第3夜:見積書に求められるモノ

皆さんこんばんわ。
きゃぷてん中洲です。

本日は精魂込めて見積書作って客先からの質疑や指摘に対応した大型案件が失注して荒ぶっております笑

これがねー。

他所の激安電気屋に価格で負けたとかならまだ「仕方ねーな施工不良で揉めても吠え面かくなよ!」と納得出来るんですが……
原因が弊社の施工体制ではキャパオーバーだから、と事実上の辞退なのがねぇ?

売上〇〇億目指すのはいいんだけど、せっかく取れそうな仕事を人員不足で逃してるようでは難しいんじゃなかろうかね🤔

さて、今回は「良い見積りを作るにはどーすりゃいいのよ?」って話です。

その前に、前回横に置いといた見積りの定義の大事な部分の話をしときましょうか。
てなワケで再掲。

見積(みつもり。 見積り、見積もりとも書く)とは、金額・量・期間・行動を前もって概算すること。 見積もること。 あらましの計算をすること。(Weblio辞書より)

この中でとても重要なのは

『金額・量・期間・行動を前もって概算すること。』

のところ。

そう、見積りとは何処までいっても概算でしかない、という点です。

当たり前やないかい‼️

とツッコミが入りそうですが、日本人の見積絶対主義というか
「見積りの内容は絶対‼️見積りに書いてある事が全て‼️」
という謎の信仰は異常としか言いようがないです。
お役所が発注する公共工事ですら、一応「想定外の事態による費用については別途協議する(意訳)」とされてますが、実態は

「見積りに入れてないのはそっちが悪い」

と言われる始末。

さらにコレが一般消費者相手だったりすると、事前にどれだけ「やってみないと分からないから見積りはムリ!」と言っても執拗に見積りを求められ、仕方ないので大体の金額を「多分コレ位だと思うけど絶対じゃないよ?」と念押ししておいても、実際にやってみてその金額を越えると

「ぼったくりだ‼️消費者センターに訴えてやる‼️💢💢」

と喚き散らされ、実際に消費者センターから電話が掛かってきたりする訳です(クソデカタメイキ

超能力者じゃあるまいし、想定外の事態なんか事前にわかるハズないし(だから『想定外』)、だったら逆に可能性は低くても起こり得る全ての事態に対する費用を盛り込んでいいのかよ?となるんですが、それをやると見積り金額が限界突破してクレーム来ますからねー笑

この話、やろうと思えばシリーズ化出来るくらいネタに事欠かないんですけど、読んでて楽しくないでしょうし書く方も楽しくないのでこの辺で辞めます笑
まあ、例え理不尽でも日本社会で見積りに向けられる目がそういうモノである以上、仕方ねーなと溜息つきながらでもやっていくしか無い訳です。

閑話休題。

さて、そろそろこの話がどーやって「良い見積りを作るには」に繋がるのかと思われてる頃でしょうがもう少しお付き合いください笑

前々回の「良い見積り」の定義を思い出して頂きたいのですが、

・仕事が取れる
・利益が残る

の2点でした。
そして、この2つは必ずしも両立しない(出来ない)。

工事内容を精査して、材料の種類も厳選して、仕入れ先も出来るだけ安く買えるところを探して、工事日程を確認して投入する人員も必要最小限にして、でも必要な経費や想定外の事態に備えたマージンを見込んで『概算』した結果、相手の予算だとか思惑だとか相場だとか根拠の無い思い込みだとか言葉は何でもいいんですが相手の設定する金額を越えてしまっている見積書を出さざるを得ない場合があります。

というか殆どの場合がそうです。

その結果、お客から
「高い‼️」
「ぼったくりだ‼️」
「ふざけんな‼️」
と罵詈雑言を浴びせられるんですが、これが例えば工事後に実際に掛かった費用(原価)に利益を乗せて請求出来るのであれば、少なくとも我々業者は
「えーっと材料はコレとコレ使って人数は〇人で経費はこれだけ掛かりましたからウチの利益これだけ乗せると……〇〇円になります」
と言える訳です。
(大きな現場だと工事後に変更があった内容によって追加または減額として精算される事はあります)

ですが、見積りはあくまでも概算に過ぎず、お客にとっても業者にとっても目の前に実物が無い状態で高いだの安いだのと喧々諤々やってるのが現実です。

そんな時に見積書に求められるのは何でしょうか?

おいらは「説得力」だと思ってます。

ハイ、また「当たり前やないかい‼️」と言われそうですが、ホントに当たり前ですか?

おいらは自分が見積書を作る側であるのと同時に電材屋さんその他から大量の見積書を頂く側でもあります。
照明器具とかエアコンのような形のあるもの、いわゆる物販の見積りは単価と数量だけなので、単純にA社とB社を較べてこっちが安い、と言えます。

ですが、これに業者による施工が入ってくると
「A社ずいぶん安いけどコレ工事内容はB社と同じか?」
という事態がよく起こります。
実際、B社が見込んでる工事をA社は見込んでなかったり。

別に見込まなくても大丈夫な内容ならA社でOKですけど、そうでなければB社にするかA社に再見積依頼をする事になります。

ですが、これはおいらが曲がりなりにも専門家だから出来ること。
中にはおいらでも意味の分からない項目挙げてきたり変な書き方の見積書が来るのが現実です。
(そして、それをよく咀嚼しないまま仕切価格に利益乗せただけのおかしな見積書が出回っているのが悲しい話ですが現実なのです……)

とても個人的な意見ですが、おいらは見積書は、少なくとも同業者が見ればおおよその工事内容が分かるように作られているべきだと思ってます。
勿論、だからと言って工事の詳細をくどくどと書き連ねる訳にはいかないんですが笑

具体的に見積書に説得力を持たせる方法ってのは、今後書く予定の「実践編」でやるつもりですが、次回はその根幹である「積算の根拠」についてお話したいと思ってます。

乞うご期待。

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