看護師転職サイト掛け持ち・複数登録のデメリット

看護師転職サイトを掛け持ちする致命的なデメリット

掛け持ちするかどうかは、一般論でなくあなたの性格と照らし合わせて考える必要があります。

結論から言うと、

  • 日常的に友達や親とのLINEのやり取りを溜めがち

  • 決められない性格(例えば居酒屋のメニューは誰かに任せがち)

上記のどちらかに該当する看護師であれば、転職サイトの掛け持ちはしない方が良いです。まずは厳選した1つに登録するところからはじめてください。

なぜなら、以下のようなデメリットにつながるからです。

デメリット①煩雑なやり取りにより、モチベーションが低下してしまう

身近な例でいうと、例えば「マッチングアプリで複数の男性とのやり取りが面倒になって退会した」のような経験がある方は、まず掛け持ちに向いていません。

というのも、看護師転職サイトは専任担当者制で、転職活動は担当のアドバイザーとやり取りしながら進めていくのですが、そのやり取りする機会というのは意外と多いからです。

転職サイトとのやり取りとは?

転職サイトで担当者とやり取りが発生する(返信など何かしらのリアクションが必要)シチュエーション

①登録後、確認と初回面談の日程調整の電話がくる
②電話で初回面談を行う(30~60分程度)
③紹介求人が届くので、全てに目を通してエントリーするか、保留にするか返信する
④求人について詳しく知りたかったら、その都度LINEやメール、電話で確認
⑤「履歴書を○日までに出してください」と言われるので作成して共有する
⑥面接可能な日程を教えてください、と言われるので共有する(応募先の数だけ)
⑦内定後は承諾をするかどうか、いつ入職できるかどうかを相談する

これだけでも結構多いと感じる方もいると思います。もちろん、時間がかかるのは②初回面談くらいで、あとは「LINEを返すだけ」のような細かい作業です。が、数が増えるほど割と後回しになってしまいがちです。

これがもし3サイト使うとなれば、返信・電話応対などの"しなければならないこと"は上記の3倍になります。

どのサイトと何のやり取りしていたのか混乱することもしばしば。休憩中にスマホを見たら、色んな転職サイトからの返信催促の通知が溜まっている、なんてこともあり得ます。放置すればまた催促が来ます。

「やらなければいけないこと」が増えるほど、モチベーションが下がっていくのは明らかです。

デメリット②選択肢が増えるほど、決められなくなる

ネット・ブログ記事では、複数登録により求人の選択肢が増えることを一様にメリットとして強調しています。

確かにこれはメリットなのですが、良い面ばかりではありません。

一つの転職サイトが最初に紹介してくれる求人数は、地域や条件によって変わりますが、目安およそ10件前後。視野を広げるためにという建前で、希望とはズレる求人を含めてそれ以上の案件を送ってくるサイトもあります。

3つの転職サイトを使えば、単純計算で30~50件ほど。それらすべてに目を通して比較検討し、エントリーするかしないかを決めていく必要があります。

まずこの時点で決められない性格の人にとっては負荷が大きいです。
居酒屋でも100種類のメニューから選ぶより、人気トップ5からの方が選びやすいのと同じように、選択肢は多ければ良いというわけではありません。

心理学でも「人は選択肢が多すぎると選べなくなり、やがて選択すること自体をやめることもある」と言われており(決定回避の法則)、転職のやる気そのものが失せてしまう可能性もあります。こちらもモチベーションの低下に影響します。

最終局面で誰にも頼れないかも

そしてなんとかエントリーする病院を決め、効率的に進めるために、候補の病院を併願してエントリーしたとします。

そこでもし、転職サイトXから応募したA病院、転職サイトYから応募したB病院に内定が出た場合、次なる迷いポイントです。

「A病院の方が条件が良いけど、B病院の看護師さんの方が印象が良かった。どっちを選ぶべきだろう…」このような状況になった時、あなたはどう判断しますか?

決められない性格の人は、自分よりも正しい判断ができる人にひとまず相談したくなると思います。転職サイトを一つだけ使っている場合、担当者に相談すれば、諸々の条件を加味した客観的なアドバイスがもらえます。

ですが、複数掛け持ちしていて、それぞれのサイト経由で選考を受けていた場合、それはできません。

なぜなら、転職サイトX、Yは両方とも、自サイト経由の病院に内定承諾してほしいからです。※転職サイトは、自分たち経由で内定が決まった場合、成果報酬として病院から手数料を受け取ります。

なので、「ウチから受けた病院にしましょう!」と全力でクロージングをかけてきます。客観的なアドバイスなどもらえません。(もっというと、転職サイトXの担当者は、B病院のことなど知りませんからアドバイスのしようがありません。逆もまた然り)

したがって、内定先を決めるという人生最大の局面で、プロからのアドバイスなど受けられず、自分で判断しなければならなくなるのです。

ここまでの結論

転職サイトは掛け持ち数が増えるほど、やり取りが煩雑になります。スケジュール管理が苦手で物事を先延ばしにしがちな人はまず無理でしょう。

また優柔不断な人は、複数利用して選択肢を増やすことよりも、「この担当者なら信頼できる」という1人を見つける方が大事です。そうすれば、転職活動で迷った時に、決断のサポートをしてもらえます。

ここまでの内容に当てはまった方は、「このサイトを使う」と1つに絞って、まずはそのサイトの担当者と二人三脚で進めていくのが賢明です。


掛け持ちではなく「複数試しに登録して、1つ選ぶ」が賢い選び方

上記性格に該当する人に掛け持ちは推奨していませんが、最初に複数登録するのはアリです。

3サイトを並行して使う掛け持ちではなく、例えば、最初に3サイトに登録し、それぞれの担当者と面談して一番相性が良かった人のサイトを1つ使う、というやり方です。

というのも、転職サイトによっては担当者が男性だったり、新人だったりするパターンもあるからです。性格的に相性が悪い人に当たってしまうと、何から何までストレスになります。※担当者変更も可能ではありますが、理由を伝えたりまたイチから情報共有したりなど少々面倒です。

複数登録しておけば、洋服を買う時に何着か試着して最も似合う1つを決めるのと同じように、扱っている求人担当者の人柄、コミュニケーションの取りやすさを比較して見極めた上で、求人を探すことができます。

そもそも転職サイトはどれも完全無料なので、いくつ使っても損はありません。

むしろ、最初から1つのサイトに絞ってしまい、他のサイトで扱っている求人に辿りつけない方が損と言えるでしょう。

まずは複数登録し、その中で一番相性が良かった人に任せるというやり方であれば、転職サイト選びの失敗は回避できます。

それ以外の性格の人にとって、掛け持ちはメリットが上回る

先ほど列挙した「先延ばし癖」「優柔不断」に特に該当しないという方は、掛け持ちでの利用がおすすめです。

なぜなら以下のようなメリットがあるからです。

メリット①複数のアドバイスをもらえる

掛け持ちの一番のメリットは、複数の担当者からアドバイスをもらえることです。これは選考の段階でかなり役立ちます。

例えば応募書類を作成する際に、「これまでの職務内容で強調すべきところはどこか」「自己PRをどのように書けば良いか」といったアドバイスをもらえます。

キャリアアドバイザーはこれまで何十人~何百人もの応募書類を見てきた目利きなので、かなり実用的なアドバイスになると思います。それが1人ではなく3人から提案を受けられるとなれば、応募書類で悩むようなことはまずなくなるでしょう。最強の応募書類の完成です。

このように、複数の視点から転職活動に関する知見を得られるのが掛け持ちの最大のメリットです。

メリット②求人の選択肢が増える

転職サイトを掛け持ちすることで、単純に求人の選択肢が増えます。

紹介できる求人があるかどうかは、その転職サイトが保有している求人数次第なので、極端に言えば登録サイト数を増やせば増やすほど、良い求人が見つかる確率は高まります。(その分連絡が面倒ですが)

看護師転職サイト掛け持ちで発生し得るトラブル

転職サイトの掛け持ちはメリットが大きいですが、同時にトラブルが発生するリスクもあります。ここでは掛け持ちで起こり得るトラブルを全て解説しますので、しっかり把握して回避しましょう。

①重複で応募が進んでしまう

複数のサイトから同じ病院に応募してはいけません。「どのサイト経由での採用になったか」がややこしくなると、採用後の病院と転職サイトの間で、紹介料の支払いのトラブルが発生するからです。

あなた自身には被害はないですが、これから働く病院に迷惑をかけてしまうことになるので、重複応募は避けましょう。

複数の転職サイトを使う場合、情報を一括に集約できないので、「どの病院を検討していて、どこに応募したか」の抜け漏れが生じやすくなります。担当者も別のサイトの案件は把握していませんから、転職活動にまつわる情報は全て自分で管理しなければなりません。

なので、手帳やメモアプリなどを使って、検討病院一覧をまとめ、併せて"どの転職サイト経由で紹介された求人か"も書き加えておきましょう。

②情報がこんがらがる

転職サイトの掛け持ちは、数が増えるほど情報が錯綜し、管理しきれなくなります。

「転職サイトXから応募したと思っていたが、違うサイトからだった」「面接可能日程を共有したつもりだったが、できていなかった」など、転職活動が非効率になるだけでなく、選考に影響するケースも想定されます。

転職サイトとのやり取りも、ナスカレなどのアプリにまとめておくと良いでしょう。

③内定承諾を急かされる

複数の転職サイトを使っている場合、担当者から「他社経由の応募状況はどうですか?」と逐一きかれます。(うっとうしいくらい)

そして、もし転職サイトXからエントリーしたA病院で内定が出て、転職サイトYからエントリーしたB病院が選考中…という状況になった場合、転職エージェントXは「内定承諾しましょう」「○日までに承諾してください」とかなり圧をかけてくることがあります。

なぜなら、もし転職サイトYからエントリーしたB病院に転職されてしまうと、転職サイトXはタダ働きになるからです。

転職サイトは自社経由で採用が決まった場合、病院から手数料を受け取るというビジネスモデルなので、他社経由で採用が決まってしまえば、1円も儲かりません。

これはビジネスモデル上仕方がないので回避はできませんが、ペースを乱されないように意識することはできます。もし内定承諾を急かされても「B病院の内定が決まってから比較検討します」と伝え、冷静に判断しましょう。

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