Epoch#228 | 分散化とkパラメータと人間らしさ

最近委任やプールに関して、大きな議論と意見が飛び交っています。ダイダロスの表示問題や以前委任先の選び方で書いたKパラメータについてです。

一言で要約すると、すでに大きく人気のあるプールに人(委任)が集まり、新規で参入するような小さいステークプールオペレータには委任が増やせないという不公平な状況になっているのではないかという内容です。それにダイダロスの表示変更が拍車をかけた状態です。小さいプールの必要性にも触れていきたいと思います。

問題はそういった不満の言い合いは(感情も含みますので)、委任者側から見れば決して気分の良いものではないですし、そのようにLINEなどのコミュニティに書いてあり、少し落ち込みました。

中立でいたいとは思うものの、ステークプールを運営するには時間もお金も費やされているし技術的な苦労、努力も皆さんあると思います。でも、ランチを食べに行く時そこの店長の売り上げの悩みを考慮に入れて店を選択する人は少数派だと思います。満足度が高くおいしいものを食べたいというのが大多数です。

今回のブログの要約

① Cardanoは査読済みの論文を根拠にコーディングしていると聞くが、より大事なことは人間の意志と行動が今後を決めていくということ。

② 小さいプールが安定稼働することで、カルダノのネットワークがより分散化され、セキュリティが強固になり価値のあるものになっていく。

IOHKブログ:パラメータと分散化の展望

この記事の個人的に重要と思う部分を簡単に見ていきたいと思います。これがSPO活動の中心として期待されているものなので、引用部分だけでも読んで知っていただけると幸いです。

活力に満ちたプルーフオブステークネットワークとしてのCardanoの健全性の中心にあるのは、委任者やステークプールオペレーターがこれを運営することによって得られる報酬の仕組みであり、ネットワークの分散化と安全性を最大化するために、こうした報酬がそしていかに共有されるか

委任者、ステークプールオペレータ(以下、SPO)共に報酬が動機で行動しますよという率直なことがまず大前提として書かれていると思います。これが健全性の中心になるとのことで、その動きの結果、ネットワークが分散化され安全性も高まるように設計されています。論理だけではなく、とても人間臭い部分にフォーカスがあってここに個人的に惹かれています。

ステーキングの目的の1つは、ADAの長期保有を奨励することです。

長期的には、このシステムは広く分散化がなされた場合にのみ成功します。哲学的には、報酬スキームのデザインは、幅広く多様性のあるステークプールオペレーター集団の形成を促すことを意図しています。これにより、プラットフォームは攻撃から守られ、利用可能な報酬はすべてコミュニティ全体に公平に分配され、システムは変化への耐性が増します。

少数の大規模なプールが集団的にシステムをコントロールするという傾向を抑えるには、プールの成長に反イニシアティブを導入することです

ここで明確に書かれているのは、大きなプールが大きくなり、力を持ちすぎる場合、報酬額が減らされるような仕組みを実装しているということです。中央集権化を避けるための分散化であるので、そのためにある程度の委任が集まったプールは飽和を迎え、プールが飽和すると報酬は減り(検証では20〜30%減少)、委任者は別のプールへ移動するという風な意図で設計されています。公平性、ネットワークの安全性のためです。
余談ですが、ジャブジャブ紙幣が刷られ、政府は国債を発行し、株価を買い支えする、旅行はお得といわれるが、結局その財源は税金ではなかろうかという、疑問があると思います。そのため、非中央集権型、分散化された通貨というものが実現されるのを見てみたいと思っています。

k=500への引き上げ

kの増加調整において最適な戦略とは、上げ幅を大きく、頻度を下げるというもの

kとはプール運営に関わってくる値で、プールが飽和するADAの量を結果として決めます。k=150(記事を書いている時点)では、飽和するADAの量が大きいので、飽和によるペナルティを受けにくくなり、大きなプールへ人が集まりやすくなっています。(詳細はこちら

ここは自分の理解では混乱やSPOの収益が予測できなくなるような急激な変更はせず、徐々にkの値を引き上げていくということだったと思いますが、委任者、大、小のプールの意見を合わせた結果k=500へ引き上げるのかなと想像します。小さいプールの立場としては歓迎ですし、相当なデータを集め、議論はされたところと思います。

うまくいっているプールとその委任者の混乱を最小限に抑えながら、中小規模のプールによるブロックの生成と委任先としての魅力を最大化すること

エポック234(日本時間12月7日06:44)にk=500に変更します。

ということですので、k=500の結果、64M ADAの委任を超えるプールへ委任している方は、報酬が減るため、そのプールのSPOさんから移動を推奨されているかと思います。もちろん、ADAの所有量がマイナスになることはありませんが、お早めにリサーチはしておくことが良いかと思われます。

今後のネットワーク

ステークプールの長期的な実行可能性をモデル化すると、k値を1000にした場合に長期的に安定することがわかりました。したがって、2021年3月中にk=1000に移行することを目指しています。

その時どうなっているのか本当に楽しみです。

3月末までに、分散化パラメーターのdもまたゼロに設定されます。

dはIOHKがどれだけ運営を占めるかの割合です。完全に分散化されるとd=0となり、それが2021年の3月末に検討されています。

パブリックのIOGプール1つを残して他のすべてのプールを終了

とのことで、IOGは1つだけのプール運営を除き、もともとお互いを知らない赤の他人同士であるSPOがプールを運営するということになります。これは本当にすごいことだと思いませんか?

現状、Active Poolsは1186で、そのうちの1000プールが飽和されるのが望まれるようになります。ここで懸念されている問題点は、飽和が引き下げられることで、大きなプールが今度は数多くのプールを作成、運用し始め、結局資本が大きいところがネットワークを支配するのではないかというところです。
これに関しては、文脈からたくさんの中小のプールが生き残り運営を続けていけることが一つの解決策ということになると思います。その時には委任量も均されることを願っています。

真の分散化は純粋に数学的定理から導き出せるものではなく、パラメーターや式の調整だけでは決して十分ではありません。

最終的に、真の分散化はCardanoコミュニティの集団的な意思と行動から生じます。

ADA/USDチャート

画像1

(ここからは日課です)前回のタッチと同じく200日移動平均線(上段赤線)でサポートされ、50日移動平均線を越えました。下が固まってきたように見えます。RSIも50以上、MACDもうわ抜けということで、ボリュームが伴ってくるとよりいいのですが、いったん安心しました。

※ 日足チャートなので長期目線です。あくまで一つの見方なのでトレードは自己責任でお願いします。

Rewards

Epoch#228になりました!ということで今回(Epoch#226分)の結果です。

Rewards: 24.629 ADA
Total Rewards: 595.150 ADA
ROS: 4.13%
Lifetime ROS: 5.39%

最後まで読んでいただきありがとうございます。

よろしければ、過去のブログのまとめページもご確認いただけますと幸いです。(ステークプールの宣伝を含みます)

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