかねさんにとって、関わる人たちが気持ちよく過ごせること、一緒に前に進めること、お互いに助け合い「ありがとう」と言い合えること、そんな人との温かみを感じる距離感と関係づくりがとても大切なことで、だからこそ、あかねさんご自身からもその温かさな温度を感じるのだなと聞いていて思いました。


「自分で決める、行動する」


最後に、このブログを読んでいる方へ一言お願いします。

ーこのnoteを読んでくださっている方の中には、キャリアの中断についてもやもやを抱えている方って多いのではないでしょうか。
私自身インターン活動に参加している今でも、もやもやが完全に晴れた訳ではないし、悩みはつきません。
なので、偉そうなことは言えないのですが…
CAREER MARKのイベントに参加する中で「これは大事なポイントだなぁ」と思ったことをシェアさせてください。

それは、「自己決定を意識する」ことです。

人は、自分で決定した物事に対しては高いモチベーションを保って取り組め、良いパフォーマンスを発揮することができるけれど、そうでない場合は逆の状態になってしまうそうです。(心理学で提唱されている「自己決定理論」詳しい説明はこちら

配偶者に帯同するために仕事を辞めて海外に住むなんて、まさに「自己決定」とは逆の状況ですよね。「私は自分で帯同することを決めたんだ」と考えるのも若干無理がある。
抗えない外部環境の変化、受動的にならざるを得ない状況がもやもやしてしまう原因の一つになっているのではないかなと思います。
そこで、CAREER MARKのセミナーの中で解決策の一つとして教えていただいたのが、「現地で自分自身が有意義だと感じられる活動に取り組む」というもの。
「自分自身で」やりたいことを「決め」てそれに取り組むといいよ、ということですね。

あかねさんの自己決定による行動の一つがインターンということですね。他に何か取り組んでいることはありますか?

ーフワッとしてて発表するのが恥ずかしいですが…自分なりに決めたテーマ「できるだけたくさんの人とお話しよう!」に沿って行動しています。

日本に住んでいる時は、はじめましての人と知り合う機会なんて年に数回、片手で数えるほどもありませんでした。オープンな場所に出ていくのがあんまり得意じゃないんです。
でも、駐在帯同という特殊な環境だからこそ、自分のキャラというか、気の持ちようをちょこっと変えてみても良いかなぁと思い。
今は、年齢や経歴、ときには国籍問わずたくさんの方と知り合い、お話ができています。さらに、インターンをはじめてからは、じっくりとキャリアについて話す仲間ができました。

そしてそんな方々とのコミュニケーションの中で、ほんの少しずつ自分の視野が広がってきているような…それと同時に自己理解も深まっているような…そんな気がしています。
自分で決めたテーマに対してちゃんと取り組めている!えらい!と自分を褒めてあげることもできています笑

このようなフワッとしたテーマ設定でも、趣味やボランティアのような具体的な活動でも、何でも良いと思うんです。もしもやもやしてなんだか調子が出ない…という方は、「自分で決める&行動する」を実践してみていただきたいなぁと思います。

あとがき

目の前の試練やもやもやにじっくり向き合い考えるだけでなく、解決に向けて様々なアクションを起こし、そこで得たことを取り入れてみる。
その積み重ねで常に自分をアップデートしているあかねさんの姿に、とてもパワーをもらいました。
そんなあかねさんが実践されている、「自分で決める&行動する」。きっと多くの駐在パートナーの皆さまの心に響くメッセージだったのではないでしょうか。
日々もやもやと格闘中の私も、小さなことから意識してみようと思いました♪何か新たなスタートラインに立てたようなそんなわくわくした気持ちです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

インターン活動を振り返って(インターン最終日の追記)

本日2月29日でインターン活動が終了します。
「私なんかが採用してもらえるのだろうか?」と不安な気持ちで応募フォームを提出した時から半年以上も立っているなんて!なんだか信じられない気持ちです。
本当に刺激的で楽しくて、あっという間の7ヶ月間でした。

インターンの仲間や運営の方とのコミュニケーション、日々の活動を通じて、少しずつ、自分が変化していくのを感じていました。一番大きな変化は、「新しいことに挑戦することへの恐怖心」が緩和されたことだと思っています。

新卒から帯同により退職するまで、ずっと同じ会社、同じ部署にいたので、仕事内容も人間関係も大きく変わることなく社会人生活を過ごしていました。
何か違う仕事をしてみたいと思う一方、キャッチアップできなかったらどうしよう、後悔したらどうしよう、そんな不安から転職には踏み切れずにいました。
自分の業務領域をちょっとずつ拡大していく、というようなスキルアップの方が性に合っていると思っていたし、別の仕事をするんだったら「いつかそれに見合うスキルを身につけてから」と考えていました。

けれど、このインターン活動で全く未経験の分野への挑戦し、学びながらアウトプットしていく工程を心から楽しめたことは、「わたしも挑戦しても大丈夫なんだ」という自信に繋がりました。
スキル不足で引け目を感じてしまうことが多々あったけれど、「自分が貢献できる部分はどこだろう」と考えて手を動かせば良いのだと思わせてくれたメンバーや運営の方に大感謝です。

インターン関係者だけでなく、CAREER MARK+のイベント参加者の方、バンコク部の皆さん、多くの方に刺激をいただきました。
世界を広げてくれたCAREER MARKに関わるすべての人に感謝です。
本当にありがとうございました。

インタビュー・文:
CAREER MARK 第8期インターン 藤岡 文香
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